事業の急激な変化やM&Aに迅速かつ低コストで対応するため、グループ横断の統合生産システムを構築
株式会社LIXIL様【導入事例】
膨大な製品の「即納」による顧客満足度向上と欠品による機会損失の削減
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戸建住宅・マンションからオフィス・商業施設などの非住宅向けまで、多岐にわたる建材・設備機器と幅広い住関連サービスを提供するグローバル企業。グループの中核事業会社である株式会社LIXILは、2011年に国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合して誕生。以後、American Standard Brands、GROHE、Permasteelisa Groupといった海外企業の統合により世界的ブランドを傘下に収め、現在、LIXIL Water Technology、LIXIL Housing Technology、LIXIL Building Technology、LIXIL Kitchen Technologyの4つのテクノロジー事業に加え、日本における営業活動を担うLIXILジャパンカンパニーを軸に幅広く事業を推進している。 |
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株式会社LIXIL様(以下、LIXIL様)は、事業の急激な変化やM&Aに迅速対応していける「真のグローバル企業」を目指し、経営統合前の各社が個別最適で構築・運用してきたトータルで数千ものシステム機能群を刷新し、グローバル統一を見据えた標準化の実現を進めています。その一環として実績系(ERP)、計画系(MPS)、指示実行系(MES)を横串で貫いた統合生産システムの構築を推進。その核となる統合製造BOM基盤としてエクサのSPBOM、そして計画系システム基盤としてRapidResponseを導入。SCM(サプライチェーン管理)を革新するベストプラクティスの全社即時展開でスピード経営を加速しています。
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- 課題
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膨大な製品の「即納」による顧客満足度向上と欠品による機会損失の削減
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- ソリューション
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- パラメトリック統合BOMソリューション SPBOM
- 超高速サプライチェーン・プランニング・ソリューション RapidResponse
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- 効果
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- 受注時のリアルタイムBOM生成の実現による生産リードタイム大幅短縮
- 計画連携(マルチサイト・プランニング)実現による事前調整型の迅速なアクションで即納、欠品による機会損失を削減
- パッケージ製品をノンカスタマイズで使うことで、従来のスクラッチ開発では数年を要していたシステム展開のリードタイム大幅短縮と業務標準化を実現するとともに、バージョンアップにも容易に対応して、時代に即した機能やサービスを柔軟に利用可能に
グローバルで標準化された“強い”基幹システムに刷新
2011年4月にトステム株式会社様、株式会社INAX 様、新日軽株式会社様、サンウエーブ工業株式会社様、東洋エクステリア株式会社様の5社が統合し、LIXIL様は誕生しました。これにより取扱商品は、コア事業の建築材料・住宅設備機器事業はもとより、国内外のビル事業、店装建材事業、公共エクステリア事業、性能住宅工法事業、さらには「住」と「生活」を取り巻くサービスまで拡大。真のグローバル企業への飛躍を目指しています。 エクサのSPBOMだけが全ての要件をクリア
LIXIL 様のサプライチェーンの革新を支えるべく刷新された全社共通システム(統合生産システム)は、大きく実績系(ERP)、計画系(MPS)、指示実行系(MES)の3つのレイヤーから構成されています。LIXIL 様はこの3層を横串で貫く統合製造BOM基盤としてエクサのSPBOM、そして計画系の基盤として同じくエクサから提案されたRapidResponse(開発元:カナダKinaxis Corp.)を導入しました。 ![]() |
![]() 情報システム本部 ![]() 情報システム本部 ![]() 情報システム本部 |
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RapidResponseの圧倒的な処理スピードが選定の決め手に
一方の計画系システム基盤に期待したのは、マルチサイト・プランニングへの対応および高速な処理スピードです。
これまでLIXIL 様では、旧個社がそれぞれ個別最適の考え方でスクラッチ開発した生産システムを運用している環境のもと、拠点別の計画立案・管理を行っていました。ある製品を受注した工場は、そこで必要となる部品に欠品や品薄が発生した段階で別工場に依頼するというバトンタッチ方式のコミュニケーションで調整を行っていたのです。この体制ではどうしてもアクションは緩慢な事後対応となってしまいます。
マルチサイト・プランニングはこれを全体最適化するもので、全社PSI (Production、Sales、Inventory:製販在管理)に基づいて欠品や品薄を一括調整し、事前調整(予見)型の迅速なアクションを実現します。そして、そこでの鍵を握るのが「MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)をいかに高速化できるか」という要件です。市場トレンドや事業環境が激しく変化する中で需要計画(フォーキャスティング)の精度を高めるために、需要~需給計画の短サイクル化が至上命題となっています。
LIXIL 様は、計画系システム基盤の選定にあたって約40万行の実データ(受注伝票明細)をMRP展開し、他社のソリューションとRapidResponseで処理時間の比較計測を実施しました。同社 情報システム本部 SCシステム統括部 生産システム部 生産計画システムグループの川上 健氏は、その結果を次のように語ります。
「比較したソリューションには世界トップクラスのハイエンド・サーバーを手配し、徹底したチューニングを施してもレスポンスに374分を要しました。これに対してRapidResponseはごく普通のサーバーを手配し、まったくチューニングも行わなかったにもかかわらず、レスポンスはわずか7分(50倍高速)という圧倒的な処理スピードを示しました」
「これ以上の性能を発揮するパッケージは他になく、RapidResponseを採用する決め手となりました。また、エクサが安易にカスタマイズせずに、RapidResposeの標準機能を駆使して要件を満たす方法を常に提案してくれたことも大きなポイントになりました」と玉木氏は話します。

マルチサイト・プランニング、業務標準化によりベストプラクティスの展開が進む
2017年7月現在、LIXIL 様はSPBOMをすでに国内17工場に展開しており、そのうち9工場についてはRapidResponseも導入済みです。 |
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「もともと豊富な機能を備えているパッケージ製品であるため、複雑な業務プロセスにも設定変更で容易に対応できるのです。また、英語の画面も一見すると敷居が高いと感じるかもしれませんが、たとえば『倉移し』や『工場振替』など旧個社ごとに違っていた用語を、英語表記なら統一できるというメリットもあります」 |
パッケージ製品の強みを活かし時代に即した業務改革を継続的に推進
「私たちIT 部門に求められているのは、ビジネス環境の変化に迅速に追随できる経営基盤を提供することにほかなりません。今回エクサによる提案のもとパッケージに移行したことで、従来のスクラッチ開発では数年を要していたシステム展開のリードタイムを大幅に短縮するとともに、業務を標準化することができました。また、パッケージをノンカスタマイズで使うことでバージョンアップにも容易に対応し、時代に即した機能やサービスを柔軟に取り入れることができます」と玉木氏は話します。LIXIL 様は、現在も統合生産システムのさらなる機能拡張や改善を継続中です。 |
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また、大きな課題として、国内の残りの工場および海外拠点への統合生産システムの展開も控えています。 |
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