計画系SCM、S&OPのグローバルリーダーとして最も評価されているKinaxis Maestro(旧称:RapidResponse)。一昨年のKinexions24でRapidResponseからMaestroへとブランド名を変更。これまでの計画系領域にとどまらず、"エンドツーエンドのサプライチェーンオーケストレーション"へとさらなる進化を遂げています。
その開発元であるKinaxis社が主催するカンファレンス「Kinexions26」に参加してきましたので、内容や所感についてご紹介したいと思います。
開催概要
What is Kinexions?
Kinexionsとは、サプライチェーン分野で活躍する人たちが集まり、学び合い、情報を共有し、人脈を広げるための世界でトップクラスのSCMカンファレンスです。
サプライチェーンのプロフェッショナルの皆様、協働的なサプライチェーン・イノベーションの場、Kinexionsにぜひご参加ください!毎年恒例のこのイベントには、サプライチェーン・オーケストレーションを次のレベルへと押し上げる優秀な人材が集まります。ネバダ州ラスベガスに集い、サプライチェーンの卓越性に関する最新かつ優れたアイデアを共有する、活気あふれるソートリーダー、業界専門家、そして同僚たちで構成されるコミュニティに是非ご参加ください。
(Kinaxis社 Kinexions紹介文より引用)
今回、Kinexionsへは「Kinaxis Maestroの最新動向の把握」「SCM業界の潮流を把握」「国内外のパートナー、ユーザーとの情報交換」を目的に参加しました。
開催期間・場所
ラスベガスの位置
| 日時 | 2026年6月1日(月) - 6月3日(水) |
|---|---|
| 場所 |
ネバダ州ラスベガス |
タイムスケジュール
Welcome Receptionの様子
タイムスケジュールに従ってカンファレンスが開催されました。
| 1日目 |
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| 2日目 |
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| 3日目 |
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メイン講演&分科会
Kinexions26のメッセージ
今回のKinexionsにおいて大きなトピックは、「Maestro AIエージェントの進化」と「パートナー戦略およびミッドマーケット戦略」の発表でした。
1.Maestro「AIエージェント」の進化についてのご説明
- 最大のハイライトはAIエージェントによる「自律型ワークフロー」の本格的な実用化だ。もはやAIは単なるチャットボットではなく、複雑な制約を理解し、数秒で最適解を導き出し、自ら実行する「デジタル同僚」へと進化を遂げた。
- AIエージェントと協働することによって、より高度な意思決定とビジネスの指揮を執るオーケストレーターへと進化が求められている。
- 基調講演のメインスピーカーであるKinaxis社CEOのRazat Gaurav氏からは、世界中のサプライチェーンに眠る「17兆ドル」の価値を開放する次世代パラダイムとAIがサプライチェーンや計画業務にもたらす進化や未来予想図について発信された。
エクサ見解
AIエージェントが従来型AIから自律型AIへと更なる進化を遂げ、Maestroが日常的なSCM業務を強力にサポートする未来が示されました。
基調講演のメインスピーカーであるKinaxis社CEOのRazat Gaurav氏の発言の中で特に印象的だったのは、「テクノロジー(AI)は人間の仕事を奪うものではなく、人間がより価値の高い判断を下すための力となる。計画業務は基礎として残る。計画の仕組みを軸として、我々はお客様に更なる付加価値を提供していく。あなたの決断が未来を動かす。PLANNING REMAINS THE FOUNDATION.(But it's no longer enough to drive outcomes.) YOUR DECISIONS MATTER. 」という力強いメッセージです。
これは、人間がMaestro AIエージェントと共に協働して高度な意思決定を行い、SCM業務の効率化と自動化を推進するAI共創時代へのパラダイムシフトを印象付けるカンファレンスでの一場面でした。来年初旬に本格的なリリースが予定されているそうなので、今後の動向に注目しましょう。
