答えのない”ファシリテーションによる場づくり”の実践
~事例をもとに、有効だった2つのポイントをご紹介します!~

ファシリテーションとは?

ファシリテーションは「司会進行すること」と思われがちですが、本来的には「誰かが何かをするのを容易にしたり、促進するために使われる技法」(*1)を指します。そのため、その技法を操るファシリテーターは、決められたプロセスをただ進める役割ではなく、参加者内での議論を促進することを役割とします。実は、ファシリテーションの最終的な目標は、ファシリテーターの存在を忘れてしまうぐらい主体的に参加者同士で議論を進めている状態になることなのです。

また、ファシリテーションは当日行う行動のみで成否が決まるイメージがありますが、実は当日までに行う準備であるプログラムデザインも揃って初めて成功します。プログラムデザインでは、参加者になってほしい姿を定め、そのためのプロセスを段階的に踏めるワークの内容を決め、タイムスケジュールを詳細に設計します。
ファシリテーションでは、基本的には当日にそのプログラムデザインに沿って進めますが、参加者によって反応が変わってくるため、”答え”がなく、柔軟な対応が必要です(プログラムデザインについては、今後別記事でご紹介する予定です。今回はファシリテーションの部分に触れたいと思います)。

プログラムデザインとファシリテーション

皆さんもディスカッションを必要とする会議の中で、話がまとまらなかったり誰も発言しなくなってしまったことを経験したことがあるのではないでしょうか?それはファシリテーターが不在であったり、ファシリテーションがうまくできなかったことが原因としてあげられるかもしれません。

この記事では、弊社開催のインターンシップ「アイデアソンからはじまる新規ビジネス提案コース」を通して、ファシリテーターがどのようなことを実践し、どのような効果をもたらすことができるのか、事例を交えてご紹介します。

(*1) 三田地真実(2013)『ファシリテーター行動指南書ー意味ある場づくりのために』、ナカニシヤ出版

ファシリテーション実践事例:インターンシップ「アイデアソンからはじまる新規ビジネス提案コース」

■ 概要

2022年8月22日から26日の5日間で、インターンシップ「アイデアソンからはじまる新規ビジネス提案コース」を開催しました。
今回はテーマ「ITの力で!人生がMAX楽しくなる学びを実現」に沿って新しいアイデアを生み出すためのイベント(アイデアソン)を実施しました。その中でサービスデザインの手法を一部取り入れ、学生のみなさんに新規ビジネス提案を体験してもらいました。
元は対面を予定しておりましたが、急遽オンライン開催となったためビデオ会議ツールGoogleMeetと、オンラインホワイトボードツールであるmiroを利用しました。

ITの力で!人生がMAX楽しくなる学びを実現
miroを利用したインターンシップの様子

インターンシップの会場@miro

私はインターンシップのプログラムデザインと、5日間のメインファシリテーターを務めました。
インターンシップに参加された学生10名を3グループに分け、それぞれのグループに入ったエクサの社員が、学生に向けアドバイスやファシリテートをしました(参加された皆さん、ありがとうございました!)。

■ 支援内容

初対面の学生たちが集まったため、最初は話し合いにも緊張感があったのですが、ファシリテーターの働きかけもあり、グループの中で活発な議論が巻き起こり、最後は全員が納得した結論が出る場となりました。

ファシリテーターの支援内容は多岐にわたりますが、今回は特に有効であったと感じた以下2点をご紹介します。

① 話をグラレコで可視化することで認識合わせを促進

グラレコ(グラフィックレコーディング)は、対話を聞きながら絵や文字を書いて内容を整理し、リアルタイムで対話を見える化することです。この手法は、会議やワークショップ、1on1等様々な場所で内容を記録することはもちろん、絵があることで一目で参加者の認識を合わせることができます。

今回のインターンシップでも、グラレコの活用が学生の認識合わせに役立ちました。
インターンシップの初日はテーマについて思ったこと、過去の経験や調査したことをグループで話し合う場を設けました。その時にただ話を聞くのではなく、文字に起こしたり、絵を添えることで全員が共通認識をもって話を進めることができたり、初日で不安な気持ちを持っている学生にも「どんな話でも拾ってくれる!」という心理的安全性を確保することができました。

また絵があることで雑談が生まれることもあります。例えば、今回グラレコを書いている最中に「絵が可愛いですね」と複数の学生が言ってくださいましたが、実はこのような一言が場づくりには重要になります。本題から離れた一言ではありますが、その言葉が場を和ませ、ちょっとしたことも話しやすい雰囲気になるため、新たな対話やアイデアが生まれることは珍しくありません。

グラレコ活用の様子

学生たちの対話を聞きながら、ファシリテーターが内容を整理しリアルタイムで絵や文字を書いていく


② ファシリテーターなしでもグループが自走するようにプログラムを柔軟にアレンジ

今回のアイデアソンでは、アイデアの方向性を簡単に表現できるコンセプトシートを1グループ1枚作成しました。
話し合いが進むにつれ、グループごとに雰囲気に特色が出てきます。ファシリテーターは、この雰囲気や進捗度合いを見ながら適度に声をかけたり、よりよい場になるようにワークをアレンジしていきます。

例えば、グループメンバー同士でアイデアに対する認識に距離があるグループに対しては、コンセプトシートを1名につき1枚追加で作るように変更し、まずは個人が考えていることを書き出してもらいました。その結果、お互いのコンセプトシートで別の考えになっている部分を1つずつ順に確認できるようになり、議論がよりスムーズに進行するようになりました。

コンセプトシートの活用イメージ
最終日に実施したアンケートでは「自分では思いつかないようなアイデアをたくさん聞いて視野を広げることができた」「フィードバックの時間を多く頂き、たくさん褒めていただいたり今後よりよくするためのアドバイスを頂けたことが特に印象に残っており、モチベーションが上がる仕掛けだった」といったコメントをいただき、NPS(ネットプロモータースコア)でも+100(満点!)という、満足度の高いインターンシップとなりました。

さいごに

今回は、インターンシップにおけるアイデアソンにて、ファシリテーターとして支援した中で、特に有効であったと感じた2点をご紹介しました。
ワークショップの主役はあくまで参加者です。ファシリテーターの役割では中立的な立場で支援し、最後はファシリテーターなしでもグループが自走する場づくりをしていくことが重要です。
また、必ずしも「絶対にこれをやればうまくいく!」「前回うまくいったから同じ方法でいけるはず!」という”答え”はなく、支援方法は状況に応じて変わるため、常に場を見て柔軟に働きかけることを心がけましょう。
このブログがみなさまのお役に立ちますと幸いです。

デザイン思考で新規ビジネス価値創出をサポートする FinTech つなぐラボ

エクサのFinTechつなぐラボでは、ワークショップデザインや、ファシリテーションを支援しています。 事例やご支援内容はこちらのページでご紹介しています。

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