連載コラム:ものづくりコラム

第8回 CPQを選択する際の重要な留意点 :「モデル定義の生産性」と「CPQの柔軟性」

ものづくりコラム

コスト削減と売上増に寄与する最新型CPQ TactonCPQ

TactonCPQは、画期的なアーキテクチャでロジックツリーを必要とせず、従来型CPQと一線を画した最新型CPQ/コンフィグレーターです。

これまでのコラムでは、マスカスタマイゼーションによる製品バリエーションの増加が今後とも増え続けること、および今後は属人化した知識を形式知化してCPQシステムで利用し、見積や設計の効率化のみならず「攻めの営業」、「Web集客」、「Web商談(Eコマース)」に役立てる事がグローバルな競争の中で非常に重要になる事をお伝えしました。

集客から製造までの一連のプロセスとコミュニケーションを効率よく迅速に推進するための「競争力のあるビジネスの仕組みと業務プロセス」の再構築が今後重要になります。これが多数のバリエーション製品(以降、「多バリエーション製品」と呼ぶ)を扱う企業のDXとなります。
このビジネスの仕組みと業務プロセスの再構築において、今後も進むデジタライゼーションの高度化に伴い、CPQ等のデジタル技術を活用して継続的に改革を進める企業と何もしない企業では今後大きな差が付き、将来的に企業は二極化してゆくものと考えられます。

今回のコラムでは、多バリエーション製品を扱う企業が今後CPQを選択する際の留意点についてお伝えさせていただこうと思います。
近年、CPQの重要さが認知されてくるにつれ、市場には多数のCPQ製品が登場してきております。また、様々な機能の比較サイトなども作成されてきております。しかし、CPQの選択にあたっては、これらの従来の比較サイトなどでは述べられていない様々な留意点があります。その点を考慮せず「カタログベースでの機能比較」および「価格」などで安易にCPQを選択すると、すぐに「使われないシステム」になる危険性があります。
今回は、CPQとCADシステムとの類似点を元に、顧客接点を強化した「DX」まで問題なく実現できるCPQを選択する上での非常に重要な留意点について述べさせていただきます。

1.CPQ導入経験のある企業様からよく聞く問題点

既にCPQを導入した経験を持つ製造業の企業様から、CPQに関して以下のような問題をよく伺っております。


自社開発のCPQがブラックボックス化してしまいメンテナンスと拡張が困難
・プログラミングで自社開発したCPQを使用しているが、ロジックがブラックボックスとなっており拡張ができない

汎用CPQを導入したが、製品の定義・修正に多大な作業と時間がかかる
・CPQパッケージを使用しているが、新規製品のリリースや設計変更時に非常に時間がかかっている。製品のアップデートや新製品リリースにCPQシステムの更新が間に合わない。

汎用CPQを導入したが、他の製品に展開できない
・CPQを他の製品にも展開したいが、定義が特殊で作業量が多いため自社要員で定義できず困っている。毎回パッケージベンダーに発注せざるを得ずコストと時間がかかっている。

複数のCPQパッケージの併用による多数のサイロ化となり、問題が発生している
・目的別に複数のCPQパッケージが社内で併用されているが、CPQパッケージごとにライセンス料がかかる上、それぞれシステムのメンテナンス、マスターデータのメンテナンスをしなくてはならず時間とコストがかかっている。
・CPQパッケージごとに、適用できる範囲と定義方法が異なっている。
・CPQパッケージごとに定義方法が異なる。
・同じ製品でも、複数のCPQ間で製品の仕様の粒度が異なるため、CPQ間の製品連携が難しい。
・部署ごとにサイロ的なCPQシステムを持つ形となっており、1つの案件に関して部署をまたいだ情報連携やコミュニケーションがスムーズにできない。

2.CPQとCADとの類似性:「製品ごとに、製品モデルの事前定義が必要」

それではどうしてこのような問題が出てきているかを考察してみたいと思います。

CPQはCRMやERPと似ているように見えますが、CRMやERPはプラットフォームという「入れ物」を用意すれば良いのに対し、CPQは「製品仕様のルールを人手でモデル化して定義しなくては運用できない」という点がCRMやERPとは大きく異なります。 
通常の製品では、設計変更やバージョンアップにより頻繁に製品が変更されますが、このような設計変更や新規製品追加の都度、迅速に製品定義の追加や再定義を行わなくては運用できなくなってしまうという事です。
そのため、CPQを、CRMやERPと同じように「入れ物を用意すれば良い」という意識で導入すると、最初は良いものの、製品のアップデートや製品追加が行われず、すぐに「使われないシステム」になってしまいます。

