皆さん、こんにちは!全8回にわたるコラムシリーズの第1回目へようこそ。
このシリーズでは「未来に向けたスマートな保全活動をするためには?」を皆さんと一緒に探求します。
最初の回では、現場でどんな悩みがあるのかを明らかにし、続く各回で時代に即した保全手法の紹介や、最新技術の適用方法、保全現場のDX化の成功事例についてみていきます。
このシリーズが皆さんの保全現場改革に活かせるガイダンスとなり、若き変革者の一助となることを目指しています。一緒に、未来の保全を創り上げていきましょう!
第一回のコラムでは、保全現場にどんな問題や課題があるのかをみていきます。
現場にはどんな悩みがあるの?
新人エクサ社員である技の芽ちゃんは「保全活動をよりスマートに!」を志に、保全現場の方々が将来に渡って安全・快適に仕事ができるように日々活動しています。
そんな中、全国各地の保全現場で、「現場での問題が山積みで悩みが付きない。助けてほしい!」と悲痛な声を聞きました。
現場の保全マンはどんなことに日々悩んでいるのか?
悩みを取り除くにはなにをしたらいいのか?
疑問をもった技の芽ちゃんは、疑問を解消するべく、お世話になっているベテラン保全マンの山田さんのもとを訪ねました。
今お話している現場の方々から、保全の現場では悩みが山積みだって助けを求められたんです。
でも分からないことが多くて…解決のために力を貸してください!
現場のことならお安い御用だよ。
現場ではどんな悩みがあるって聞いたんだい?
保全員が抱える悩み
技の芽ちゃんは各地の現場で、様々な悩みを聞いたようです。どんな悩みがあるのでしょうか?山田さんと一緒に見ていきましょう。
悩み①:データ管理の問題
「作業のために必要な情報が、あっちこっちに散らばっていて、見つけるのに凄く時間がかかって大変!」
(山田さんの一言)
これは、データ管理の問題だね。
保全設備に関するデータ(設備台帳、保全履歴、故障履歴)が紙ベースやExcelで作成され、バラバラに保管されていることで、必要なデータを探すのに膨大な時間がかかり、計画保全の健全性を判断するためにデータが活用できていないね。
悩み②:情報共有の問題
「管理者が現場のことを全然理解してくれない。それに、保全チームメンバーからいきなり作業が遅れていると言われて、私が対応しないといけなくなったりして困るよ…」
(山田さんの一言)
これは、情報共有の問題だね。
現場内や管理者との情報共有が不足していると、
作業員と管理者がお互いの状況を把握出来ず、考えを理解し合えない状態になってしまうことがあるんだ。
また、保全チーム内においても情報共有が不足すると、作業の進捗・問題の把握が遅れ、突然対応が必要になってしまったりするんだ。
悩み③:属人化の問題
「ベテランの人に頼らないと保全作業が進まない。それに、全ての情報が共有されている訳じゃないから、誰がそのデータを保有しているのか確認して、その人に連絡とって…って時間の無駄に感じるよ。」
(山田さんの一言)
これは、属人化の問題だね。
ベテランの勘や経験に依存していて属人化してしまっているから、経験豊富なベテラン社員や情報を保有している人に逐一確認する必要があって、時間がかかるんだよね。
さらにこの場合、保全方法が現場内で統一されていないなかったりして抜け漏れが発生するリスクもあるんだ。
悩み④:作業負荷の問題
「保全作業する人が足りなくてタスクが沢山割り振られるから、ここのところ残業続きだよ…。
それに現場作業が終わったら、事務所に帰って報告書を作成しないといけないのも負担なんだ。なんとかならないかな?」
(山田さんの一言)
これは、作業負荷の問題だね。
人員が不足しているために全ての保全作業をカバーできない、または一人の保全員に過剰なタスクが割り振られるなど現場の作業員に過度な負荷がかかってしまっている状況だ。
さらに、現場活動後に報告書作成のため事務所に戻る必要があったりすると作業が長時間になって残業有りきになってしまうんだ。
悩み⑤:新技術導入への抵抗の問題
「作業現場に新技術を導入して作業を効率化して欲しいんだけど、これまで今のやり方でやってきたんだから変える必要はないって反対している人がいて、改善が進まないんだ。勘弁して欲しいよ…。」
(山田さんの一言)
これは、新技術導入への抵抗の問題だね。
現場の作業員が既存の方法に固執して新技術やツールに対して抵抗感を持っているため、改善の機会を逃してしまうことになっているね。
さらに、こういった問題は、積み重なると保全現場だけじゃなく企業全体の問題にまで発展してしまうんだよ。
現場の悩みから発生する企業問題
技の芽ちゃんが話してくれた現場での悩みは、積み重なっていくと企業にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。
現場の問題が企業全体にどのように影響するかを見ていきましょう。
1. 成長機会の喪失
2. 顧客及び社会的信頼の喪失
データ管理の問題や情報共有の問題によって迅速な問題解決ができずに適切な保全が難しくなり、突発的な故障・計画外ダウンタイムが増加し、設備の稼働率や生産性が低下する。
これによって、納期遅延や製品品質の低下により、顧客からの信頼が喪失。加えて、労災が発生すると社会的な信頼も失われる。
3. 安全性低下による事故の発生
4. 財務パフォーマンスに影響
データ管理の問題や情報共有の問題により、計画的な予防保全ができずに突発的な故障が増加。
これにより想定外の修理対応が必要となり、保全コストが増大する。
人員不足が発生している中で突発故障が増えてしまうと現場での対応がとても大変ですよね、想像するだけで恐ろしいです…。
どうしたら現場の悩みを解決できるか、業務の視点とシステムの視点について一緒に考えていこう。
次は保全にはどのような手法があるのかについて学んでいこうか。
次回予告
次回は、保全方式について紹介を行います。
それぞれの保全方式はなにが違うのか?これからの新しい時代に向けてどのように保全を実施していくべきかを詳しく見ていきます。より良い保全現場の実現向けて、一歩ずつ一緒に学び、実践していきましょう。
それでは、次回もお楽しみに!
連載コラム:スマート工場を実現する道筋
現場でどんな悩みがあるのか?各設備に適した保全手法は?スマート工場を実現するためにはなにが必要なのか?と気になる点をまとめました。
保全現場の改革を推し進めるガイダンスとして、ぜひご活用ください!
(1記事5分程度でご覧いただけます。)
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