第5回 CPQプロセス改革とその効果

グローバル市場の開拓に不可欠なセールスコンフィグレーター <その2>

ものづくりコラム

コスト削減と売上増に寄与する最新型CPQ/コンフィグレータ TactonCPQのご紹介のご紹介

TactonCPQの詳細を見る

TactonCPQは、画期的なアーキテクチャでロジックツリーを必要とせず、従来型CPQと一線を画した最新型CPQ/コンフィグレーターです。

前回、CPQプロセスの問題分析と対策を検討しました。本コラムでは、エクサが提案するセールスコンフィグレーターTactonをもとに、CPQプロセス改革とその効果について説明します。

1. Tactonセールスコンフィグレーターの特長

TactonはTactonSystems社(スウェーデン)が提供している最新式のコンフィグレーターであり、産業界では300社の実績があります。製品の製造販売企業を主要お客様としており、引き合い時の、顧客ニーズからのガイド営業、見積もり・価格算出・部品表作成の自動化、および自動設計に強みを発揮しています。
Tactonは、営業のみが使用する狭義の「セールスコンフィグレーター」ではなく、設計まで連携し、案件に対応した部番や図番などの部品表の自動生成、および各種パラメトリックCADと連携した自動設計まで可能な、営業、営業技術、設計の統合プラットフォームと言えるものです。

(1)製品アーキテクチャーの特長

Tactonが採用している製品アーキテクチャーの特長として、①ルールとデータが分離している点、②AI(人工知能)にも使用されている「エンジン」を搭載している点 の2点が挙げられます。
Tactonは従来型のコンフィグレーターと異なり、ルールとデータを完全に分離する事により、ルールやデータの定義と変更が容易になり、高いメンテナンス性を発揮します。
従来型のコンフィグレーターでは、対話画面で選択肢を選択する順序や、何か選択肢が選択された場合の画面の遷移やメッセージなどの「最終的に解を選択するまでのロジック」を、多数のファイルを使用してユーザが全て定義する必要がありました。また、従来型のコンフィグレーターでは、製品ごとにプログラミングも行ってこのロジックを定義する必要がありました。しかし、Tactonは、AIにも使用されている、「最適解を算出するエンジン」を持つことにより、ユーザが画面上で選択肢を選択する都度、エンジンが画面を自動的に遷移させ、さらにデータとルールおよび選択肢を矛盾無く満たす最適解を自動算出します。

図1 ルールとデータの分離

図1 ルールとデータの分離

このように従来型コンフィグレーターとは異なるアーキテクチャーを使用しているため、Tactonは、表面的な対話画面の見映えは従来型コンフィグレーターとあまり変わりませんが、以下が可能となっています。

  1. 様々な製品への適用やメンテナンスが劇的に容易
  2. プログラミングレス
  3. お客様のニーズから、標準品や利益率が高い製品へガイドするガイド営業が柔軟に可能
  4. 各選択項目を、お客様が重視する任意の順序で選択できる。
  5. ユーザにとって重要な項目のみ選択すればよく、全ての選択項目を選択する必要がない。
  6. 選択した仕様を満たす製造可能な全ての組合せから「最適解」(最適な構成)を自動選択。

(2)高いメンテナンス性の確保

従来型のCPQソフトウェアでは、関係方式(部品間の組合せを表で定義)と逐次方式(大きな仕様から順に選択して分岐を絞り込むロジックツリー)を採用しており、製品が複雑になるとルールが指数関数的に複雑化しメンテナンスできなくなるという問題がありました。また、製品ごとにプログラミングが必要になりますので、新たな製品の追加や製品のバージョンアップの都度、プログラミングが必要となり、メンテナンスに多大な工数と時間がかかっていました。
しかし、Tactonはこのような従来型コンフィグレーターとは異なり、プログラミングの必要はありません。自社要員が、データやルールの定義およびドラッグアンドドロップによる対話画面の定義を行う事により、劇的に少ない工数でメンテナンス可能です。