その点を考慮すると、CPQは「製品仕様のルールを人手でモデル化して定義・更新しなくてはならない」という点で、3DCAD(以降「CAD」と呼ぶ)と類似しています。CADでは、製品の「形状」を自社の要員がモデル化して定義する必要がありますが、それと同様にCPQでは、製品の「製品仕様のルール」を自社の要員がモデル化して定義する必要があります。
つまりCPQは、CRMやERPのような「プラットフォーム」であることに加え、CADのように「手作業による製品仕様ルールのモデル化と定義・更新」が運用上必須である特殊なシステムであると言えます。

3.CADの普及の歴史

1章に述べた様に、CPQを既に導入した企業様から様々な問題が挙げられておりますが、次にCADの普及の歴史を見てその問題の原因や位置づけを考察してみます。
CADの歴史を見ると、以下の①~④のように、「局所的な効率化での利用→全業務プロセスの効率化での利用」 という順番で普及してきたと言えます。

フェーズ内容補足
局所的な効率化

①自社開発CADの時代

先行する企業が「CADシステム」を自社で独自開発し、特定部署が必要とする特定用途のみに使用

面を1つ1つ定義する方式の自社開発CAD。曲面を定義し、NC切削等に使用

②初期汎用CADの時代

一般企業が汎用CADシステムを使用し「一部の製品のみ定義」して特定部署が必要とする特定用途に使用

面を1つ1つ定義する方式の汎用CAD。曲面を定義し、NC切削等に使用

全業務プロセスの効率化

③生産性の高い汎用CADの登場

定義と変更が誰でも迅速にできる「生産性の高い汎用CADシステム」の登場

面単位で定義するCADに代わり、形状の定義と修正が迅速に可能な、「フィーチャ・モデリング・ベース」方式や「パラメトリック」方式のCADの登場

④生産性の高い汎用CADの全社的な利用の時代

「生産性の高い汎用CADシステム」を一般企業が使用し、「全製品」をCAD形状定義して顧客、関連会社、および自社の各部署が必要とする様々な用途とコミュニケーションに利用

様々な用途の例:NC切削(CAM)、干渉チェック、図面生成、体積や重量計算、構造解析(CAE)、CG、VR、軽量形状データ生成など各種様々な用途


大きな流れとしては、CADは「特定製品&特定部署&特定用途」という局所的な効率化から使用が開始されましたが、最終的には「全製品&全部署&全用途」のCADとして顧客も含めた全業務プロセスの効率化に至ったと言えます。
現在では、製品の形状を定義しさえすれば、その製品形状を多数の部署が共通に使用し、顧客や営業での形状確認、設計での各種解析、製造の加工、操作マニュアル中の製品イメージなど、一連の業務プロセスの中で、多数の部署の様々な用途に使用されるようになっています。

また、形状定義と変更が容易なCADが登場した事により、自社要員が、自社が扱う全製品を形状定義して利用できるようになっています。
なお、②から④に至る過程で、「生産性が悪いCAD」や、「自社で追加開発が必要となるCAD」などは導入効果が出づらい上にコストがかかるため次第に淘汰されてきております。

4.現在のCPQの普及段階

それではCAD普及の流れと比較して、現在のCPQの普及の流れはどのようになるでしょうか。
多バリエーション製品を扱う企業にとっては、CPQは今後の競争力強化や差別化および効率化のために重要なシスムであるため、今後、CADと同様に「局所的な効率化での利用→全業務プロセスの効率化での利用」というステップで推移すると考えられます。

フェーズ内容補足
局所的な効率化

①自社開発CPQの時代

先行する企業が「CPQシステム」を自社で独自開発し、特定部署が必要とする特定用途のみに使用

特定用途の例:営業部用の自動見積システム、積算システムなど

②初期汎用CPQの時代

一般企業が汎用CPQシステムを使用し「一部の製品のみ定義」して特定部署が必要とする特定用途に使用

WebでのEコマース用システム、営業部用の自動見積システム、代理店用の自動見積システムなど

全業務プロセスの効率化

③生産性の高い汎用CPQの登場

定義と変更が誰でも迅速にできる「生産性の高い汎用CPQシステム」の登場

従来型の「ロジックツリーを定義する方法」ではなく、「複雑な製品でもルールの定義・変更が迅速にできる方法」

④生産性の高い汎用CPAの全社的な利用の時代

「生産性の高い汎用CPQシステム」を一般企業が使用し、「全製品」の製品仕様ルール定義して顧客、関連会社、および自社の各部署が必要とする様々な用途およびコミュニケーションに利用

