Book28 :『DX時代のサービスデザイン「意味」の力で新たなビジネスを作り出す』

執筆日:2021年5月19日

     ご紹介書籍 

    『DX時代のサービスデザイン「意味」の力で新たなビジネスを作り出す』

    著者:廣田章光、布施匡章、瀨良兼司、井登友一、仙波真二、宗平順己、山縣 正幸
    出版社:丸善出版

「モノより体験」と言われるように、形のある製品だけでなく体験としてのサービスが重視されるようになってきました。
サービスデザインとは、経済産業省によると「顧客の体験価値に⽴脚した継続可能なビジネスを実現するための⽅法論」と定義されています。
内輪のディスカションや何の調査もせずに想像でものを作ってもビジネスにはなりません。
形のあるモノを作るとき、出来上がったものは目でみて手で触って評価できます。
けれども形のない「サービス」を作るとき、正しい完成形を考えたり、使う人に寄り添って正しく評価するのはとても難しいことです。
例えば、本書の中では次のような指摘がなされています。

  • 多くの企業は、利用者のたった5%の要望を聞いて、それが「顧客の生の声」の全てだと理解してしまう
  • どんな状況にも合致する「想定する顧客」は存在しない
  • どんなに考え尽くしても完璧なものを最初から作るのは無理。出来上がってから改良を繰り返すことが重要
  • 利用者にお金を払ってもらえてこそのサービス。宣伝広告や営業活動で売れているものはサービスとして今一歩
  • サービスの利用者は、価格や便利さだけでなく、嬉しさや楽しさといった様々な感情と価値を重視している

これからの企業と顧客との繋がりは、モノやサービスを購入してもらったら終わりではなく、サービスを受ける前後の体験をも大切にしていくことが重要です。
またサービスを提供する側か、サービスを受ける側か、どちらかが無理をし、バランスを欠いたサービスでは長続きしません。

本書では、サービスデザインの実践と、顧客を理解し、そこから気づきを得ることを指南しています。
また考え出されたサービスを絵に描いた餅で終わらせることなく、実際の事業として展開するための具体的な手法に関しても細かく紹介されています。
最後のまとめとしてこれらのサービスデザインを経営や組織に取り込んでいくための工夫が記載されています。

サービスに関する良質なアイデアはあるのだが、なかなかビジネスに結びつかない。
既存のサービスの売り込みに苦労しており、顧客からの改善要望が多い。
DX(デジタルトランスフォーメーション)時代における、新しい価値や体験を生み出していきたいと考えている方にお薦めの書籍です。

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