当日のファシリテーションだけではない!
ワークショップの満足度がアップする準備プロセスの事例紹介

はじめに

近年、企業の中でもワークショップを実施することが増えてきました。以前、ファシリテーション事例のブログを書かせていただきましたが、ワークショップの成功には当日のファシリテーターの行動だけではなく、当日までの準備である「プログラムデザイン」が成功の鍵を握ります。今回は事例を交えてどんな準備をするとワークショップが成功するのかをご紹介します。
プログラムデザインとファシリテーション

プログラムデザイン実践事例:インターンシップ「アイデアソンからはじまる新規ビジネス提案コース」

弊社では2022年8月22日から26日の5日間で、インターンシップ「アイデアソンからはじまる新規ビジネス提案コース」を開催しました。
今回はテーマ「ITの力で!人生がMAX楽しくなる学びを実現」に沿って新しいアイデアを生み出すためのイベント(アイデアソン)を実施しました。その中でサービスデザインの手法を一部取り入れ、学生のみなさんに新規ビジネス提案を体験してもらいました。
元は対面を予定しておりましたが、急遽オンライン開催となったためビデオ会議ツールGoogleMeetと、オンラインホワイトボードツールであるMiroを利用しました。

ITの力で!人生がMAX楽しくなる学びを実現
miroを利用したインターンシップの様子

インターンシップの会場@miro

私はインターンシップのプログラムデザインと、5日間のメインファシリテーターを務めました。
インターンシップに参加された学生10名を3グループに分け、それぞれのグループに入ったエクサの社員が、学生に向けアドバイスやファシリテートをしました(参加された皆さん、ありがとうございました!)。

図のようなスケジュールを組み、1カ月程度で①依頼者へのヒアリング、②コンセプト検討、③構成設計、④リハーサル・修正を経てインターンシップ当日を迎えました。以下にそれぞれのプロセスの概要をご紹介します。
スケジュール

■ ①依頼者へのヒアリング

ワークショップにおけるヒアリングの目的は、依頼者がどんなワークショップを実施したいのかを聞くことです。
時には、やりたいことがぼんやりとしていることもあるため、依頼者の漠然とした思いを丁寧に聞くことが求められます。

今回の依頼者である人事部の方には、インターンシップを通じて学生にどうなってほしいのかを細かく聞きました。
依頼者は強い想いがあるからこそワークショップを実施したい!という方が多く、実現したいことが溢れてくることもあります。言葉のひとつひとつを整理して、一番実現したいことは何なのかをすり合わせることが大事です。

↑ヒアリング内容の一部。人事部が大事にしている思いは太文字にしたり、うまく解釈ができなかったところは疑問を書いた付箋を貼り、認識のすり合わせをしました。

■ ②コンセプト検討

コンセプト検討の目的は、参加者がワークショップを通じてなってほしい姿を言語化し、明確にすることです。
そのために、ヒアリングで依頼者から聞き出した課題を言葉に落とし込む「和文和訳力」的スキルが重要となってきます。

今回は、人事部の方と話し合いながら「学生にチームでの活動を通じて成長を実感してほしい」というコンセプトに決めました。
コンセプトは参加者のゴール状態が想像できるような、具体的な言葉で表現するのが好ましいです。そうすることで、後続の構成設計では一貫したプログラムデザインを実現することができます。今回の事例では、少し抽象的なコンセプトとなってしまったことが反省点です。

■ ③構成設計

構成設計の目的は、コンセプトを実現するための具体的なワークを決めることです。
コンセプトを実現するためにメインのワークでは何をするべきか、またその前後のワークで何をするとメインのワークに取り掛かりやすくなるのか、実際の流れを想像することで参加者が取り組みやすいワークに仕上がっていきます。この時、参加者が安心してワークに臨める「参加保証のしかけ」と、思わずワークに参加したくなる「参加増幅のしかけ」をワークに埋め込む意識をしていきます。
今回はコンセプトを実現できるワークを調査・検討の上決定し、説明資料や作業場所を作成しました。またワークとワークの切れ間に違和感がないか、コンセプトに沿って学生が安心安全を感じられる場で思わず作業にのめりこむ作りにできているかを注意しました。