Webでの顧客自身による商品シミュレーション、WebでのEコマース、代理店や自社営業での提案営業、BOMや形状自動生成、製品仕様に関する情報のスムーズな連携やコミュニケーションへの使用


現在、様々な汎用CPQシステムが市場にありますが、③、④に移行する事ができるCPQシステムはまだ少ないために、CPQを導入している企業の大多数はまだ①の「自社開発」あるいは②の「局所的効率化」どまりになっており、その結果1章に述べた様々な問題が顕在化してきている状況と考えられます。

しかし、③、④を実現可能な「全製品&全部署&全用途」のCPQは既に市場に登場し始めております。
一部の先進的な企業は、顧客や代理店の囲い込み、全社の競争力強化と効率性アップのためのCPQの重要性を考慮し、③、④用の「全製品&全部署&全用途」を実現可能なCPQを選択する事により、ビジネスの仕組みと全社の業務プロセスを再定義することによるDXを進めつつあります。

5.今後の「DX」に必用となる「全製品&全部署&全用途」用CPQ

多くの企業にとって、ここ数年はコロナ禍による需要と供給の変動への対応が重要な課題となっておりました。しかしコロナ禍も一段落した現在、「DXによる競争力強化と効率化」が多くの企業の次の課題となってきております。
多バリエーション製品や特注製品を取り扱う企業にとっては、DXの方法として、顧客ごとに異なる仕様の製品に関し、「顧客に自社製品を見つけてもらい、自社に囲い込み、顧客自身に迅速に仕様を決定してもらって受注をもらい、迅速に製造・供給する」という競争力のあるビジネスの仕組みを構築するためのCPQの重要性が高まってきております。
そのDXを実現可能なCPQとして、今後は「全製品&全部署&全用途」用のCPQが必要になってきています。

一時的に使用できれば良いCPQを選択するのなら問題ないのですが、将来的に集客から製造までの様々な部署のビジネス全体にわたるDXを視野に入れるのであれば、CPQ導入後、「使われないシステム」になったりすぐに他のCPQに置き換えることがないようにするため、この「全製品&全部署&全用途用のCPQ」は、少なくとも以下の要件を満たす必要があると考えられます。

(1)自社が扱う「全製品」の製品仕様ルールを、高いレベルのルールまで高い生産性で定義・変更できること
(CADと同様、製品モデル定義・変更の生産効率に関する要件)

(2)競争力があるビジネスのための仕組みと業務プロセスを柔軟に定義し、継続的に更新・強化できること
(継続的なDXのためのプラットフォームとして必要となる要件)

次に、これらの項目を詳細に見てみましょう。

6.今後の「DX」に必用となるCPQを選択する際の留意点

(1) 自社が扱う「全製品」に関し、高いレベルの製品仕様ルールまで自社要員が高い生産性で定義・変更できること 

これは1章に述べた、「製品の定義・修正に多大な作業と時間がかかる」、「他の製品に展開できない」という問題に対応します。CPQはCRMやERPのようなシステムではありますが、CADのように「製品仕様ルールのモデリング」も必要となりますので、CADを選択する場合と同様に、まず以下の項目を見極めて選択する必要があります。

①将来必要とされる高いレベルの製品仕様ルールの定義まで問題なく可能か

これはCADの場合で例えると、例として、「将来必要となる複雑な曲面まで許容誤差範囲でしっかり定義できるか」という事などがあります。自社製品の将来的なアピールポイントを「複雑な曲面」にしたい場合、採用するCADがその複雑な曲面を表現できず能力不足の場合はそのCADは適しない事になります。
また、試しに安価なCADをまず導入し、限界が見えたタイミングで別のCADを導入するという方法では、それまで作成した資産が無駄になってしまう事になります。

CPQの場合もそれと同様に、顧客や代理店に喜んでもらえる高いレベルの提案や対話画面、詳細な情報提供、詳細な出力(多階層のBOMなど)などに関し、将来的にも問題なく使用できるCPQを選択するか否かは重要なポイントとなります。
初期段階の使用では「製品の仕様を選択する事で部品表と価格を自動算出」というシンプルなコンフィグレーションの仕組みでCPQを使用開始しても、もし競合企業が「期待効果や予算、使用環境から最適な製品の仕様を自動提案」という高度な仕組みを提供した場合は、自社でもそれに負けない仕組みを提供する必要があります。将来必要とされる高いレベルの定義も可能にしておく必要があります。

