米国IT企業のIBMには創業以来「教育に飽和点はない」という理念が根付いています。創始者のトーマスワトソンの言葉ですが、私も入社の際にこの理念に感銘を受け、ビジネス活動においての大切な指針としてきました。この学びのサイクルを回すことで社会人としての仕事のスタイルを確立し、自立できたのだと考えております。
今回はIBMでの経験、及び現在の職場であるエクサでの自身の体験も踏まえ、自立型社員の形成についてご紹介していきます。
自分を磨き、人との触れ合いや会話を通じて、更に学ぶ
思いが込められ、意欲が高まる
人の作成した資料は説明しづらいですよね。
それは自分の考えでなく、他人の考え、すなわち他人の知識、経験に基づき説明ストーリーやその根拠となる詳細が記載されているからです。全く同じ意見をもっている同志のものであれば別ですが、普通は微妙に違います。
従って、色んな角度から自ら学び、日々の意見交換を通じて、自ら創り上げた資料は、自身の思いが十二分に詰まっており、また説明する熱量もあがっていくのが必然です。
勿論、最初は他人の見よう見まねで始めていくのもひとつの学びであり、自分よがりにならないように、多くの人とのコミュニケーションにより考えをアップデートしていき、より質の高い、中身の濃いものに仕上げていくことも重要です。肝心なのは主体性をもって取り組むことなのだと思います。
学び方や考え方の"ハウ"を身に着けることも重要
私がIBMに感謝しているのは会社として社員に対して本来の仕事を離れて一定期間学びの機会を与えてくれたことです。ハーバードを代表とした多くの国内外のビジネススクールやチームで学ぶワークショップ形式のクラスルームなどの機会を与えてもらい、考えの整理の仕方であったり、着想の仕方であったり、ものの見方や考え方を学ばせてくれました。
その結果、私のポケットにはいくつもの道具が絶えず溜まり続け、お客様や社内での様々なシーンで活用しながら仕事を効率的に有益にすすめることができたと自負しております。"ハウ"もたくさん学んだことで着実に自信もつき、今では私のビジネス活動の基本動作になっています。
ニューノーマルが加速させるラーニングプラットフォーム
最先端を学びたい、学んだことも随時アップデートしたい
IT業界にいると特に最先端の技術やサービスなどには高くアンテナをはり、学び、解釈をして自分の身に着けていく必要があります。とはいっても自らデジタル上で検索して、それらのいくつかの情報から正しい理解をしていくのはそれなりの時間を要しますし、無駄も生じます。
そんな中、この2~3年間で、Youtubeをはじめとした色んな有用なチャンネルが雨後の筍のようにどんどん開設され、専門家が分かり易く説明してくれる動画がタイムリーに配信されるようになりました。多くの皆さんが便利になってきていることを体感されているのではないでしょうか?また、その情報もシリーズ化し、鮮度を保ちながら継続的にアップデートしてきています。
この個々の動画配信者があらゆる角度から発信している流れを素早く取り入れ、体系化してユーザー評価の仕組みを組込み、学びのプラットフォーム化(ラーニングプラットフォーム)を実現し提供してきているベンダーがでてきています。弊社も2021年よりあるベンダーのラーニングプラットフォームを全社員に展開しましたが、コースメニュー量や学習コンテンツの更新スピードは非常に魅力的で、立ち上がり1年目で高い評価を社員から頂戴しています。
エクサが取り組む「自立型社員の形成に向けて」
URL:https://www.exa-corp.co.jp/future/connect/career_ownership.html
ビジネス力だけでなく、人間力そのものの向上に向けての学び
学びの原点は、社会人としてビジネスへ貢献するためだけでなく、人間として社会の役に立つためでもあります。勿論、自分の家族であり、まわりの仲間のためでもあります。
その意味でも、タイトルの「教育に飽和点はない」という言葉に繋がりますが、学ぶ楽しさを覚えるとより人間はポジティブになり、貪欲になり、自主的に動くようになってくるのではないかと思います。
学ぶということは、自分の知らない世界に気づき、自分の世界観を変えるものとなります。それが大きくても小さくても刺激となり、何か一歩踏み込むことに繋がります。逆に躊躇し、立ち止まることもあるでしょう。これらを繰り返すことで、成功も失敗も積み重ね、自然に人間力はあがっていくのだと思います。
人間の学びの原点“本を読む”について
最後に、私個人の生活スタイルの変化の話をして締めくくらせていただきます。
2007年11月にアマゾンがKindle電子書籍を発売して15年間、私は一切見向きもせず、紙の本を鞄の中にいれ通勤時間を中心に読み続けてきました。新刊だとそれなりの重さがあり、文庫本でも一定のスペースを占領され煩わしさがありますが、それでも気にせず、従来のスタイルを貫いてきました。
ところが、だんだん紙の本の文字の大きさに自分の目があわなくなってきはじめ、苦労しながら過ごしているここ数年でしたが、たまたま自分が読みたい本が家族が所有している電子書籍にあることがわかり、少し興味本位にiPadで読んでみました。
するとなんと文字調整も柔軟にでき、とても目にやさしく、中断しても読みかけのページに自動的に戻ってくれたり、なんと便利なことか!と目からうろこの体験をしました。まさにCX(顧客体験)により一躍大ファンになりました。
加えて、電子本のほうが安価にかえるクーポンなどが発行され、いたれりつくせりだということも知り、今では、電子書籍サービスに完全にはまりまくっています。PCでもスマホでもタブレットでも、どこからでも読めます。
デジタルが故に、本をより人間に優しく、より身近なものにしてくれた結果、私の読書量も増え、学びの数も多くなってきています。
今、デジタルラーニングプラットフォームが学びの質を大きくかえつつあることを実感しています。さしづめ、次なるチャレンジは、本を読み上げてくれるサービスです。
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