(3)各種ドキュメントの自動生成や海外対応

標準機能としてドキュメントを自動生成する機能を実装しており、見積書や仕様書、社内向けの発注帳票などの各種ドキュメントをリアルタイムで自動生成します。また、標準で多言語、多通貨にも対応していますので、カスタマイズ無しで海外拠点への展開も可能です。

(4)他システムとの連携

セールスコンフィグレーターを周辺の業務システムと連携して活用すれば、受注、設計、生産、調達など関連する一連の業務を効率化させる事が可能です。Tactonは主要なCRM、ERP、PDM、PDM、CADとの連携が可能です。

図2 Tactonを利用した営業・設計支援環境

図2 Tactonを利用した営業・設計支援環境

Tactonでは、部番や図番のリストを読み込む事により、対話画面で選択した仕様から、案件ごとの部品表(部番、図番)を出力する事ができます。また、デザインオートメーションも可能であり、各種パラメトリックCAD (SolidWorks等)と連携し、見積や部品表作成に加え、3次元形状データや図面の自動生成を行うパラメトリック設計まで可能としており、お客様との商談の場で3次元の形状データをプレゼンすることも可能です。

2. Tacton導入によるCPQプロセスの改革

(1)段階的な導入

Tactonは、受注生産型の製造業で多く使われていますが、これらの企業の製品は様々なバリエーションを持ち、バリエーションのレベルにより「標準仕様」、「準標準仕様」、「特注仕様」に分けられます。標準仕様は一般にはカタログに記載されている製品群です。準標準仕様は、カタログには明確に記載されてはいないものの営業や営業技術用の内部資料に記載されているバリエーションの製品群です。また、特注仕様は、お客様の特殊な使用環境やニーズにより、設計部が検討して都度設計を行う必要がある製品群です。
Tactonを使用する事により、上記のような様々なレベルのバリエーションの製品に関し、カタログや内部資料、既存の部番や図番、調達先やリードタイムの情報、設計部や営業技術部のベテラン要員が持つ知識など、従来は様々な部署に分散していた知識を一元化する事で、「製造可否判断」、「価格算出」、「各種ドキュメント自動生成」、「部番・図番(BOM)の作成」、「標準納期算出」などの作業を大幅に効率化し、かつ、標準化率の向上や、売上と利益のアップが可能になります。

Tactonではプログラミングレスでの変更やメンテナンスが容易な事もあり、一般的には以下のステップで適用範囲を拡張します。

  1. 標準仕様、準標準仕様の範囲の製品の見積・部品表・ドキュメント生成自動化とガイド営業
  2. 頻度の高い特注仕様までの拡張 (既存の部番、既存の図面の再利用)
  3. 設計部による検討が必要な特注仕様への拡張 (設計部との情報共有)

なお、①~③まで同時に実現する事ももちろん可能であり、どの段階でも海外への展開が可能です。

(2)CPQプロセスの改革

Tacton導入により、上記の範囲におけるCPQプロセスがどのように改革できるか説明します。第4回で説明しました、営業を海外の販売代理店に依託しているケース(図3)で考えてみます。
Tacton導入前のプロセスでは、お客様から問合せに対し、販売代理店がお客様から要件を確認し、その要件から国内の営業担当が見積用部品表作成、原価(代理店向け価格)を算出し、見積明細表を販売代理店に回答していました。しかしこのプロセスでは見積時間が長く、手戻りが出るなど様々な問題を引き起こしていました。Tacton導入後は、販売代理店でお客様と対面で、要件確認から見積部品表作成、製造可否判断までを行い、あとは売価調整を行うだけとなります。これにより、お客様と顧客接点である販売代理店だけで、迅速な仕様確定とリアルタイムな見積を行う事が可能になります。