②自社が扱う全製品に関し、製品仕様ルールの「定義」を自社要員が少ない作業で迅速に行えるか

これはCADの場合は、「自社要員で自社製品の形状を迅速に定義できるか」という生産性に相当します。
CPQの場合もこれは非常に重要なポイントです。自社が扱う全ての製品に関し、自社要員の誰もが高い生産性で定義できなくては、構築時および更新時に時間と工数がかかるため結局使用されないシステムとなります。

導入当初は時間がかかっても、自社要員がスキルを蓄積することで次第に定義時間を大幅に短縮する事ができるCPQならば大丈夫です。しかし「1製品の定義でも大量の定義ファイルを必要とするCPQ」など、根本的に生産性を高めることが困難なCPQの場合は問題です。更新や他の製品・用途への展開に時間とコストがかかるため、次第に使用されないCPQになると考えられます。

③製品仕様ルールの「変更」を少ない作業で短時間に行えるか

これはCADの場合は、「一度作成したCAD形状を少ない作業数で短時間に変更できるか」という事に相当します。 製品形状は設計変更等により頻繁に変更されますので、最初に迅速に作成可能である事も重要ですがそれと同様に「変更を少ない作業で短時間にできる」事も非常に重要です。

初期のCADは、製品を構成する全ての面を1つ1つ別個に作成する方法であったため、形状変更時にも多数の面を再作成する必要があり最初の作成時と同じくらいの時間がかかる方法でした。そのため後から登場した、多数の面を含む形状を少ない作業数で迅速に変更が可能な「フィーチャ・ベース・モデリング方式」のCAD等に置き換えられてしまいました。
同様に、CPQ選定においてもこの「変更を少ない作業で迅速に行えるか」は、設計変更時にタイムリーに変更できるか否か、および変更にかかる時間とコストを左右する非常に重要なポイントとなります。

(2)競争力のあるビジネスの仕組みと業務プロセスを柔軟に定義し、継続的に更新・強化できること

これは、CPQが様々なユーザにまたがる一連の業務の連携を定義してDXを推進できるプラットフォームであり、かつ継続的に変更・拡張できる柔軟性があるかに関する要件と言えます。1章に述べた、「自社開発のCPQのブラックボックス化」、「複数CPQパッケージ併用による多数のサイロ化」といった問題に対応しています。

①CPQは集客から製造までのビジネスの仕組みと業務プロセスを定義し、全体の競争力強化・効率化に適用できるか

CPQは「仕様バリエーションをもつ製品の情報」を集客から製造までの一連の業務プロセスの中で関係者が共有して効率的にコミュニケーションし、擦り合わせするためのシステムです。
CPQで管理する主な情報はCRMよりも詳細な各種情報も含んだ製品情報です。情報の例を以下に示します。

・ 顧客のニーズ、使用環境、こだわる仕様などの条件
・ 選択した製品とその仕様
・ 製品を構成する階層BOM、価格、コスト
・ 製品仕様やBOMが確定するまでの顧客、代理店、社内各部のコメント
・ 上記の履歴

製品仕様ルールを1度定義しさえすれば、その製品仕様ルールを多数の部署が共通に使用し、上記の各種情報の共有と合わせ、一連の業務プロセスの定義と効率の良い運用が可能になります。
この一連の業務プロセスの中で「顧客接点」を強化した仕組みにしたりする事で、以下のような業務をスムーズに連携させ、効率化と競争力強化につながるDXが可能になります。
将来的には「営業マン無し」で商談が迅速に進むEコマースの範囲が広がると考えられます。

A) Webポータルで顧客自身による製品の各種案シミュレーション機能を公開して集客と顧客囲い込み。
B) Eコマースサイトでお客様自身に製品仕様を決定して頂いて受注
C) 営業が迅速に顧客に最適な案の見積書を複数提案 (必要時)
D) パターン化できる特注部分の自動設計
E) 設計要員の検討が必要な特注部分は迅速に設計に連絡し、情報を追加してもらって提案
F) 受注後は製造や調達のための階層BOMを自動生成し、製造等を実施
G) 営業などの関係者は全員、各案件のステータスやコメント、詳細情報をリアルタイムに確認できる。

②集客から製造までのビジネスの仕組みと業務プロセスの定義は、1つのCPQで実現可能か

集客から製造までの一連の業務プロセスを定義して実現する方法として、「Web集客用のCPQ」、「Eコマース用のCPQ」、「自社営業用のCPQ」等を導入し、それらを連携して実現することは理論上不可能ではありません。
しかしそれでは、第1章の問題点のようにサイロ化的なシステムをさらに増やす事になるため、システムの柔軟性が失われ柔軟な拡張や変更が困難になるなどの様々な問題が発生します。

