連載コラム:今すぐ読むべき、仕事に活かす書籍紹介

Book43 : デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門

ご紹介書籍

デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門

著者:長尾 一洋
出版社:KADOKAWA

本書で取り上げられている中小企業に限らず、ベンチャー企業から大企業まで、多くの企業で「十分なスキルの人材が揃っていて、人が余っています!」「予算が十分にあり、何も困っていません!」などという話を実際には聞いたことがありません。
どこも現実は人材不足に追い打ちをかけるように、予算不足や、現場の混乱など、課題は山積みです。
本書では専任のIT専門家、デジタル技術に長けた人材が居なくとも、現場の工夫と様々なツールの活用で、DXを推進するための手段や方策を紹介しています。

ここで紹介されている戦略は次のとおり。DX推進とともに経営に関する戦略もあります。

  • プログラミング無しで、利用者が自分で必要なツールを作れるノーコードツールの活用
  • 業務の手順を見直すことで、効率化とスピードアップを図る
  • ネットを活用したデジタル接点により、手間をかけない営業手法
  • デジタルの活用で、既存顧客との繋がりを強化し、ビジネスを広げる
  • 働く場所の制限を取り払うことで、効率のよい自由な働き方を推進
  • AIの活用で面倒な仕事を代替し、人間は大事な仕事に集中する
  • 個人の特性を生かし、将来に向けたビジネス展開と人材育成を進める
  • 少数精鋭で、個人の持つ能力を最大限に活かせるようにする

DX推進の際、ペーパーレスや、コストダウンに着目されることが多い一方で、中小企業や、まだ規模の小さい大企業の新規事業等であれば、必死でコストダウンしたとしても削減されるコストはそれほど大きなものではありません。
またコストダウンが目的となってしまっては、新たな価値を生み出すというDX推進の効果は発揮しきれません。
本書ではデジタル技術を活用することで、費用や手間をあまりかけずに仕事を自動化したり、営業活動の数を増やしたりとビジネスを拡大する工夫を紹介しています。

よく「DXとは」と考えた場合、経営者がDXを知らなければいけない、将来像を描く必要がある、DXに長けたデジタル人材を社内で育てるか、社外から確保しなければいけないと思いがちです。
けれども本書では、こういった一見乗り越えるのが難しい「壁」も、実はそれほど大きなものではなく、今いる人材が工夫することでDXが推進できることを説いています。
最新ツールの豊富な機能や、IT業界一般の「こうしなければいけない」といった風潮に左右されず、どこから手をつけて良いのかわからないDX推進の指針となる書籍です。

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