連載コラム:FinTech活用への挑戦

第2回:国際ハッカソンへの挑戦

エクサは、AIやブロックチェーンなど、FinTechサービスのコアとなる先進技術領域の実装力、サービスデザイン力を強化するために、多くのハッカソンに挑戦しています。今回はその中でも、国際的なハッカソンへの挑戦をご紹介します。
JuctionTokyo2018

Junction Tokyo 2018に参加したメンバー

まずはみなさん、ハッカソンというイベントを御存知ですか?ハッカソンとは、ハックとマラソンを掛け合わせた言葉です。特定のテーマについて様々な分野の人たちが技術やアイデアを持ち寄り、少数のグループを作り1日~1週間程度の短期間でサービスやシステム、アプリケーションなどを開発し、成果を競うイベントです。
エクサは、世界中からエンジニアが集まる国際ハッカソンイベントのJunction Tokyo 2018※1に昨年初参加し、今年2月にはJunction Tokyo 2019に参加しました。エクサが開発したアプリケーションは高い評価を受け、2年連続でAI部門のTOP3に入りました。
今回は、Junction Tokyo 2018で開発した「Smart Sticky!」をご紹介します。

SmartSticky画面

↑ホワイトボードのイメージでアイデアを付箋としてWeb画面上に貼れます。  
貼られたアイデアをAIが自動で分類してくれます。

「Smart Sticky!」は、ハッカソンに出場する際のアイデア出しでなかなか全員が納得出来るアイデアにたどり着くことが出来ず、「このアイデア出しをスマートに支援してくれるアプリがあれば助かるよね。。。」という思いが形となったアプリケーションです。このアプリケーションで活用しているグルーピングのアルゴリズムは、既存のAIサービスを一切使わずに、機械学習のライブラリを使って自作しています。
「Smart Sticky!」の効果は、従来のアイデアのグループ分けにかかっていた時間を短縮することができ、余った時間を考察に使えるところです。さらに、話し合いで出た内容をグループ分けして相関性グラフに出すことで、出ている話題の内容同士がどれくらい離れていて、まだ話されていない領域が存在するという気づきを与えてくれます。「Smart Sticky!」は「アイデア支援システム」として、特許を出願中です。

今回は、そんな国際ハッカソンに挑み、活躍をしたSEたちにインタビューをしました。

髙桑さん写真

FinTechソリューション部 UI/UXデザインチーム 髙桑 美季

Q.なぜJunction Tokyo 2018へ参加しようと思ったのですか?

A.私たちの部署の技術的な強みが活かせるハッカソンの募集テーマだったからです。今回のハッカソンには複数のテーマが用意されており、自分が興味・関心のあるテーマを選ぶことが出来ます。今回私たちはその中でも、AI部門の「AIと共存する将来」というテーマに挑戦しました。(髙桑 美季)

Q.部署の強みとは具体的にどんな強みですか?

A.私たちの所属するFinTechソリューション部では、先進技術に携わる案件を中心に担当しております。中でも人工知能(主にWatson)を活用した案件に携わることが多いので、人工知能を活用したサービス構築を経験したことがあるという強みがあります。(髙桑 美季)
志田さん写真

FinTechソリューション部 AIソリューションデザイン室 志田 篤

Q.「Smart Sticky!」の構築にあたり、工夫した点はどこですか?

A.アイデアを分類するグルーピングエンジンを、既存のAIサービスを一切使わずに機械学習のライブラリを使って自作したことです。 当時、機械学習のアルゴリズムやその実装方法を自学していたため、なんとなくいけそうだという感触はありました。しかし、Webアプリケーション上にエンジンを実装するのは初めてだったのでアプリケーション全体の疎通確認が取れた時には感動しました。今回のハッカソンを通じて、機械学習エンジンの実装経験を積むことが出来ました。(志田 篤)

Q.初めて参加した国際ハッカソン大会は、どんな雰囲気でしたか?

A.とにかく自由でした。例えばハッカソンのテーマは、日本企業が主催する場合は「○○を解決するサービス」というように主催企業が課題としていることの解決になるアプリを構築する内容が主です。しかし、今回は複数のテーマから選ぶことが出来る上に、そのテーマも「AIと共存する将来」と自由度が高いものでした。会場内で頭に電球を巻いていたり、会場内をキックボードで移動する人がいた光景も、自由だと感じた要因の一つです。(志田 篤)
鈴木さん写真

FinTechソリューション部 AIソリューションデザイン室 鈴木 肖太

Q.参加者はどんな雰囲気でしたか?

A.参加者に日本人はほとんどおらず、このハッカソンのためだけに来日している人が多くいました。また、自作のIoT機器やホロレンズを持参して披露している人もいて、開発期間中はチームの枠を超えてお互いに手伝ったり、相談したり、知識の共有やプロトタイプを行う姿をよく見かけ、本当に開発が好きな人たちが集まっていると感じました。(鈴木 肖太)

Q.国際ハッカソンに参加するにあたって苦労した点はどこですか?

A.今まで参加した日本主催のハッカソンで培ったスケジュール感やプレゼンテ―ションのコツが通用しなかったことです。例えばスケジュール感では、日本企業主催のハッカソンは、イベント期間の1日目にアイデアソンをして、2日目から開発開始であったり、開発期間のこのあたりでアドバイスが入り、修正を開始するという流れがあります。しかし今回のハッカソンは2日間泊りがけでの開発が可能な上、エンジニアも当たり前のように寝袋を持参していたりと、今までのハッカソンからは想像できない状況でした。
また、私たちはプレゼンテーションの際に、どんなアルゴリズムで構築したのか、どんな機械学習のライブラリを使ったのかなど、技術的な裏付けについて今までに参加したハッカソンの中で一番質問されました。しかし他のチームは、デモを最初に行った後に料金の話をし、システム面の話はほとんどしていませんでした。私たちが技術的な質問に回答した際、マネされるかもしれないのに、なぜ技術面の質問に回答するんだと、びっくりされました。 (鈴木 肖太)

今回のインタビューを行った際に、実際に「Smart Sticky!」を体験させてもらいました。かわいい付箋のキャラクターが移動するUIがとてもかわいらしかったです。また、2日間倉庫にこもる環境下で新しいアイデアを考案し、かつ、独自でAIを構築するという初の試みに挑戦するSEの姿勢に刺激を受けました。

実装力強化のためにハッカソンに参加し続け、常に新しいことに挑戦してきからこそ出たアイデアが、国際ハッカソンで「Smart Sticky!」として形になり評価されました。今後もエクサは様々なハッカソンへ参加し、新たな挑戦を続けていきます。

このハッカソンは、2015年11月にフィンランドのヘルシンキで初めて開催された、約77カ国から1200 人以上が参加するヨーロッパ最大級の大会です。2016年にJunction Tokyoとして開催され、2018年には世界各国から300人以上が来場した、日本最大級の国際ハッカソンです。

連載コラム:FinTech活用への挑戦

AI、ブロックチェーン、VRなど、以前は無名だった、もしくは存在していなかった先端技術が、現在FinTechに活用され、脚光を浴びています。しかし実際活用をしてみようとすると、どのように活用すればいいのかわからないという声を多く聞きます。

本コラムでは、FinTechに取り組んでいるエクサメンバーへのインタビューを交えつつ、彼らの技術活用に挑戦する取り組みについて、ご紹介致します。これからFinTechに取り組まれる方のヒントになれば幸いです。

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