日次でPSIができる次世代SCMによって、グローバル規模での利益最大化を目指す

コニカミノルタ株式会社様【インタビュー】

経営判断を支援する次世代SCMを構築

創業から140年を超える歴史を持つコニカミノルタ株式会社は、時代の変化に応じて事業形態を進化させてきました。現在では、売上の約8割を情報機器事業が占め、その約8割が海外からの売上でシェアはトップクラスです。同社ではこの事業を支えるSCMを全面的に見直し、日次でPSIが可能な次世代SCMを構築。グローバル規模での利益最大化を目指しています。その背景や狙い、システムの構築についてSCMセンター長 栗本 貴司様と同センターのSCM企画グループ長 太田 登様のお二人にお話を伺いました。

次世代SCM導入による改革ポイント

今回、SCMを全面的に刷新されたとのことですが、これまでの経緯と刷新に踏み切った背景についてお教えください。

【栗本SCMセンター長】
当社のIT活用はERPの導入から始まっています。1995年頃から基幹業務にERPが導入され、海外拠点にも展開しました。2000年にはその延長線上で複写機本体やオプション、消耗品などのメイン製品を対象にSCMが構築され、2003年には対象を全機種に拡大しました。以来、10年にわたって利用されてきました。
このSCMには計画系、実行系、見える化といったSCMに求められる機能がそろっており、製品の安定供給には大きく貢献できていました。ただ、実際には販売計画、需要予測など、5つのシステムを連携させたものであり、経営判断への貢献という面では不十分でした。

具体的にどういう点で不満があったのでしょうか?

【栗本SCMセンター長】
例えば、製品の供給予測は台数ベースでしか提示できていませんでした。製品の単価には高低がありますから、台数ベースではどれだけ売上に影響が出るのかという経営へのインパクトを伝えられません。しかし、当社は稼働台数100万台以上、年間売上6,000億円、品目6,000種という規模だけに、バラバラなシステムではスピーディに台数から売上金額を算出できなかったのです。
そこで2011年6月ごろから次世代SCMのあるべき姿について検討を始めました。管理職による合宿も2度行い、議論を重ねてきました。

そこでどんな要件が見えてきたのでしょうか?

【栗本SCMセンター長】
まず、数量ベースから金額ベースに変更することです。さらにスピード感を持った処理とオペレーションを実現すること、少なくとも今週の売上利益の実績や見通しを全製品で見る事も必要です。そして、5つのシステムを1つにし、必要なスキルを絞り、保守性の向上も重要な要件でした。それを実現するにはどんなシステムが最適なのか、半年かけて調査を進めていきました。

コニカミノルタ株式会社 SCMセンター長 栗本 貴司様

コニカミノルタ株式会社
SCMセンター長
栗本 貴司様

コニカミノルタ株式会社 SCMセンターSCM企画グループ グループ長 太田 登様

コニカミノルタ株式会社
SCMセンターSCM企画グループ
グループ長
太田 登様

エクサが提供する「Kinaxis RapidResponse*(以下、RapidResponse)」を選定された理由を教えて下さい。

【太田SCM企画グループ長】
選定するためには、世の中にあるSCMのソフトウェアにどんな機能があるか、知らなければなりません。そのためにセミナーなどに参加して情報を収集し、実際に利用しているユーザー企業を訪問してSCMのシステム構成や使い方を伺ったりしました。RapidResponseを知ったのも、情報を収集しようと参加したセミナーでエクサさんの講演を聞いてのことです。それまではエクサさんとはお付き合いがありませんでした。
ITベンダー5社に提案を依頼することにして、最終的には3社に絞り込んで実現性やコストなどを比較しました。その結果RapidResponseを提案したエクサさんに決めました。2011年12月のことでした。翌2012年4月に「Next-SCM」という名称で導入プロジェクトがスタートしました。

選定の決め手はどんなところだっだのでしょうか?

【太田SCM企画グループ長】
一つはRapidResponseのレスポンスの速さと1つのシステムで今のSCMの機能が実現できることですが、決め手はエクサさんの提案内容から伝わる豊富なSCMプロジェクトのノウハウと大手企業への成功実績です。また、業務運用の考え方がユーザー視点であること、導入から運用までのコストパフォーマンスの高さも大きな理由です。

システムを構築するうえで苦労したのはどんな点でしょうか?

