大規模点群データ処理ソフト「InfiPoints」
3D計測の取り組みと課題
JFEメカニカル様は、「機械設備の総合エンジニアリング」を掲げ、
- 製品(クレーン等の大型産業機械など)
- プラント建設・製作(大物鉄鋼構造物や配管の設計、製作など)
- メンテナンス(設備管理、診断サービスなど)
- 設計・開発(新規設備の開発、既存設備の改造)
といった事業分野を持つエンジニアリングカンパニーです。
総合的なサービスを提供するに当たって、近年、多岐にわたる設備の開発やメンテナンスの前工程として、需要が拡大しているのが「測定サービス」。
その中で、大型で複雑な構造物に触れることなく、安全に、かつ短時間で計測できるため、早くから3Dレーザースキャナーを導入し利用してきました。人手で計測するのが困難だったり、多くの時間を要する、精度にばらつきが出るようなケースにうってつけだったのです。
ところが、取り込んだ点群データの処理(ソフトウェア)に課題がありました。100mを超えるような大型の工場設備や総延長が何キロにも及ぶパイプラインなど、大規模構造物のスキャンデータを表示・加工する処理に時間がかかりすぎるという点です。
点群処理の高速化-InfiPoints
1億点を超えるような大規模な点群データ処理。そのパフォーマンスを改善するべく、「InfiPoints」を評価・導入されました。
InfiPointsは3Dスキャナーで計測したプラントや船舶など大規模な構造物の点群データを、容量の制限無く軽快に表示・編集するツールです。
以前は、半日もかかっていた大規模設備の点群データを30分で処理することができるようになりました。作業効率が上がり、コストダウンと共にお客様にもより早く目的の3Dドキュメントを提示できるようになりました。
JFEメカニカル様-3Dドキュメント化の事例
壁をまたいだ配管の位置測定
配管老朽工事のため、屋内のライン(赤)から屋外建屋(青)までの距離を知りたいというケースで、壁(緑)が邪魔をしてしまい、メジャーやトランシットで測ることができませんでした。
そこでレーザスキャナを用いて屋内、屋外の両方を測定し、そのデータを合成することで、屋内から壁をまたいで屋外建屋までの距離を測定することができました。
工場建屋の3Dドキュメント化
この測定では、実際にクレーン上にスキャナを設置し、クレーンを移動させながらスキャンさせることで、工場を丸ごとスキャンすることができます。人手で測定する場合と比べて高所作業のリスクがなく、安全性が高まります。
軌条測定、干渉、設備間の寸法測定などに使われています。
既存の配管を測定
既存の設備に配管を引き回したいが、図面が無く、どの規格品がどれだけ必要なのか把握したいというケースです。
スキャンした配管データをモデリングし、CADデータやアイソメ図を出力する事が可能で、モデリングされた配管はJIS規格で構成されます。現状の図に規格品の追加が自由に行えるのでレイアウトも検討できます。
建屋の傾き測定
震災の影響で傾いた建屋を計測。この建屋は腐食が進んでおり、人が立ち入ることができないため、スキャナを使って非接触で計測します。地球平面に対して建屋が傾いているのか、傾いているならどの方向にどれだけ傾いているのか求めることができます。
この結果から、建屋の現状を知ることができ、更に倒壊させる場合は、どの方向に倒壊させるかなど、様々な検討が可能になりました。
エクサの評価
「エクサさんは、単なる販売ベンダーとしてだけではなく、多様化する現場で新たに発生するスキャナやソフトウェアの課題をクリアしていく上での技術的パートナーベンダーと位置付けています。
弊社形状測定サービスにおいては、処理時間の短縮によるコストダウンとお客様への高精度な測定結果のご提供に貢献して頂いております。」
JFEメカニカル株式会社
プラント技術本部 設備診断技術部 京浜設備診断室
牧様
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本事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。
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