ご紹介書籍
ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法
著者:本間 浩輔
出版社:ダイヤモンド
1on1(ワン・オン・ワン)というのは、上司と部下の1対1の面談ミーティングのことをいいます。
1on1 は単なる仕事の進捗確認や業績面談ではなく部下の成長、育成のための個人面談です。
日本を代表する巨大IT企業ヤフーでは、2012年頃から一週間に一度、約6,000人の社員が各30分の1on1を実施しているそうです。
もともとは1on1は米国シリコンバレーで急成長するスタートアップ企業の急速に人数が増えていく組織を維持するために使われている方法ですが、もともと1on1的な面談を実施していた大学や企業も多いようです。
本書では1on1の実施方法はもちろんのこと、良くない事例などわかりやすく平易に書かれています。
とくにポイントはアクティブリスニングと呼ばれる話の聞き方、適切な質問の仕方や、レコグニションと呼ばれる社員の活躍を認め、承認・賞賛すること、またそれらを単なる雑談ではなく仕組み化することで、継続的に1on1を続けていきます。
1on1では、部下が経験から学び取り、次に適切な行動に繋げるために上司からの質問を中心にしたコミュニケーションが進められます。
頭ごなしに何かを指摘されたり否定されたり命令されるのではなく、部下が自分自身で気づき、次の行動に繋げられることを重要視しています。
1on1 では次の 3つの工程・話題に分けられます。
- ティーチング(教える):上司が答えを持っている事柄を、部下に自発的に気づかせ指導する方法
- コーチング(引き出す):上司と部下との対話によって部下が自らの考えで自己実現や目標達成に向かう方法
- フィードバック(伝える):観察にもとづく客観的で具体的な指摘から改善点を自ら導き出してもらう方法
組織の構造や規模によっては、1週間に1回30分の 1on1 を全ての部下と実施するのは時間的にも難しい場合もあるでしょう。けれども頻度や長さ、内容を調整するなど、それぞれの組織にあった 1on1 の形があると考えられます。
上司は単に部下の目標を決めて半年や1年放っておくのではなく、頻繁にそして定期的に部下の成長を支援することが企業体、組織を強くしていくために必要になってきているのです。
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