コラム:サプライチェーンよもやま話

サプライチェーンにおける機械学習?

需要予測ができます、ということを売りにしているサプライチェーンソフトがありますが、これが本当なら私はサプライチェーンなどには使いません。株取引の材料にしたほうがずっと儲かります。誰も儲かっていないということは「予測」が出来ないという状況証拠でしょうけど、夢を見続けたい方もおられるので少し論理的に話をしましょう。

新製品は旧製品と同じ?

そもそも需要予測がサプライチェーンで使えるためにはどの「製品」のどの「モデル」が半年後、1年後にどれくらいの「数量」が売れるかを「確定」しなくてはなりません。

まずは「製品」。新製品はどうするのでしょうか?類似品の昨年の実績? いやいやそれなら新製品にする意味がないでしょう。旧製品と違うから新製品なのであり、同じだけ売れればいいという陳腐化防止新製品であればともかくも、市場を取りに行く、守りに行く、という攻撃的戦略で投入するものほど予測が必要になります。一発はずすと在庫の山ですし、機会を逃すと利益が逃げます。

新色はどうする?

まあ、これが予測できたとしましょう。次に「モデル」ですが、白モデルが売れるのか黒モデルが売れるのか、どうやって知るか? 今までの実績? コンセプトカラーが違ったらどうするのでしょうか?かつて某自動車メーカがラインマーカーみたいな色の車を出しましたが、今までにない色はどうやって「予測」するのでしょうか?

最後はモデルごとの「数量」です。これがわからないと部品の準備ができませんがモデルがわからないのに数量配分はわかりません。かつて某自動車メーカが内装色は白が売れると判断してサプライヤに高価な本革を白で大量に発注させたのですが、ふたを開けてみれば黒が売れました。その自動車メーカは余った全量を買い取ったそうです。

習うより慣れろ、の実践が機械学習

さて、機械学習が得意なのは何でしょうか? 少し勉強した方ならわかると思いますが、今までの実績、経験からパターンを見つけ出して、推測対象がどのパターンにはまるかを確率的に求める手法です。自動車販売総量、エアコンの販売総量の予測はある程度これで出すことができます。しかしそれはあくまでもクラスごとの総量でしかありません。ある特定の車の本革シート白仕様が何台売れるかは語ってくれません。

学習という言葉は少し間違っていると思います。あくまでもパターンへの分類なので、経験から来る直観はありません。ヒューリスティックという言葉も時として誤解を招きますが、機械が「発見」するわけではありません。

AIとかMLといわれる技術は使い方さえ間違えなければ素晴らしい技術です。自動運転もこれなくしては成立しない。でも得手不得手を勘違いして使うと昔ゲームセンターにあったアレと同じになってしまいます。

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