JFEケミカル株式会社は、コール(石炭)ケミカル事業を中心に、基礎化学品からファインケミカル製品まで、多種多様な化学製品を提供するJFEグループの中核化学会社です。今回、設備管理業務の効率化とDX基盤構築のため『IBM Maximo』の全社導入プロジェクトが始動しました。本記事では、プロジェクトに至る背景や課題、今後についてお話を伺いました。


石炭化学の分野を中心に、IT・エネルギー・環境関連分野で社会へ貢献を目指すJFEグループの中核化学会社。コール(石炭)ケミカルメーカーとしての事業規模を表すタール蒸留能力はグループ全体で年間175万トンを誇る。コールケミカルを中心に基礎化学品からファインケミカル製品まで化学製品を産み出し、次代のニーズに応じたユニークな製品を提供している。

課題と効果
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設備管理のコスト増
稼働40年以上の高経年設備が増え、管理の手間とコストが増大していた。 -
データ活用の制約
親会社のシステムを利用しており、自社の業務に合わせた自由なデータ活用が困難だった。 -
業務の属人化
複数のシステムが併用され、担当者ごとに業務の進め方が異なっていた。
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業務の大幅な効率化
設備の故障履歴や修理内容が一元管理され、担当者の負担が軽減した。 -
DX推進の基盤を構築
全社でデータを統一的に扱えるようになり、本格的なデータ活用への道筋ができた。 -
ペーパーレス化と業務標準化
外注先とのやり取りもスムーズになり、工場間の業務共有も進んだ。
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40年以上の設備稼働による管理コスト増、DX推進の足かせとなっていた旧システム
JFEグループの中核化学会社として、最先端分野にも利用される多種多様な素材を提供するJFEケミカル株式会社様。同社では、稼働から40年以上が経過した『高経年設備』の増加が、経営上の課題となっていました。

「稼働40年以上の高経年設備が多く、年々増える設備の管理・補修にかかるコストへの対策が課題でした。積極的な老朽更新の推進など、設備の健全性確保への対策は講じてきましたが、設備管理要員のマンパワーの問題もあり、効果的な改善に至ることができない状態でした。」
さらに、JFEグループ全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが進む中、同社はもう一つの大きな壁に直面していました。

現場でも、複数のシステムを業務に応じて使い分ける運用が常態化しておりました。さまざまな部署や協力会社が利用するため、それぞれの想いやこだわりと使い勝手が一致しないという問題も発生していました。
決め手は“豊富な導入実績”と要件を実現する“柔軟な拡張性”
数あるソリューションの中から、なぜ『IBM Maximo』が選ばれたのでしょうか。本プロジェクトリーダーは、その理由を3つのポイントで語ります。
「国内化学メーカーでの導入実績などからIBM Maximoを選定しました。JFEグループでの数多くの導入実績を持つエクサさんにIBM Maximoの開発経験と保守体制があることがわかり、『話を聞いてみよう』という流れになりました。」
「Fit & Gap(要件と機能の適合度評価)を進める中で、標準機能とテーラリング(カスタマイズ)で多くの要件をカバーできること、そしてAIの活用や関連ソリューションも豊富で、その拡張性に期待が持てました。」
「エクサさんは、他のJFEグループ企業にもサービスを提供しているので、私たちの文化や考え方もよくご存知です。しっかりと寄り添っていただき、当初の予定以上のもの提供していただいたと感じています。」
履歴管理、ペーパーレス化、業務標準化。
現場の負担を軽減し、DXの基盤を構築
2022年5月の倉敷工場での運用開始を皮切りに、『IBM Maximo』は着実に成果を上げています。現場担当者からは、喜びの声が数多く届いています。

「特に助かっているのが『履歴管理』です。いつ、どの機器で、どのような故障が発生し、どのような処理をしたのか、またその際の発注方法、経費、工事内容、安全対策、取替部品等が明確になりました。私が感じている1番の効果はそこになります。」

「倉敷工場ではペーパーレス化が進み、手続きが非常にスムーズになりました。また、伝達事項の履歴も残るので、情報共有や業務の見える化も進んでいます。」
これらの現場レベルでの業務効率化は、経営層が目指している『DX推進』にも直結しています。

「今後データ活用を進めていくためには、データを全社的に使えるように統一する必要があります。工場ごとに業務の手順やルールが違っても、扱うデータを統一して整えることは可能です。今回のプロジェクトは、それも大きな目的となっています。」
今後の取り組み
JFEケミカル様の挑戦はまだ続きます。現在、千葉工場への展開プロジェクトが進行中であり、2026年度に運用開始が予定されています。

「IBM Maximoの全社導入とバージョンアップのプロジェクトを完了させる。それが、その後に続く本格的なデータ活用へとつながっていきます。そのためにも、今後もエクサさんのさらなる協力を期待しています。」
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