お客様接点の販売代理店の見積作成方法や営業スタイルも次のように変わります。

図3 Tacton導入によるCPQプロセスの改革

図3 Tacton導入によるCPQプロセスの改革

従来は、販売代理店の営業担当はお客様の要件を持ち帰り、国内営業にドキュメントで連絡していましたが、導入後は販売代理店の営業担当は、モバイル端末を使ってお客様と対話しながら様々な提案を行って迅速に仕様を決定し、最終的な見積書を渡す事が可能になります。
これによりお客様との打ち合わせ時間と営業工数が大幅に削減でき、全体の営業量の増大効果が見込まれます。

またCPQを使用する事により、従来は多数の部署が別途作成していた詳細な「調達・製造用の部品表」まで見積時に自動作成する事が可能になりますので、受注の確度に応じた在庫の予約や調達の内示、生産計画の精度を高める事も可能になります。

(3)ガイド営業による営業政策の実施

Tactonでは、お客様の使用環境やニーズを入力すると、それを満たす最適な推奨仕様をルールに沿ってダイナミックに提示してお客様をガイドする事ができるので、それを使用して営業政策を反映することができます。
たとえば、導入前は営業担当がお客様のニーズが本来は標準品、準標準品でカバーできることに気付かず、「言われるままの特注仕様」になっていたところを、価格や納期の点から標準品、準標準品の方がメリットがある事を示すなどの誘導が可能になります。もし特注仕様部分があると、その特注部分に関しお客様と何度も仕様の確認作業が必要になり、図3のCPQプロセスでは導入前のプロセスに近いものになりコストと時間がかかります。特注仕様部分でそのコストに見有う利益を確保できない場合は、標準品、準標準品に誘導するガイドを作成する必要があります。これは標準品、準標準品、特注品など収益が出るパターンを十分検討した上で、営業政策を決めて実施します。
従来の非効率で受け身の営業、設計、製造の方法から、攻めの方法に転換し、お客様満足度、営業、設計、製造の連携を最適化することで、付加価値が出ない業務や慢性的な低収益体質から脱却する契機となります。

3. セールスコンフィグレーターTactonの導入効果

CPQプロセスを改革するソリューション導入には、一定のコストや社内要員の工数がかかるため、ソリューションの導入意思決定のためには、導入効果の算定が必要になってきます。Tacton導入による経営効果は、図5に示しますように売上増加、コスト削減の2つの効果が見込めます。Tactonは、CPQプロセスを改革するのみならず、様々な施策と同時に実施されてはじめて実効が上がります。

図4 「Tacton」の効果想定のフレームワーク(例)

図4 「Tacton」の効果想定のフレームワーク(例)
*売上増加、コスト削減を構成する要因は企業の業態、製品により異なります。

(1)「売上増加」効果

売上増加は、引合件数の増加、受注率アップ、取引単価アップなどの要因が挙げられます。Gartner , Tacton Systems, Aberdeen , BearingPoint ,CallidusCloud, WestMONROEの各社の調査を総合すると、CPQソリューションの導入効果は、売上で4~6%増加、引合件数12%~、受注率12~26%増加、取引単価10%~増加が見込まれます。もちろん事業分野や業態、製品によって異なりますが、導入企業が様々な施策と合わせて効果を上げているという実績があります。

1)引合件数増

従来、営業部門では、複雑な製品に関しては製品知識が豊富な営業マンでないと営業活動ができないため得意な機種に営業を分担するケースが多く見られますが、営業マンがTactonを利用することにより、知識が十分でなくとも、お客様の仕様環境やニーズによりお客様をガイドし、製品の仕様の候補を提示して重要な仕様を選択して頂くという方法で、誰でもお客様の要件を見積仕様に転換することが容易になります。これにより代理店においても、新規営業マンが即戦力化になり、営業要員数の拡大、営業活動の活発化による引合件数、見積回数の増加が見込まれます。
また、簡単な設定で多言語・多通貨対応が可能であることから、現在、カバーできていない地域に新規の代理店を配置しやすく、新しい販路を開拓できます。Webサイトから直接、製品情報、見積仕様などを参照できる方法など、オムニチャネルを活用した施策などを合わせることで、引合件数を増加させることができます。

