最終講は、デジタルSCM変革のために強化すべき要素とアプローチについて考察してみたいと思います。
デジタルSCM変革のために強化すべき5つの要素
デジタルSCM変革のためには、どのような実力をつければ良いのでしょうか?
私どもは、デジタルSCM変革のためには5つの要素が重要と考えています。
まず、活用できる情報の定義が統一されていて、抜けなく、必要な時に、必要な情報が、いつでも入手できるのか、といった情報活用レベル。
全ての関連業務プロセスが、きちんと整理され、短いサイクルで、よどみなく流れるようになっているか、どこまでフローが自動化されているか、といったプロセス連携レベル。各チームの役割、権限、責任が明確になっていて、SCM司令塔によりエンドツーエンドの隅々までガバナンスが浸透しているか、といったチーム連携レベル。
現場視点、マネジメント視点、経営視点が連動しているか、マルチ経営オペレーションレベル。
そして、最後に、それらの総合力の結果として、企業全体の突発的イベントや変化に対しての、対応力レベル。 です。
図1.デジタルSCM変革のために強化すべき5つの要素
これらの実力は一朝一夕で身につくものではありません。また、それぞれの要素は密接にかかわっているものです。
デジタルSCM変革のための効果的アプローチ
下のチャートは、デジタルSCM変革のためのプロジェクトの効果的アプローチの例を表しています。
図2.デジタルSCM変革のための効果的アプローチ
初期の構想策定の局面で、自社のSCMの実行力を正しく把握する事が重要で、そのスタートポイントから、目指すゴールに達成するための、具体的な道筋、ロードマップを作成していきます。
自社での成功事例や他社の先進的なベストプラクティスを活用する事も有効です。
その構想を新業務やシステムとして作り上げていくためには、図の下の部分に挙げているような考慮すべきポイントがあります。 何よりも、企業全体、あるいは企業の枠を超えた関係者との大きな変革を実現するためには、トップを巻き込んだ強力な推進体制を確立し、推進権限を与える事が重要となると考えます。そして実際のソリューション構築にあたっては、クラウドやプラットフォーム、実績のあるパッケージソリューションやアセットの積極的活用が、リスクを抑え、期間短縮、コスト削減に寄与すると考えます。
最近では、SaaS ソフトウエア・アズ・ア・サービス といった、クラウド上のサービスとしてパッケージを活用する形態も増えています。
最後に
以上、5回に渡りデジタルSCM変革について考察してきましたが、少しでも皆様のお役に立つ事ができたのであれば幸甚です。
また、以前、開催しました弊社セミナーにおいて、「Agility:VUCA時代の製造業DXを成功に導く鍵 - ソリューション選択と構築方法の勘所」と題しましてお話をさせていただきました。DX改革を実現させるために、私どもが、重要な鍵だと考えております「アジリティ」について、ソリューション会社の視点から考察し、デジタルSCMの構成要素、デジタル・サプライチェーン・ツインの構築手順、デジタルSCMシステム導入方法論など、より具体的な内容となっています。ご興味のある方は是非お声がけください。
弊社エクサ株式会社は、長年多くのお客様とともにデジタルSCM変革を行ってきました。
図3.製造業DXジャーニー(デジタルサプライチェーン)を支えるソリューション
SCM変革の明確な道筋、DXジャーニーをお客さまと共有し、その実現のため、エクサ独自のパラメトリックBOM/BOPソリューションであるSPBOMや、エクサがNo1プロバイダーであるMaestro(旧称:RapidResponse)など、統合ソリューションを提供させていただきます。
詳細につきましては、事例などが掲載されている弊社ホームページをご覧いただければと思います。
皆様のSCM変革の旅が順風満帆である事をお祈りして、今回の寄稿を終わりたいと思います。5回に渡りお付き合いいただきありがとうございました。
Maestro(旧称:RapidResponse)
S&OP分野でのグローバルリーダーに位置づけられるクラウドサービス
執筆者紹介
連載コラム:製造業デジタルSCM変革ー成功への道筋
不確実性、複雑性、不安定さが増し常態化している昨今、製造業ではデジタルを活用したサプライチェーン改革の必要性が高まっています。
本コラムでは、これまでのSCM変革の歩みを振り返り、製造業DXにおけるSCM領域のテーマ、デジタルSCM変革を成功させる為のポイントについて解説いたします。
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