2.「パートナー戦略およびミッドマーケット戦略(案件を「追う」関係から、共に「創る」関係へ)」の発表
- パートナーからの単なる案件紹介を待つのではなく、ターゲット顧客像に対し、初期段階から共に戦略を練り、共に案件を創出する。それが我々の目指す真のパートナーシップである。
- ターゲット顧客からの予期せぬRFPへの対応は勝率わずか11%にとどまり、価格競争に陥りやすく提案の自由度が極めて低くなる。受動的な追従アプローチから能動的な創出アプローチへの転換が求められている。
- Kinaxis社からパートナーに向けて、得意領域をブランド化し、Kinaxis社直販営業と連携した特定業界向けの共同市場開拓戦略が示された。また、従来の大規模案件とは異なる新しい中堅市場をターゲットにした「成約スピードと案件数の最大化」アプローチが示された。
エクサ見解
これまでMaestroを導入されている多くの企業は大企業が中心であり、中堅市場企業への導入実績は正直なところ多くありません。この課題を乗り越え、投資対効果とビジネス変革の価値を求める真のお客様に対して寄り添い、能動的にアプローチして案件創出していく。このKinaxis社とエクサパートナーの共同市場開拓の方向性はグローバルに限らず今後の日本市場においても同じ方向性で進むと推察されます。
エクサは、より一層ベンダーのKinaxis社との密なコミュニケーションを図りながら、お客様のビジネス変革をご支援いたします。
参加したセッション
各セッションでは、製品デモ、顧客セッション、実践ワークショップ、トレーニング、ネットワーキングといった充実したラインナップが提供され、SCMの最新トレンドや技術を深く学ぶ機会となりました。私自身も2日目、3日目はSCM関連のセッションに集中的に参加し、最新事例講演やネットワーク構築を通じて、大変有意義な時間を過ごすことができました。
- 製品デモ
- 顧客セッション
- 実践ワークショップ
- コミュニティのお祝い
- 徹底的なトレーニング
- イノベーションショーケース
- ピアネットワーキング
- フュージョンゾーン
所感
Kinexions26を通じて、Maestroが従来の計画業務を超えた、自律型AIによる「オペレーショナル・オーケストレーション」への技術進化が着実に行われていることが分かりました。特に印象的だったのは、「Maestro AIエージェント」の技術進化です。ワークフローを駆動する再利用可能な「スキル」と文脈を捉える「アダプティブ・セマンティック・グラフ」による複雑な関係性の可視化、「データファブリック」によるリアルタイム分析。これらの最新技術をもとにAIエージェントが自律的に実行して人間を最適解へと導いてくれる未来はそう遠くありません。
今まさに、現在のMaestroで提供されている「一問一答型」のAIチャットボットのような問い合わせAI機能から更なる進化を遂げようとしています。
人間と協働する「Maestro AIエージェント」は、チャット上でリアルタイムに抽出したデータをもとに計画業務における高度な意思決定の支援とその結果のシステム反映まで一連の作業の自動化を可能にします。
「Maestro AIエージェント」の登場は、まさに計画業務におけるパラダイムシフトの到来と言っても過言ではありません。各プランナーが意思決定に必要な情報を迅速に得られるようになり、これからの計画業務においてAIエージェントが大きなサポートとなってくれるはずです。
AIが人間の仕事(主に単純な作業)を奪うというマイナス面で語られることも多いですが、計画業務など高度な作業は人間の仕事の質や効率性を上げてくれるデジタル同僚としてプラスに捉えるべきと考えます。今回のカンファレンスを通して、マインドセットを変えるきっかけになりました。
エクサはこうしたMaestroの最新技術を取り入れながら、お客様ごとの業務に合う最適なソリューションの提供が求められていると認識しています。
引き続き、システムの拡張性と運用現実性の両立を意識しつつ、サプライチェーン領域での価値向上に努めてまいります。
2027年のKinexionsは今年と同じく「ラスベガス」での開催が発表されました。
エクサメンバーも来年のカンファレンス参加を計画しており、引き続き次回のKinexionsも皆様にご報告できることを楽しみにしています。
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