【太田SCM企画グループ長】
いかに標準機能を駆使してシステムを構築するかは難しい点でした。生産・販売・在庫計画(以下、PSI)を統合するデータをエクセルシートへ落とすのに、従来は人手を介して2時間かかっていたところが、RapidResponseであれば3分程度でダウンロードが可能となりました。これはインラインメモリーでプログラムを処理しているためで、そのメリットを引き出すには標準機能を使う必要がありました。 また、金額ベースに換算するために、実行系と計画系を統合するのも困難な作業でした。PSIを立てても、時間がかかっていては計算の前提となる条件が変化してしまいます。計画と実態が乖離しないようにするにはこの統合が必須でした。 さらに大きかったのが、これまで週単位でPSIを計算していたのを、日単位に変えたことです。週単位では例えば月末が週の前半になると、月単位の数字に大きな誤差が発生します。市場の変化を利益視点で迅速に捉えて利益の最大化を図るSales & Operation Planingを実現するには日単位が最適です。しかし、日単位では、計算量が増えて、複雑になります。それをRapidResponseの機能で乗り越えようとチャレンジし、エクサさんはこのシステムの開発、構築をやり遂げました。

実際にシステムが稼働したのはいつでしょうか。またどう評価されていますか?

【栗本SCMセンター長】
稼働したのは2013年8月22日です。当初の計画より3か月ほど遅れましたが、機能が増えたことで、テストと習熟に当てる時間を伸ばしました。以前の機能が少ないシステムを構築するのに、今回と同じ1年程度かかったことを考えると、短期間に構築できたのではないかと考えています。エクサさんのプロジェクトメンバーを高く評価しています。
【太田SCM企画グループ長】
機能面では期待通りの成果が出ています。スピーディに売上ベースで供給予測ができ、見える化の精度が上がりました。また、システムを統合した結果、システム部門に必要なスキルも1システムに絞ることができ、保守性も向上しました。

今後の展開についてはどんな計画をお持ちなのでしょうか?

【栗本SCMセンター長】
今後はシミュレーションをどれだけ活用していけるかがポイントです。 それに向けてこの2014年2月からは次のフェーズが稼働し始めています。予算を立てるところも同じシステムで構築して、予実の比較検討を同じ構造で見ていきます。そして2014年10月には生産計画周りを取り込むという第3フェーズを予定しています。ここでまでが現在想定している目標地点です。

実際にエクサと仕事をしてみてどうだったでしょうか?

【太田SCM企画グループ長】
エクサさんは、私にとっては社員と同様にチームのメンバーの一員でした。契約ベースで仕事をするのではなく、まさにパートナーの枠を超えて、一つのチームになれたと思います。プロセスを変えるときには、どうしたらできるのか、代替案も含めて提案してくれましたし、時差のあるグローバル対応のために泊まり込みで対応してくれました。
【栗本SCMセンター長】
最初からエンジン全開で当たってくれました、当初想定したよりも、ずっと前のめりに取り組んでくれたと思います。時間も短くハードルは高かったのではないでしょうか。
【太田SCM企画グループ長】
日単位に実績反映をするPSI計算は、日本で初めての取り組みだと思います。ITシステム構築としてのチャレンジも随分あったプロジェクトでした。苦労はありましたが、お互い大きな成果を手にできたのではないでしょうか。

*Kinaxis、およびRapidResponseはKinaxis Corp.の商標です。

会社名 コニカミノルタ株式会社 (URL: )
(KONICA MINOLTA, INC.)
本社所在地 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
資本金 375億19百万円
代表取締役社長 松﨑正年
グループ会社拠点 41か国(2013年4月現在)

「新しい価値の創造」という経営理念のもと、複合機(MFP)などの情報機器事業、機能性フィルムや光学デバイス、計測機器などの産業用材料・機器事業、画像診断装置・システムなどのヘルスケア事業など、「材料」「光学」「微細加工」「画像」の4つのコア技術を融合させた、製品群とサービス・ソリューションを提供している。

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