社内の2つのDX(Digital TransformationとDeveloper eXperience)を目指して

新型コロナウイルスの流行間もなく、エクサ社員の多くは在宅勤務になりました。コロナ以前からリモートワーク環境は整っていたためスムーズに在宅勤務に移行しました。ところが、社内のコミュニケーションやプロジェクトに於ける共同作業は対面を前提としていた部分も多く、悩ましい問題でした。
そんな中で活躍したのがSlackです。エクサでは、2021年6月から、Slackを全社員で利用しています。今回は、Slackで広がった社内DXの取り組みについてご紹介します。

ワークプレイスのパラダイムシフト、社内業務のDXを目指して

先進技術の活用、Google Workspaceの導入、継続的な社内の生産性向上活動などにより、エクサは常に効率的な業務遂行を目指してきました。
チャットを活用したフラットなコミュニケーションも実現済みでした。しかし依然としてメール文化が根強く残り、コロナ禍で在宅勤務が増える中で非効率なやり取りも見受けられました。受信トレイに数千件のメールが溜まっている人もざら。

そんな中、ワークプレイスのパラダイムシフトを実現したい、自社業務のDXを実現したい、そのためにアジャイル的なアジリティを持ったオペレーションをしたい!という思いから、当社が選んだのがSlackでした。メール文化だと相手のリアクションがわからずアイドルが生じます。一方、Slackでは、リアクションが簡単にできるので物事を迅速に進める力が高く、アジャイル的に進めながら要らないものは捨てていくという変化に繋がると考えたからです。社内のコミュニケーション基盤としては勿論のこと、システム構築業務に於いても、利用が容易なAPI、豊富なApp連携機能、ワークフロービルダーなどを活用することで高速開発に寄与できます。技術者のライブラリ管理やシステム監視の効率化、社外ゲストとの繋がりによる協業推進にも期待がありました。

一部のコミュニケーションについては従来から利用しているチャットでも十分行えるものなので、Slack導入時にチャットの扱いが議論されましたが、そこはエクサ。押し付けません。社員一人ひとりに、コミュニケーションやコラボレーションのツールの選択肢を与えることにしました。それぞれのチームやコミュニティや仕事の特性に合わせた選択と活用の中で、自律的・自発的にSlack活用が進んでいます。導入を推進している情報システム部では、トレーニングを定期的に開催し、ユーザサポートを行い、便利な使い方や技術情報を共有するチャンネルを作って情報を発信しながら、利用拡大を後押ししています。”help-slack”チャンネルは全社各部署のhelpチャンネルの先駆け、”tech-slackの便利な使い方”チャンネルはtechチャンネルの先駆けとして開始され、その後のSlack展開を後押ししました。

パイロット期間に全社展開を準備し、
社員一人ひとりの活用を後押し

Slackの全社展開に先駆けて、各部門から希望者を募って少人数でのパイロット導入を行いました。パイロットを通じて、狙い通りの効果があるのか、コミュニケーションが変わりそうかを確かめ、同時に、全社展開に向けたルール作りや、システム面の検証、トレーニングの準備なども行いました。例えば、チャンネルの命名規則などもパイロットを通じて決定していきました。

パイロットの基本方針は"まずは使い始めてみよう”でした。必要機能に関する仮説を作り、検証し、エクサでの活用ガイドを作成することに時間をかけるより、活用しながら社員一人ひとりの自立を重んじる当社なりのSlack活用を見出す進め方を選択したのです。この方針に沿ってチャンネル作成権限を全員へ開放したため、社員が次々とチャンネルを作成し、活用が促進されました。Slackには多くの機能があり、最小限の機能でスタートしたため、要望も出てきましたが、アジャイルに順次検証して、機能を解放していきました。

この方針は全社展開でも継承しており、その結果として全社員分のSlackライセンスを購入してからわずか1か月で全社員へのSlack解放を行うことができました。今も社員からの要望を募って(もちろんSlackで)順次利用可能な機能を増やしています。

Slack利用方法については、最初に、基本的な操作や機能を知ってもらうトレーニングを数回実施し、毎日利用する社員が増えてきた頃に追加のトレーニングを実施して活用レベルを上げています。例えば、ある社員の始業から終業までの一日の業務をイメージした「ちょっと便利なSlack活用術」のトレーニングは、多くの社員が参考にしています。

開発ツールとして有効活用

Slackは開発ツールとしても有効活用され始めています。Slack導入の目的の1つが、Developer eXperience(開発者体験)です。Slackの豊富なアプリ連携機能を活用し、当社のSEの高速開発を支援するとともに、ゲスト管理機能やパブリックチャンネルによる社外との協業や組織間協業で、より迅速で生産性の高い業務を実現するというものです。例えば現在、情報システム部では、障害が発生した際のアラートは全てSlackに通知されますし、GitHub(ソフトウェア開発者のチームが共同でコードを記述し、プロジェクトを管理するためのツール)とも連携しており選択したSlackチャンネルでイベントの通知を受信できます。

より良い組織風土・文化へ

当社は比較的フランクでフラットなコミュニケーションを行っている会社だと自負しています。社長をはじめとする経営層も含め、誰とでも「さん」付けで気軽に会話できますし、意見や思いを頭ごなしに否定されることもありません。
ただ、自身や所属する組織の仕事に一生懸命になるあまり、部署や職務を超えた横の繋がりは限定的で、社内SNSを運用していた時期もありましたが大きくは広がりませんでした。また、コロナ禍の中で入社してきた社員に、そのようなあたたかい企業文化が伝わっているのか不安でした。何でも言ってみよう、相談してみよう、つながってみよう、Openに話そう、という組織風土・文化を促進したいということも、Slackへの期待でした。

2022年6月現在、パブリック/プライベートをあわせて1,489件のチャンネルができ、沢山のカスタム絵文字も登録されています。社長のパブリックチャンネルも利用者拡大に貢献しており、若手社員も社長にリアクションやスレッド返信をするようになってきました。いくつかの部署はhelp-slackに倣って社員向けHelp用のパブリックチャンネルを立ち上げており、ちょっとした質問や連絡などに大活躍中です。helpチャンネルでは他の人が出した質問や要請を参考にできるので、メールで同じ質問が何度も来る、という問題を軽減しています。加えて、担当部署以外の社員から返信やアドバイスが来ることもあり、当社社員の親切でボランタリーな姿勢を改めて感じます。

カスタム絵文字の例

カスタム絵文字の一例

パブリックチャンネルを自由に使えるようにするにあたり、Slack導入を推進した情報システム部には、当初、ネガティブな事をいったり、否定したりする人が現れるのでないか、という不安がありました。しかし、その心配は杞憂に終わりました。誰一人、ネガティブなことなどを言う人はいませんでした。当社の心理的安全性の高さが証明されたのは勿論のこと、Slackがオープンで寛容な場である中で、個人個人が多様なコミュニケーションを経験し繋がり咀嚼していくことによって、組織風土がさらに変革していくという期待も膨らんでいます。

当社は現在、中期経営計画の2年目にあり、方針の中にはSDGsへの取り組みも含まれています。Slackがエクサのダイバーシティ&インクルージョンの推進にも役立つことを期待しています。

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