メインで実施するワークとして、アイデアソンの実施は事前に確定していたのですが、
コンセプトである「チームでの活動を通じて成長を実感する」ことを実現するために、アイデアソンの前後でどんなワークを実施するべきかを考えました。

そこで今回はインターンシップの初日に、自分の在り方を可視化できるよう「TalkTree WORKSHOP 」(後続でご説明)を実施し、最終日にその内容を振り返る構成としました。
さらに他の方の視点も交えて振り返りができるようにギフトメッセージを実施しました。

■ ④リハーサル・修正

リハーサルの目的は、構成設計したワークショップを実施し、内容を確認することです。
構成を考えるにあたって、ついついやりたいことを詰め込みすぎになることも多いのですが、作業をしているときに気付くのは難しかったりもします。リハーサルを実施することで、参加者をよりリアルにイメージし、構成のブラッシュアップをすることができます。

インターンシップ当日は、学生にアドバイスをする役割として弊社社員も参加予定だったため、その社員と人事部の方とリハーサルを実施しました。
リハーサルは、企画側である人事部の方や私にとっては、ワークが取り組みやすい内容になっているか、説明が足りない部分はないか等の確認をすることが主な目的ですが、アドバイスをする社員のみなさんにとっては、学生とどのように接すればよいか、学生に聞かれそうなことはどんなことか等を、本番の流れの中でイメージする場になります。
企画側とアドバイスをする社員側とでリハーサルで求めるものが違うことがあるため、事前にリハーサルで実施してほしいこと、疑問点等を聞いておくとスムーズで有意義なリハーサルになると思います。

■ 実践結果(一部)のご紹介

TalkTree WORKSHOPはコミュニケーションデザイナーとして活躍される加藤 未礼さんが考案したワークショップで、自分や組織を1本の木に見立てて、周囲や社会との関わりを重ね合わせて考えることで、ありたい自分の姿をデザインします。私はTalkTree WORKSHOPを運営するナビゲーター資格を2022年夏に取得したため、本インターンシップで活用を試みました。結果、学生がインターンシップを通じて学んだこと・気付いたことを振り返る時間を設けることができました。

初日にTalkTree WORKSHOPを実施することで、学生が以下を意識しながら活動できるようになりました。

  • 自分のこれまでの在り方を振り返る
  • 自分と周囲、社会とのかかわりを可視化してありたい姿を考える
  • チームで共有することで、改めて自分に気付く。違いを感じる

実際に学生からは「TalkTreeを作って今まで見えていなかった自分の弱点を知ることができてよかった。」「参加者の皆さんのTalkTreeをみて、客観的に自己分析ができた。」といったコメントをいただくことができました。

Talk Tree

また、最終日では学生が初日に作成したTalkTreeを見返して追加・修正する時間に加え、グループワークで関わった人へ、感謝したいことや気付いたことを書いて送りあう「ギフトメッセージ」のワークを実施しました。

ギフトメッセージの時間があることで、自分では気づけなかった強みや魅力を会話する時間にも繋がり、学生から「議論を俯瞰して意見を出すことが得意であるということに気づくことが出来ました。これは今まで自覚していなかった点なので、これに気づけたことが最もプラスに感じたことです!」といったコメントをいただきました。これはコンセプト「学生にチームでの活動を通じて成長を実感してほしい」を実現できた瞬間でもありました。

さいごに

今回はインターンシップにおけるアイデアソンにて、プログラムデザインのプロセスから準備の重要性をご紹介しました。

プログラムデザインが成功の大半を握る、と言われるほどワークショップにとって準備は大切です。
また、本番でよりよいワークショップを実現するためには、企画側だけでワークショップを作りあげていくのではなく、ワークショップに関わる全ての関係者とコミュニケーションを密に取りながら、準備のプロセスを進めていくことも大切です。

プログラムデザインの理想的な姿はファシリテーターが変わってもワークショップのコンセプトが実現され、参加者が変わっても満足できるワークショップが実施できることです。あくまで理想ではありますが、頭の片隅において準備を進めていくとよいでしょう。

このブログがみなさまのお役に立ちますと幸いです。

デザイン思考で新規ビジネス価値創出をサポートする FinTech つなぐラボ

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