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Book25 :『リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書』DX(デジタル変革)を推進する人材がいない

ご紹介書籍

『リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書』DX(デジタル変革)を推進する人材がいない

著者:白川 克
出版社:日経BP

本書は開発現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトと、プロジェクトとともに育っていくリーダー的人材について、事例を交えながらわかりやすく紹介した本です。
人が育つ環境とはどういうものなのかをとらえ、プロジェクトの推進方法とそこで人材を育成するための方法、そこで得られた成果を社内に浸透させていく方法が書かれています。

いつでも外部から高額報酬で優秀な人材を呼び込めるのであれば良いかもしれませんが、必ずしもそうではありませんし、外部から来た人がその会社の文化に馴染むかどうかも課題です。
本書では仕事をとおして、社内の有望な若手が成長していくための環境づくりを考え、そのためにはどういう要素、どういう配慮が必要なのかを詳しく述べています。
みなさんも、自分が成長したのは過去のあのプロジェクトだった、あの人が奮闘したあのプロジェクト以降、成長して活躍が目立つようになったというような経験があるのではないでしょうか。

集合研修や座学で様々な知識を知ることも重要ですが、それだけでは身につかず生きた経験とはなりません。
例えが極端ですが本書では「良質の修羅場」を体験することで、リーダー級の人材が育つと説いています。
本書でコツとして紹介されているのは次のような事柄です。

  • 育つ人を見いだす。誰もがリーダーに向いているわけではない。なりたい人が向いているわけでもない
  • プロジェクト進行とは別にチームビルディングを意識したミーティングをもうけること
  • 手本や理想と、現実とのギャップを示す。特に効率の良い心理的安全が保たれた会議運営は重要
  • しなくても良い失敗を回避し、してもリカバリが効く事柄にはどんどん挑戦していく
  • 挑戦の場、回数を多くもうける。手本となる人を見習う。人と失敗は切り離して考える
  • リーダーとしてお客様や開発メンバーを「管理」するのではなく「並走」する
  • プロジェクトの節目節目に振り返りを行い、改善を続ける
  • リーダーは危機感よりも、楽しさ、仲間意識、好奇心といったポジティブな感情で働くと成長する
  • 誰が何に詳しいのか、知見をもつ社員、社外人材との繋がりをもつ


もしかしたら皆さんが知っている優秀なリーダーも、だれもが昔、初めてのプロジェクトを経験し、大なり小なり失敗を積み重ね、乗り越えてきているはずです。
あなたの会社ではどうでしょう? 我が社にはリーダーがいない、人材がいないのではなく、それはリーダーとなるべき人が育てられていないということなのです。

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