株式会社エクサ(本社:神奈川県横浜市、以下 エクサ)は、農業法人 株式会社アグリマインド(本社:山梨県北杜市、代表:藤巻公史氏、以下 アグリマインド)と連携し、生成AIを活用して経営者の「暗黙知」を組織の共有資産に変え、現場の自律的な業務改善を支援する実証プロジェクトを完了したことをお知らせいたします。
本プロジェクトは、単なるシステム導入ではなく、エクサの社員が約3ヶ月にわたりアグリマインドの現場に深く入り込み、開発者が現場の空気感や経営者の哲学を肌で感じながらUX(ユーザー体験)を設計したことで、AIが「現場に溶け込み、実際にビジネスを動かす」という成果を生み出した点が最大の特徴です。
背景:生成AIの「実業務への定着」という共通課題
生成AIの利活用への関心が高まる一方、実際の業務に定着させることは多くの企業にとって共通の課題です。最新ツールを導入するだけでは現場の日常に溶け込まず、本質的な活用に至らないケースが少なくありません。とりわけ、経営者が長年の経験から培った判断基準や経営哲学──いわゆる「暗黙知」──は言語化が難しく、組織が拡大するほど共有の難度が増していきます。
エクサの取り組み:"現場潜入型"で導き出した実効性のあるAI体験設計
エクサが目指したのは、単なるツールの導入ではありません。UXデザインの視点から現場に深く入り込み、「どうすればAIが自然に受け入れられ、業務に定着するか」を設計の起点に据えた、実効性のあるAI活用体験を構築しました。
1. 経営者の知見を組織で共有する「バーチャル代表」の構築
藤巻代表の経営哲学や意思決定の判断基準を生成AIに学習させ、現場からの問いに「代表ならどう考えるか」を回答するAI(通称:デジマキさん)を構築しました。
- 「相談の延長線」にある体験設計:
専用アプリには、次の質問を促すサジェスト機能や、AIの回答を代表にワンタッチで確認できるエスカレーション機能を実装。「代表に相談する」という日常のコミュニケーションの延長線上でAIと対話できる体験を設計しました。
- 立場によって変化するAIの役割:
運用開始後、AIは情報検索を超えた役割を担い始めました。現場スタッフにとっては「判断に迷った時の方針確認」や「多忙でコミュニケーションの機会が限られる代表に、日頃気になっていたことを気兼ねなく尋ねられる相手」に、代表自身にとっては「思考を整理する壁打ち相手」へと進化し、現場が自律的に活用法を見出しています。
2. 現場に寄り添うAIリテラシーの伴走支援
社員向けのAIスキル共有会を毎週開催。農業やバックオフィス業務における活用事例の紹介から始め、各担当者がイメージを持てた段階で個別の相談会へと切り替えました。「やってみたいことはあるが、どう活用すればよいかわからない」という声に二人三脚で伴走し、一人ひとりの業務課題にAIを適用するサポートを行うことで、それぞれの業務に合った活用の形を見つけるところまでを支援しました。その結果、担当者が自発的に業務に必要なAIツールの発案を行うなど、具体的な行動変容が生まれています。
3. 短期間で生み出された具体的なビジネス成果
現場に寄り添う伴走支援の結果、短期間で目に見える成果が確認されました。
- AIとの対話から生まれた新たな販売アプローチ:
直売所の担当者が規格外イチゴの販売方法を「デジマキさん」に相談。壁打ちを通じて「箱売り」のアイデアを導き出し、わずか2日後に実施。翌日には好評につき増産を決定するなど、スピード感のある成果につながりました。
- 経営判断の一次サポートと組織の自律性向上:
離れた拠点の現場責任者が、「デジマキさん」を壁打ち相手として一次判断の精度を高められる環境が整いました。代表の確認を待つことなく現場が自律的に動き出し、意思決定のスピードが向上していくことが期待されます。これは、アグリマインド社が長期ビジョンとして掲げる「再現性のある仕組みづくり」に向けた重要な一歩となります。
関係者コメント
株式会社アグリマインド 代表 藤巻公史氏
「AIは私自身の『代行者』ではなく、思考の抜け漏れを防ぎ、判断の精度を上げるための『壁打ち相手』です。今回『デジマキさん』を導入した本質的な目的は、経営判断の属人性を排除し、誰がやっても同じ結果が出る『再現性のある構造』を作ることでした。結果として、現場が私の判断を待つことなく、自律的に動き出す状況に一歩近づいたことに、大きな価値を見出しています。個人の頑張りではなく、構造で戦うこれからの農業において、重要な武器を手に入れた手応えを感じています。」
株式会社エクサ プロジェクト担当 小岩彩友美
「現場の知恵を最大限に活かし、AIが皆さまの力を引き出す道具として日常業務に溶け込むことを、何より大切にしてまいりました。単なる技術の導入ではなく、『人がどう感じ、どう使いたくなるか』という体験設計に注力したことで、アグリマインドの皆さまと一緒に新しい価値を形にできたことを心より嬉しく思います。」
今後の展望:顧客の共創パートナーへの進化
エクサは、本プロジェクトで得られた「経営者の暗黙知をAIで形式知化し、組織の共有資産に変えるアプローチ」や「現場定着型のUI/UX設計」のノウハウを、農業に限らず、金融業や製造業など幅広い業界へ展開してまいります。
また、今回のプロジェクトは、株式会社エンファクトリー(本社:東京都渋谷区、以下エンファクトリー)が提供する越境型研修プログラム「複業留学」※を活用した取り組みです。このような外部環境での越境学習を積極的に取り入れ、社員が顧客の現場に深く共感し、自律的に価値を創造できる共創パートナーとしての体制を強化してまいります。
■ エクサのDX推進支援サービスについて
詳細はこちら:https://www.exa-corp.co.jp/solutions/dx-promotion/
※複業留学:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
エンファクトリーが提供する、大手企業の社員が本業を継続しながらベンチャー企業等で実務に携わることで、自律的な課題解決力や起業家精神を養う人材育成プログラムです。
エクサでは、従来の社内研修の枠組みを超え、エンファクトリーの「複業留学」のような外部環境での越境学習を取り入れ、単なるスキル習得ではなく、社員が自身の情熱や想いを解放し、自律的に価値を創造できる環境を重視しています。社員一人ひとりの「好きの力」や「専門性」を組織の力へと変換する新しい人材育成の枠組みを通じて、エクサはお客様と一緒に新しい価値を創造できる会社へと、歩みを止めることなく進化し続けます。
■ 株式会社エクサの概要
株式会社エクサは、JFEスチールを母体とし、キンドリルジャパンを親会社に持つITサービス会社です。先進技術を活用したDXを推進し、「共創型サービスインテグレーター」として上流のコンサルティングから開発・構築、運用・保守までの各種サービスを総合的に提供しています。
ホームページURL:https://www.exa-corp.co.jp/
本件に関するお問い合わせ先
株式会社エクサ お問い合わせフォーム
https://www.exa-corp.co.jp/contact/
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