ご紹介書籍
銀行とデザイン
出版社：インプレス
本書は「銀行」というデザインとは大きくかけ離れているだろうと思われている組織の中で、あらたに内製のチームを作り、デザインの力で銀行サービスにおける顧客の体験を良くしていこうとした現場での生々しい体験や工夫を、こと細かに紹介した書籍です。
著者らは、三井住友銀行のリテールIT戦略部デザインチームのメンバーで、三井住友銀行のスマートフォンアプリやインターネットバンキングサービスは2019年と2021年のグッドデザイン賞を受賞しています。
本の中では、次のような内容や工夫が紹介されています。
- 銀行の都合ではなく、利用者目線でのアプリやサービス開発
- 社内の理解と共感を増やしていく方法（社内でデザインガイダンスを実施）
- アプリのリニューアル、サイトのリニューアル、インターネットバンキングのリニューアル
- 最後にテストするのではなく、フェーズが進むごとに細かくユーザーテストを実施
- 社内他部署や開発パートナー会社とともに働きやすい環境の構築
- 設計時に最適なものではなく、最終リリース時に最適なものを見据えて計画
数々のしがらみや困難を乗り越えた上で、今後はインハウス（内製）としての強みを活かし、マネジメント層への報告や保守的な人への説明など、なにごともあきらめない姿勢で多様な強みをもつデザイン組織を作り上げていく算段について「変われない組織はない」という心意気がとても伝わってくる内容でした。
銀行や金融業界に限らず、組織の中で変革や改善を求める人へお薦めの書籍です。
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