事業の急激な変化やM&Aに迅速かつ低コストで対応するため、グループ横断の統合生産システムを構築

株式会社LIXIL様【導入事例】

膨大な製品の「即納」による顧客満足度向上と欠品による機会損失の削減

株式会社LIXIL

株式会社LIXIL様(以下、LIXIL様)は、事業の急激な変化やM&Aに迅速対応していける「真のグローバル企業」を目指し、経営統合前の各社が個別最適で構築・運用してきたトータルで数千ものシステム機能群を刷新し、グローバル統一を見据えた標準化の実現を進めています。その一環として実績系(ERP)、計画系(MPS)、指示実行系(MES)を横串で貫いた統合生産システムの構築を推進。その核となる統合製造BOM基盤としてエクサのSPBOM、そして計画系システム基盤としてRapidResponseを導入。SCM(サプライチェーン管理)を革新するベストプラクティスの全社即時展開でスピード経営を加速しています。

  • 課題

    膨大な製品の「即納」による顧客満足度向上と欠品による機会損失の削減

  • ソリューション
    • パラメトリック統合BOMソリューション SPBOM
    • 超高速サプライチェーン・プランニング・ソリューション RapidResponse
  • 効果
    • 受注時のリアルタイムBOM生成の実現による生産リードタイム大幅短縮
    • 計画連携(マルチサイト・プランニング)実現による事前調整型の迅速なアクションで即納、欠品による機会損失を削減
    • パッケージ製品をノンカスタマイズで使うことで、従来のスクラッチ開発では数年を要していたシステム展開のリードタイム大幅短縮と業務標準化を実現するとともに、バージョンアップにも容易に対応して、時代に即した機能やサービスを柔軟に利用可能に

グローバルで標準化された“強い”基幹システムに刷新

2011年4月にトステム株式会社様、株式会社INAX 様、新日軽株式会社様、サンウエーブ工業株式会社様、東洋エクステリア株式会社様の5社が統合し、LIXIL様は誕生しました。これにより取扱商品は、コア事業の建築材料・住宅設備機器事業はもとより、国内外のビル事業、店装建材事業、公共エクステリア事業、性能住宅工法事業、さらには「住」と「生活」を取り巻くサービスまで拡大。真のグローバル企業への飛躍を目指しています。
この経営戦略を実現すべくLIXIL 様は2014年、グループ全体の基幹システムを刷新・統合する「L-ONE(LIXIL Overall New Engine)」プロジェクトをスタートさせました。同社 情報システム本部SCシステム統括部の統括部長を務める玉木 秀治氏は、「5社統合後も使われてきた旧個社のシステム群を、グローバルで標準化された“強い”基幹システムに刷新します。数千に及ぶシステム機能の多くを廃止し、最終的に約16のシステム分類に統合する計画です」と、概要を説明します。
具体的な改革施策の方向性として示すのは、SCM領域をターゲットとした、「グループ社内業務の標準化(業務パターン化)」「生産システム(計画系・指示実行系)の統合」「需要予測~生産・購買計画連携(欠品防止、在庫削減)」「新システムを支える強固で柔軟な統合製造BOM基盤」の4つのコンセプトです。
LIXIL様はMTS(Make to Stock:見込み生産)、ATO(Assemble to Order:受注組立)、MTO(Make to Order:受注生産)、ETO(Engineering to Order:受注開発)といった多様な生産形態に対応。国内48工場で数千万アイテムにおよぶ製品を多品種少量生産にて受注即出荷し、市場の要求に応えています。事業や工場別に業務ルールやプロセスが個別最適化し、製品、半製品、原材料の過不足が生じて計画変更業務工数が増大していたため、BOMを整備してマルチサイト・プランニングを活用し、オペレーション業務を標準化して効率化を図る必要がありました。

エクサのSPBOMだけが全ての要件をクリア

LIXIL 様のサプライチェーンの革新を支えるべく刷新された全社共通システム(統合生産システム)は、大きく実績系(ERP)、計画系(MPS)、指示実行系(MES)の3つのレイヤーから構成されています。LIXIL 様はこの3層を横串で貫く統合製造BOM基盤としてエクサのSPBOM、そして計画系の基盤として同じくエクサから提案されたRapidResponse(開発元:カナダKinaxis Corp.)を導入しました。
LIXIL 様は主に住宅用サッシやシステムキッチン、洗面化粧台、玄関ドア、インテリア建材など多岐にわたる商材を取り扱っており、加えてこれらの商材にはサイズやカラーなど無数のバリエーションが発生します。組み合わせの可能性は無限に広がるといっても過言ではなく、事前にすべてのマスターを用意することは不可能。短納期を実現するためには、受注から生産、出荷にいたるプロセスを、受注都度、リアルタイムに実施しなければなりません。
したがって色やサイズ違いなど膨大な特注バリエーションに基づいて入力された受注情報のパラメータから、動的にBOMを生成する必要があります。また、その出力データは、実績系、計画系、指示実行系のすべてのシステムを一貫した“ワンソース-マルチユース”で利用できなくてはなりません。さらに、5社統合による数億件にのぼる商材データと個別最適化されたシステムが持つ多様なデータを移行する必要があり、拡張性と柔軟性の高いデータモデルが不可欠です。「当初はパッケージ製品での対応は無理でスクラッチ開発する以外に手はないだろうと覚悟していたのですが、エクサのSPBOMだけが私たちの要求を満たしてくれました」と玉木氏は強調します。

