ご紹介書籍
強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」
著者:ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
出版社:早川書房
本書は原書が2013年に刊行された翻訳本ですが、いま現在にこそ大切な事柄が数多く書かれています。
著者の二人は、世界中で利用されているプロジェクト管理ツールを開発するソフトウェア企業37signals社(現Basecamp社)の創業者と社員です。
米国シカゴを拠点としていますが、数年前から大きなオフィスを持たず、その当時約40人いた社員全員がリモート勤務で働いています。
本書では、一人あたり年間1万ドル(約110万円)の節約効果をもたらした彼らの働き方、リモートワークにおける誤解や、落とし穴、コレボレーションの手法など説得力のある事柄が紹介されています。
またリモート時代ならではの人材採用の方法や、人材マネジメントの方法など、今の時代を予見したかのような、時代に先んじた彼らのリモート勤務のノウハウが紹介されています。
とくに保守的な企業でリモートワークを取り入れる際、マネジメントをどうするのかが課題となります。
本書で紹介されているのは、仕事しているかどうかを監視する手立てではなく、リモートワークで最大限成果が得られるような、次のような方策です。
- オフィスに出勤しているのと同じように1日のリズムをつくる。昼夜逆転して働かない
- 社内の情報格差を無くす。仕事で利用する機材や環境の格差をなくすこと
- 多人数で議論するのも良いが、一対一で話す時間を増やす
- 少しづつで良いので無駄な承認や手続きを無くすことを考えていく
- 怠けることを心配するよりも、働きすぎで効率が落ちることに注意する
- 存在感は、声の大きさやコミュニケーションの頻度ではなく、仕事の成果でアピールする
- 仕事上必要なスキルの共有は当然のこと。話がうまい人ではなく、文章がうまい人と働く
リモートワークではオフィスで働く以上に、人と人とのつながりが重要になってきます。
現代はすでにリモートワークのための道具は揃っていますが、仕事の仕方はいまだ過去のやり方に縛られてしまっています。
リモートワークでも良質なコミュニケーションをとり、成果を出すための数々のヒントが本書で得られることでしょう。
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