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Book32 :『アルゴリズムの時代 機械が決定する世界をどう生きるか コンピュータと人間の共存の道は?』

ご紹介書籍 

『アルゴリズムの時代 機械が決定する世界をどう生きるか コンピュータと人間の共存の道は?』

著者:ハンナ・フライ
出版社:文藝春秋

中国では、今後3年間でアルゴリズムの規制に関するガイドラインをまとめる方針とのニュースがありました。
動画配信サービスYouTubeやNetflixなどで次に見る動画を決めたり、音楽視聴サービスで好みの曲をみつけたり、コンビニで売れ筋の商品を手にとってしまったり、Amazonで気になる本を見つけたことはないでしょうか?
なにか買おうと検索すると、その後SNSに商品広告が出てくる様子を、裏で仕組みが動いていると感じつつも、見過ごしてはいないでしょうか?
私たちの生活や意思決定は、知らず知らずのうちに「アルゴリズム(手順や計算方法)」に支配されていることがはっきりとわかるのが本書です。

世の中は、最先端の人工知能、機械学習に限らず、さまざまなコンピュータアルゴリズムが適用されています。
大抵の場合、その利用者からはアルゴリズムの全容や仕組みは見えておらず、凄いことを行なっているように見えて、実は間違った結果を導き出してしまっている場合もあります。
例えば膨大な学習を行った人工知能による自動運転は、人間と同じような頭の働きや運動能力で運転しているわけではありません。
膨大な「正しい運転の事例」を事前に機械学習し、車の各機能をコントロールしているアルゴリズムにすぎません。
普通ではあり得ない状況、例えば前を走る真っ白いトラックが横転し、車の進行先が急に真っ白になった場合、人間であればその時の様子を見てさえいれば状況判断できますが、車に搭載されたカメラや距離センサーだけでは、事前に学習していないために十分な判断はできないかもしれません。
もちろんそういった不確定要素さえも鍛えていけるのがアルゴリズムであることも確かで、不安定で不確実、さらに疲労する人間に比べて優位な仕事も多くあることでしょう。

本書は、今後ますます溢れかえるであろうデータと、それらを扱うアルゴリズムと人間とがどのように補い合っていけば良いのか、その指針を示している書籍です。
アルゴリズムはあくまで手段の一つとしてバランス良く活用することが重要であると説いており、影響力、データ、正義、医療、車、犯罪、芸術という切り口で、豊富な事例とともにアルゴリズムとの対峙方法を紹介しています。

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