計画系SCM、S&OPのグローバルリーダーとして最も評価されているKinaxis Maestro™(旧称:RapidResponse)。その開発元であるKinaxis社が主催するカンファレンス「Kinexions 2024」に参加してきましたので、内容や所感についてご紹介したいと思います。
開催概要
What is Kinexions?
そもそもKinexionsとは、サプライチェーン分野で活躍する人たちが集まり、学び合い、情報を共有し、人脈を広げるための世界でトップクラスのSCMカンファレンスです。
<Kinaxis社のKinexionsに関する説明文>
Kinexions is the premier global supply chain conference for industry thought leaders and innovators to learn, share and network!
Available as an in-person only event, Kinexions offers networking, inspiring keynotes, informative general sessions and a variety of breakouts delivered by customers, product experts and partners.
今回、Kinexionsへは「Kinaxis社をはじめSCM業界における最新動向を把握」「普段出会えない人々と交流」を目的に参加しました。
開催期間・場所
日時 | 2024年6月17日(月)~20日(木) |
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場所 |
フロリダ州、マイアミ |
タイムスケジュール
- 基調講演:メインステージでの講演
- 分科会:テーマ別の分かれたセッション(選択式)
- Partner Day:パートナー向け技術情報
- Networking:各ブースで担当者と直接Q&A
基調講演&分科会
Kinexions24のメッセージ
今回のKinexionsにおいて大きなトピックは、RapidResponseの進化版であるMaestro™の発表でした。
基調講演における事例紹介では、フィットネス機器メーカーで有名なPeloton社と大手お菓子会社のMars社が登壇しましたが、共通していたのは「シンプル化」というキーワード。
基調講演のメインスピーカーであるFuture Think社CEOのLesa Bodell氏が発信する「複雑さは企業の革新力と適応力を殺し、シンプルさは急速に競争上の優位性に繋がる」というメッセージからも両社の取り組みが重なる印象を受けました。
全体を通して、AI活用の話が上がっており、SCM業界としてもAIへの注目の高さが伺え、特にユーザー企業からAI活用による業務効率化への期待感を強く感じるカンファレンスでした。Kinexions社としても、今後AIを強くPRするためにRapidResponseからMaestro™にブランド変更をしたことが読み取れました。
基調講演:Kinaxis社CEO John Sicard
The Transformative Power of Supply Chains
【講演でのメッセージ】
1.サプライチェーンはより複雑化しており、ブラックボックス
原因や影響を十分に理解できず、意思決定を躊躇してしまう
2.サプライチェーンオーケストレーション
指揮者のようにサプライチェーン全体で調和をとり、変化と混乱をコントロール
3.今回のKinexionsのテーマは『Kinect』
世界中から集まって繋がることで、お互いに学び、共有し、刺激を受けよう
基調講演:Kinaxis社 最高製品責任者 Andrew Bell
Building a Bold New Tomorrow
【Maestroの紹介】
- Maestro™は、AIを搭載したサプライチェーン・オーケストレーション・プラットフォーム
- 従来の特徴であったインメモリの高速処理&リアルタイム演算に、AI技術を融合
- 実際はRapidResponseと同じプラットフォーム(同じデータ&構成、強化されたUI)
分科会:Generative AI at Kinaxis
Enhancing Decision-Making: Generative AI at Kinaxis
- Open AIを利用したチャット機能(Kinaxis版ChatGPT)
- Kinaxis社サイトのドキュメントガイドやKnowledge Network記事を元にした回答だけでなく、データやレポートの作成やScriptのコーディングなどもサポート
- 多言語対応(日本語も可)
- Web Client版のみ対応
分科会:Enterprise Scheduling
Navigating Production Scheduling for Seamless Operations
【生産スケジューラー機能の紹介】
- インタラクティブなガントチャートで分単位のスケジュール調整(ドラッグ&ドロップ)
- 生産計画とスケジューリングを単一プラットフォームに統合(シームレスな運用が可能)
- 月次の生産計画⇒分単位の生産スケジュール
- スケジューリングで加えた変更は計画にフィードバック
- スケジューリングの3つの構成要素
- Master Data
- Transactional Data
- Scheduling Configuration
所感
今回のKinexionsでは、RapidResponseからMaestro™へ名称変更の発表があり、これまで培ってきたソリューションにAI技術を組み合わせて、SCM業界のゲームチェンジャーになろうとするKinaxis社の力強いメッセージであるとも感じられました。
そしてSCM業界にもAIの波が実際に来ていることを肌で感じさせられたカンファレンスでもあり、普段業務ではあまり聞き馴染みのないAI系の用語もとても新鮮でした。
Kinaxis社CEOのJohn Sicard氏がKinexionsのテーマとして『Kinect』を掲げていたように、参加者らの交流も盛り上がりを見せており、自身もセッションの合間など、Kinaxis社製品担当者や現地ユーザー企業の担当者たちと会話する機会をしばしば持つことができました。現地ではパッケージ標準の機能をそのまま使っていくのが主流で、Kinaxis社の新しいAI系ソリューションの導入も検討しているといった話も聞くことができ、改めて日本とアメリカでパッケージ導入の違いを感じさせられました。
2025年のKinexionsはテキサス州オースティンで3月31日~4月2日に開催予定で、エクサのメンバーも参加を計画中なので、次回もご報告したいと思います。
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