2)受注率UP

従来は、お客様に接している営業マンや代理店に製品情報が不足していた事により、お客様のニーズに対する最適な仕様や代案をタイムリーに提案する事は困難でした。また、提案に時間がかかる、あるいは手戻りが発生する等によりお客様の信頼性を損ない失注に至るケースもありました。
CPQの導入により、正確・的確な提案を柔軟に短期間で実施できる場合、お客様からの信頼性が向上し、受注率が向上します。また、お客様の意思決定のタイミングが早くなるため、問合せから見積期間が短いケースでも迅速に見積り、受注する事が可能になるでしょう。

3)取引単価UP

製品を販売する際に、営業マンによってクロスセリング、アップセリングができたり、できなかったりします。Tactonを利用することにより、営業マンによるこうしたバラつきを解消できます。
たとえば、製品Aを購入したお客様は、同時に特定のオプションや特定の予備品、およびメンテナンス契約を購入するといった傾向がある場合、その購買実績データ分析の結果をTactonに反映することでこれらのクロスセリングを自動的に推奨します。またお客様の使用環境やニーズから、グレードが高い製品をご紹介した方がよい場合など、Tactonに自動的にアップセリングを推奨させる事ができます。

(2)「コスト削減」効果

コスト削減効果は、営業では、直販、代理店販売など、設計、調達、製造などの実行組織形態や業務内容によって、効率化の対象や工数削減の詳細が異なりますが、現状評価が容易なため、Tacton導入前に効果の予想がしやすいと言えます。
各社の調査によると、仕様問合せや見積工数の削減は50~70%、販売工数削減や見積ミスによるロスコストなどの削減では25%程度の効果が見込まれます。

1)設計・営業の効率向上

従来の見積プロセス(図3)において、営業や代理店がお客様要件から作成した見積仕様の「要件と部品構成の整合性チェック」、「製造可否判断」、および部署間のコミュニケーションに、一般的に多大な時間や工数がかかっています。また、お客様の要件の確認漏れや、お客様要件が変更される事による問合せ、再見積り作業も発生しています。
また、お客様に提出する各種の文書(見積書、見積仕様書、マニュアル類)、および社内向けの文書(部品表、製造指示書)など、資料やデータの作成にも多大な工数と時間が発生しております。
これらの、お客様や複数部署にまたがる伝言ゲーム、および人手での作業にかかっている工数は結構大きく、企業によって異なりますが、一般に数千万円~1億円という規模の費用が毎年発生している事が判明しております。
Tactonを使用する事で、これらの「付加価値増大に寄与しないコスト」を半分以下に削減する事が可能です。

2)ロスコストの削減

第4回の現状のCPQプロセスの問題点で、見積精度が粗く利益が圧迫されるといった問題を上げましたが、十分な見積時間がない中で精度の粗い見積を出さざるを得ない事による赤字見積や、お客様と金額交渉の期間が十分取れない事による大幅ディスカウント、といった問題を、Tactonにより解消できます。また、見積や交渉に時間がかかり過ぎ、製造時間が短縮される事による特急調達や残業・休日出勤など、余分なコストの発生も回避できます。

4. エクサのTacton導入支援

エクサは、Tacton導入を検討されるお客様を対象に、現行業務の課題把握、現行製品データ、ルールの評価などTactonを導入するための現状評価とともに、お客様企業へのTacton導入効果算定の支援を実施しています。
調査会社などによるCPQソリューション導入効果の調査分析やお客様の業務調査から、お客様へのTacton導入後の姿や経営効果を提示することができます。

ものづくりコラム 全編ダウンロード

ダウンロード

ものづくりコラム全5回を読み易くPDFファイルにしました。(全16ページ)

コスト削減と売上増に寄与する最新型CPQ/コンフィグレータ TactonCPQのご紹介のご紹介

TactonCPQの詳細を見る

TactonCPQは、画期的なアーキテクチャでロジックツリーを必要とせず、従来型CPQと一線を画した最新型CPQ/コンフィグレーターです。

TOP