連載コラム:今すぐ読むべき、仕事に活かす書籍紹介

ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。
42の失敗事例で学ぶチーム開発のうまい進めかた

ご紹介書籍

『ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。
42の失敗事例で学ぶチーム開発のうまい進めかた』

著者:出石 聡史
出版社:翔泳社

タイトルだけ見ても、興味をひく本書は、ソフトウェア開発の現場にいる人、いたことがある人にとって、「あるある」と首がもげるくらいうなずきたくなる事例ばかりが紹介されています。
世の中一般の事例集は、成功事例が紹介されているものがほとんどで、確かに参考になる事例もありますが、大抵は時期や予算の違い、開発環境の違いなどで、参考になりそうでならない場合が多いのではないでしょうか?
成功事例は100%再現性はありませんが、失敗事例は、同じことを行うと100%に近い確率で失敗すると考えています。
本書で取り上げられている事例をいくつか切り取って紹介すると、


  • 実装不可能な「ふんわりとした仕様」
  • 行間を読まないとわからない「文学的な仕様書」
  • なんでもできる「全部入りソフトウェア」
  • 作ってみてのお楽しみ「でたとこ性能」
  • リリース版が復元できない「不完全リポジトリ」
  • 修正が新たなバグを生む「バグ無間地獄」

などなど、要件定義や設計など初期段階から、チーム編成や、プロジェクト進行、ソフトウェアのリリース段階に至るまで、
ありとあらゆる(といっても42件ですが)失敗談に、胃が縮む思いです。
もし本書で紹介されている失敗事例に1度も遭遇したことがないのであれば、相当幸せな現場で働いているのだと思います。
本書の素晴らしいところは、失敗談で終わらずに、その失敗をいかに避けるか、回避策も一緒に紹介されています。
ただし、本書の舞台となっているソフトウェア開発現場は組み込み開発の業界に限定されており、業界が違う場合はピンとこない解説もあるかもしれません。

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