ご紹介書籍
Creative Selection Apple 創造を生む力
著者:ケン・コシエンダ
出版社:サンマーク出版
本書籍の帯には『「凡案」を「驚異のアイデア」に洗練する天才集団・発想の全プロセス』と書かれています。
みなさんもご存知のように iPhone, iPad, Mac, その他さまざまなハードウェアやプラットフォームでデジタル社会を席巻しているアップル社ですが、その中で行われているものづくりや開発の過程は鉄のベールに隠されて世の中には明らかにはなっていません。
世の中的にはスティーブ・ジョブズという一人の天才によって様々なものが作られているように言われていますが、実際のところ表には出てこない優秀な人々によってプロダクトが作られています。
本書は長年、秘密保持の観点から明らかにされていなかった数々の話題、アップル社内での物事の進め方、開発の仕方、課題や困難の乗り越え方、極限まで緊張するスティーブ・ジョブズへのデモの様子などが生々しく描かれています。
15年以上アップルに勤務した元アップルiPhoneソフトウェア担当主席エンジニア、ケン・コシエンダ氏によるもので、原書が発表された時は米国でも大きな話題になりました。
本書を通して感じることは、アップル社は決して洗練されたスマートなものづくりをしているわけではなく、やるべきことを泥臭く愚直に、けれども真剣に諦めることなく最高のものを作るという仕事をやり続けているのだということがまざまざとわかります。
また、外から見るとアップル社には超一流の従業員しかいないかのように見えますが、実際のところ、なにも特別な人たちではありません。それもちょっとドジだったり、社内政治に翻弄されたり、失敗の絶えない情けない人も、新人もいる、ごく普通の人たちであることがわかります。
書籍を読んだからといってあなたの会社が明日からアップル社のようになれるわけではもちろんありませんが、そこから学び取れることは数多くあるはずです。本書から学び取れる事柄は以下のような内容です。
- 素早く成功するためにどれだけ多数の布石を打たなければいけないのか
- ものごとがうまく行かないときに、どのような人に、どうような助けを得れば良いのか
- 前に進むだけではなく、やり直す勇気と、やり直すタイミングを見計らう方法
- チームや社員を仲間にし「味方」を作っていくにはどうすれば良いのか
- 答えの無い課題に対して、どう取り組めば良いのか?
- 良いアイデアはどこから生まれるのか、どこまで発展させれば良いのか?
本書を読み終わった後には、身近な iPhone, iPad などがどのような考えで、どのような苦労の積み重ねて作り上げられたのかがわかり、今までとは違った視線で物事が捉えられるようになるでしょう。
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