リホストによりシステム維持費削減
『給与計算サービス』事業収益性の改善に成功

みずほ情報総研株式会社様【インタビュー】

みずほ情報総研株式会社様

1年半でCOBOLプログラム約6,000本のリホストを予定どおり完遂

みずほフィナンシャルグループのシンクタンクであるみずほ情報総研株式会社では、1,000社以上の導入実績を誇る「FX-Ware®給与計算アウトソーシングサービス」で、コストの高止まりや収益性の改善をめざし、基幹システムのIBMメインフレームからの脱却を決断した。 移行方式はリホストを選択、移行先にWindowsベースのMicro Focus Enterprise Serverを採用。ここで選ばれたSIパートナーが株式会社エクサで、IBMテクノロジーに精通しておりこの分野で豊富な経験を有することが決め手だった。 約1年半という短期間でCOBOLプログラム約6,000本の移行を予定どおり完遂。同社における脱メインフレームの試金石でもあったこのプロジェクトは社内で高く評価され、システム維持費削減を実現された。

課題

課題から効果への矢印

効果

ソリューション

「知の循環」を通じて持続的な発展とよりよい未来の創造を実現

One MIZUHI
みずほ情報総研株式会社は、みずほフィナンシャルグループのシンクタンクである。 グループが有する高いリサーチ&コンサルティング機能と金融機能を有機的に組み合わせ、顧客にしっかりと寄り添い、複雑かつ高度化する課題を解決へと導き、顧客と社会の持続的な成長を支えている。 不確実な時代に求められるのは、未来をさまざまな角度から予見し、前例にとらわれずに課題解決を成し遂げる「知」である。 同社は、内外の「知」を広く集め、新たな価値として提供する「知の循環」を通じて、顧客自身が気づいていない潜在的なニーズ・課題をも掘り起こし、その持続的な発展とよりよい未来の創造を実現している。

30年以上の提供実績を誇る給与計算サービスのシステム移行を決断

同社の提供するサービスの一つに、「FX-Ware®給与計算アウトソーシングサービス」がある。 30年以上の実績を誇る給与計算を軸に、周辺業務全般を同社独自のノウハウで効率化。人事・給与業務運営基盤をもとにアウトソーシングとシステムを組み合わせる包括ソリューションとして展開しており、顧客数はすでに1,000社を超えている。

このサービスでは、給与計算処理を行う基幹システムにIBMメインフレームを利用してきた。 その資産規模は、COBOLプログラムにして約6,000本、JCLで約5,000本に上る。そこには長年の業務ノウハウが蓄積されていたが、25年間サービスを支えてきたシステムには課題も見え始めていた。 メインフレームの運用コストに加え、給与管理業務の変化に合わせた機能変更・追加に伴い、メンテナンス性も徐々に低下してきていたため、同社はシステム移行を考え始めた。

そして立案したのが3つのフェーズから成る一大プロジェクトだ。まずはメインフレームを脱却。 次いでソフトウェア資産を抜本的に見直し、顧客に提供するフロントシステムのWeb化、クラウド化を進める一方で、システムの疎結合化や処理の即時性向上、自動化を目指すというものである。

その第一弾としてのオープン環境への移行をどう実現するか。 2017年初頭から具体的な手法を検討し始めたが、ここで「業務ノウハウを有したCOBOLエンジニアが、新しい環境でもストレスなく仕事を続けられること」という条件を掲げリホストを選択。 移行先の実行環境としてはWindowsベースのMicroFocus Enterprise Serverの採用を決めた。 IBMメインフレームとの親和性が高く、大規模リホスト事例が数多く存在したというのがその理由だ。 同社内で先行事例があり、その知見が期待出来る事も後押しした。

しかし、実際そのチームに話を聞いてみると事情は違った。 社内メンバーだけでリホストを成し遂げるのはかなり難易度が高いという。 今回のプロジェクトはシステム規模が大規模ということもあり、外部パートナーを得た方がいいと同社は判断。 ここで選ばれたのが株式会社エクサ(マイクロフォーカスソリューションプロバイダー)だった。