統合生産システム構築
玉木 秀治氏

情報システム本部
SCシステム統括部
統括部長
玉木 秀治氏

川上 健氏

情報システム本部
SCシステム統括部
生産システム部
生産計画システムG
川上 健氏

小泉 美玖氏

情報システム本部
SCシステム統括部
生産システム部
生産計画システムG
小泉 美玖氏

RapidResponseの圧倒的な処理スピードが選定の決め手に

一方の計画系システム基盤に期待したのは、マルチサイト・プランニングへの対応および高速な処理スピードです。
これまでLIXIL 様では、旧個社がそれぞれ個別最適の考え方でスクラッチ開発した生産システムを運用している環境のもと、拠点別の計画立案・管理を行っていました。ある製品を受注した工場は、そこで必要となる部品に欠品や品薄が発生した段階で別工場に依頼するというバトンタッチ方式のコミュニケーションで調整を行っていたのです。この体制ではどうしてもアクションは緩慢な事後対応となってしまいます。
マルチサイト・プランニングはこれを全体最適化するもので、全社PSI (Production、Sales、Inventory:製販在管理)に基づいて欠品や品薄を一括調整し、事前調整(予見)型の迅速なアクションを実現します。そして、そこでの鍵を握るのが「MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)をいかに高速化できるか」という要件です。市場トレンドや事業環境が激しく変化する中で需要計画(フォーキャスティング)の精度を高めるために、需要~需給計画の短サイクル化が至上命題となっています。
LIXIL 様は、計画系システム基盤の選定にあたって約40万行の実データ(受注伝票明細)をMRP展開し、他社のソリューションとRapidResponseで処理時間の比較計測を実施しました。同社 情報システム本部 SCシステム統括部 生産システム部 生産計画システムグループの川上 健氏は、その結果を次のように語ります。
「比較したソリューションには世界トップクラスのハイエンド・サーバーを手配し、徹底したチューニングを施してもレスポンスに374分を要しました。これに対してRapidResponseはごく普通のサーバーを手配し、まったくチューニングも行わなかったにもかかわらず、レスポンスはわずか7分(50倍高速)という圧倒的な処理スピードを示しました」
「これ以上の性能を発揮するパッケージは他になく、RapidResponseを採用する決め手となりました。また、エクサが安易にカスタマイズせずに、RapidResposeの標準機能を駆使して要件を満たす方法を常に提案してくれたことも大きなポイントになりました」と玉木氏は話します。

計画連携の活用

マルチサイト・プランニング、業務標準化によりベストプラクティスの展開が進む

2017年7月現在、LIXIL 様はSPBOMをすでに国内17工場に展開しており、そのうち9工場についてはRapidResponseも導入済みです。
SPBOMの導入によって、製品を受注する際に、リアルタイムでBOMを生成できるようになり、生産リードタイムが大幅に短縮されました。また、RapidResponseでマルチサイト・プランニングを実現することによって、全社の生産計画の立案、管理に事前調整型の迅速なアクションが可能になり、膨大な製品を確実に「即納」し、欠品による機会損失を削減することができました。
原則としてカスタマイズは行わず、また今後のグローバル展開を見据えて英語の画面もそのまま利用しています。スクラッチ開発された生産システムからの移行ということで、当初は各工場の現場からの不満が噴出することも予想されましたが、「運用が始まり、新システムの使い勝手の良さがわかってくると、拒否反応を示すユーザーはほとんどいなくなりました」と川上氏は話します。

室内の写真

「もともと豊富な機能を備えているパッケージ製品であるため、複雑な業務プロセスにも設定変更で容易に対応できるのです。また、英語の画面も一見すると敷居が高いと感じるかもしれませんが、たとえば『倉移し』や『工場振替』など旧個社ごとに違っていた用語を、英語表記なら統一できるというメリットもあります」
また、社内ヘルプデスクとしてRapidResponseの質問対応や操作マニュアル制作、サポートを担当している同社 情報システム本部 SCシステム統括部 生産システム部 生産計画システムグループの小泉 美玖氏も、「クレームはほとんどなく、『こんな機能はないのか』『この機能はどう使えばいいのか』といった前向きな問い合わせが増えており、新システムが生産現場に確実に浸透していることを感じます」と手応えを示します。

パッケージ製品の強みを活かし時代に即した業務改革を継続的に推進

「私たちIT 部門に求められているのは、ビジネス環境の変化に迅速に追随できる経営基盤を提供することにほかなりません。今回エクサによる提案のもとパッケージに移行したことで、従来のスクラッチ開発では数年を要していたシステム展開のリードタイムを大幅に短縮するとともに、業務を標準化することができました。また、パッケージをノンカスタマイズで使うことでバージョンアップにも容易に対応し、時代に即した機能やサービスを柔軟に取り入れることができます」と玉木氏は話します。LIXIL 様は、現在も統合生産システムのさらなる機能拡張や改善を継続中です。
「夜間バッチの削減・解消も、各工場と協議しつつ検討を進めているテーマの1つです。例えば資材の調達リストなどもリアルタイムで出せるようになれば、各工場はその日のうちに発注することが可能となります。多品種少量生産のさらなるリードタイム短縮に期待が寄せられており、スピード経営に貢献したいと考えています」と川上氏は話します。

3人並んでいる図

また、大きな課題として、国内の残りの工場および海外拠点への統合生産システムの展開も控えています。
「2020年までに世界で最も企業価値が高く、革新的で信頼される住生活テクノロジー企業となる」というビジョンの実現に向けて、L-ONEプロジェクトの集大成を見据えた取り組みが加速しています。

ピックアップ事例

事例・実績 TOP へ

ソリューション・サービスについてのお問い合わせ

Webでのお問い合わせ

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

tel0120-934-863

受付時間: 平日9:00~17:00

※弊社休業日を除く

exa News 配信サービス

エクサの最新情報とセミナー案内

配信登録する