CAD分野でも、黎明期においては、部署単位での局所的な効率化のため、1つの企業内でも部署ごとに異なるCADを使用するというケースが良く見受けられました。しかし現在では、CADデータを部署間で共有する必要がある企業においては異なるCADを複数連携して使用するという使用方法ほとんど見られません。

現在主要なCADは皆、様々な周辺モジュールもオプションで持った「CADファミリー」、「CADスイート」という形で提供されており、CAD形状を作成したら、そのCAD形状を多数の部署が共通して使用するという方法となっています。
サイロ化的なシステムを必要以上に増やさないため、将来必要となる各種機能や周辺モジュールがそのCPQに標準あるいはオプションで用意されており、一度作成した「製品仕様ルール」を様々な目的に使用できるかを確認する必要があります。

③ 継続的に、ビジネスの仕組みと業務プロセスを柔軟に変更・強化できる仕組みとなっているか

最新のCPQでは、集客から製造までのビジネスの仕組みとして、Web集客、Eコマース、提案営業、自動見積作成、BOM生成、CAD形状作成等の各部署の効率化の機能を備えております。
また、顧客を含む関係者間の効率的なコミュニケーションのための機能(例:ワークフロー機能、特注仕様の場合のワークフロー、チャット機能、コラボレーション機能、自動Email、添付資料共有機能など)も備えたCPQも出てきております。

これらを利用し、DXのためのビジネスの仕組みと業務プロセスを作り上げる事ができます。
しかし、これらを「プログラミングによるカスタマイズ開発」で作りこむ必要があるCPQの場合は問題があります。

一度プログラミングして作りこんでしまうと、もはやその業務プロセスの仕組みを柔軟に変更・改善できなくなります。作りこんだ部分の変更はベンダーに依存する事になるため修正に時間とコストがかかり、かつブラックボックスになりがちであり、必用時にタイムリーに柔軟に変更することが困難になります。

最先端のCRMはプログラミングレスとなっています。パラメータ変更での「テーラリング」で仕組みや機能を柔軟に変更可能にすることで、業務プロセスを自社要員で継続的に改善することを可能にしています。
それと同様にCPQにおいても、できるだけ「プログラムによるカスタマイズ開発」無しでDXのための仕組みを構築し、その後も柔軟・迅速に継続的に更新し続ける事ができる必要があります。

7.まとめ

以下に、今回のコラムのまとめを記述します。

  • デジタル技術を使用した、集客から製造までの「競争力のあるビジネスの仕組みと業務プロセス」の再構築が多バリエーション製品を扱う企業のDX。これに取り組むか否かにより、今後、企業は二極化してゆくと考えられる。
  • CPQはCADと同様に、「製品仕様ルールの定義・更新の迅速さと生産性」が非常に重要。そのため「将来的にDXまで可能なCPQ」を選択する場合は、以下の点に留意することが重要

(1)自社が扱う「全製品」に関し、高いレベルの製品仕様ルールを自社要員が高い生産性で定義・変更できること 

将来必要とされる高いレベルの製品仕様ルール定義まで問題なく可能か。

自社が扱う全製品に関し、製品仕様ルールの「定義」を自社要員が少ない作業で迅速に行えるか。

製品ルールの「変更」を少ない作業で短時間に行えるか。

(2)競争力のあるビジネスの仕組みと業務プロセスをを柔軟に定義し、継続的に更新・強化できること

CPQは集客から製造までのビジネスの仕組みと業務プロセスを定義し、全体の競争力強化・効率化に適用できるか。

集客から製造までのビジネスの仕組みと業務プロセスの定義は、1つのCPQで実現可能か。

継続的に、ビジネスの仕組みと業務プロセスを柔軟に変更・強化できる仕組みとなっているか。

ものづくりコラム 全編ダウンロード

ものづくりコラム全編の内容をPDFファイル形式で読みやすい形にまとめなおしておりますので一度ご覧ください。

コスト削減と売上増に寄与する最新型CPQ TactonCPQ

TactonCPQは、画期的なアーキテクチャでロジックツリーを必要とせず、従来型CPQと一線を画した最新型CPQ/コンフィグレーターです。

執筆者紹介

連載コラム:ものづくりコラム

「ものづくりコラム」では、エクサがこれまでのお客様ご支援で培った実体験に基づく「ものづくり」ビジネスの現状と課題、さらにそれらを乗り越える方法についてご紹介して参ります。

関連コラム

関連ソリューション

関連事例

お問い合わせ

CONTACT

Webからのお問い合わせ
エクサの最新情報と
セミナー案内を
お届けします
ソリューション・サービスに関する
お電話でのお問い合わせ

平日9:00~17:00※弊社休業日を除く