みずほ情報総研株式会社 ソリューション第2部 マネージャー石井拓也氏

みずほ情報総研株式会社 ソリューション第2部
マネージャー石井拓也氏

みずほ情報総研株式会社ソリューション第2部マネージャー石井拓也氏は、選定理由をこう語る。
「エクサは日本IBMの資本参加もあってIBMテクノロジーに詳しく、メインフレームも、オープン環境も手がけています。 Micro Focus 製品を利用したシステム移行に関しても、大規模実績もあり、われわれと似た業種業務の移行経験がありました。 個人的には、プロジェクトマネージャーの人柄に好感を持ちました。 話がおもしろく明朗で、『この人と仕事をしたい』と思わせる魅力を持っていました」

正式なプロジェクト発足は2018年2月。メインフレーム脱却は同社の他の部門でも重要な検討課題となっており、その試金石プロジェクトとして全社から注目が集まる中、スタートを切ったのだった。

テスト自動化ツールを活用し、期間内にプロジェクト完遂

今回、資産の棚卸しをした結果、ひとまずすべてのソフトウェア資産をオープン環境に移すことにした。 プログラムの要不要の精査に時間をかけていると、プロジェクト期間が延びるからだ。 そして、2018年9月より給与計算など主要なプログラムを抽出してパイロットを実施。 そして同年年末には現行システムと新システムで処理結果を比較するプロセスに本格的に突入したのだが、ここで足踏みが発生してしまった。 主な原因はテストデータだ。業務が給与計算であるためデータの機密性が高く、テストに本番データは利用できない。 しかし、データがリアルでなければ新システムの有効性を測れない。そこが悩ましかったという。 しかし、ひとたび落としどころを把握した後は、テストデータの信頼性チェックにRPAを導入するなど、効率化を図りながらこのフェーズを推進していった。

みずほ情報総研株式会社ソリューション第2部リードITエンジニア小島憲之氏は、次のように回想する。
「現新比較フェーズはまさに正念場でしたが、エクサは本プロジェクトのために、テスト指示書の読み取りからジョブの実行までを自動化する専用ツールを作成してくれました。 おかげで、プロジェクト日程に余裕をもたせることができたと思います。」

みずほ情報総研株式会社ソリューション第2部リードITエンジニア山中宏光氏も賛同する。
「エクサの文化なのか、プロジェクトチームの特性だったのか、作業を効率化させるツールが次々出てきて驚きました。 あの手この手を駆使してなんとしても納期を守るという気迫を感じて心強かったです」

品質・コスト・納期を満たしてシステム移行を完遂。 システム維持費削減

その甲斐あって、新システムは2019年10月7日、当初の予定どおり本稼働を果たした。 年末調整業務前であるこの時期を逃せば、次の機会は来年になるところだった。 COBOLプログラム3,300本、JCL3,060本で稼働しており、これまでのところ機能要件に由来するトラブルは発生していない。石井氏は語る。

「大規模なシステムの移行ということで、難易度の高いプロジェクトでしたが、準備段階から密に連携し課題をつぶし込むことができました。 検討開始直後は2年程度の期間を見積もっていましたが、今回1年半という短期間で移行ができたのは、協力してくれたエクサから得られたアドバイスが大きかったと感じています。」

みずほ情報総研株式会社ソリューション事業推進部参事役諏訪光正氏はこう語る。
「高品質かつ計画どおり移行できたことが何より。 全社としてシステムの先鋭化に取り組んでおり、脱メインフレームの試金石でもあったこのプロジェクトの結果は、担当役員からも『当初の思惑以上の結果』という声をいただきました」

このサービスに長く携わり、25年前のシステム更新も経験したみずほ情報総研株式会社ソリューション第2部ITエンジニア寺田芳秋氏は、こう感想を述べた。
「以前よりもシステム規模も大きくなっており、今回のプロジェクトも決して簡単なものではなかったと思います。 ただ、過去に経験したシステム更新と比べると、スムーズに移行を完了させることができました。」

このプロジェクトの成功によって、「FX-Ware®給与計算アウトソーシングサービス」は品質・コスト・納期を満たしてメインフレームからオープン環境への移行を完遂し、システム維持費削減を実現した。 現在、同部では第2フェーズとしてソフトウェア資産の見直しが進んでいる。 同社全体のゴールとしてメインフレーム撤廃もめざす中、リホストの知見を社内に共有・蓄積でき、エクサというリホストパートナーを得たことも大きな収穫と評価されている。

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