ニューノーマル時代の「共創」の価値

安藤 幸央

[Yukio Andoh]

ITプロフェッショナル

ユーザーエクスペリエンス

EXcited About The Future

昨年、社内でデザインスプリントを実施した時の様子

新型コロナウイルスの蔓延で、生活や働き方が大きく変わりました。
私たちのようなIT企業は恵まれている方で、仕事環境や仕事の内容もリモートワークに向いていることは確かです。
世の中では今まで遅々として進まなかったデジタル化やネット対応、仕組みの改善が急激に進みつつあります。そうは言いつつも様々な業種で様々な試行錯誤が続いているのが現状です。

それらの変革、試行錯誤をスムーズに進めるため、現在エクサでは、共創ワークショップ、デザイン思考ワークショップ、デザインスプリントを活用したお客様支援に力を入れています。

お客様と「共」に的確なシステムを「創る」

「共創」を重視する理由として次のような背景があります。

  • 「こういうシステムを作って欲しい」というお客様の要件定義を待っている時代ではなくなった
  • 複雑で変化が早い世の中のため、過去の経験や知見が生かしきれない
  • 業務のことはお客様自身が一番詳しく、理解している
  • 多様な人材、経験、事例を集めることで、複数の切り口での解決策が導き出せる
  • システムの押し付けではなく、現場の人々の納得感のある施策、ツールが導入できる


こういった背景をふまえ、お客様と「共」に的確なシステムを「創る」のが現在主流となりつつある流れです。

オンラインの活用は継続、多種多様な事柄に発展へ

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が続き、社内外を問わず何かを検討したり相談したりする場がリモート(オンライン)に移りつつあります。
テレビ会議のツール、オンラインホワイトボードのツールなどを駆使して実施しますが、対面の会議や、会議室にあるホワイトボードとは同じようには使えません。リモート(オンライン)での実施はメリットもあればデメリットもあり、大規模ワークショップから、小規模ワークショップまで、ノウハウが貯まりつつあります。メリットを活かしつつ、さまざまな工夫をしながら乗り切っているのが現状です。今後、新型コロナウイルスのワクチンが開発され、状況が落ち着いた後は少しずつもとの社会に戻るのかもしれませんが、リモート(オンライン)の活用は継続することが考えられます。

リモートで実施するディスカッション、ワークショップ、ミーティングでは次のような多種多様な事柄に役立てられています。
参加いただくお客様の業種も多種多様で、かならずしもIT企業だけではなく、製造業、卸売業、小さな企業から、大企業まで、あるお客様では数千万円以上の規模のシステム開発は的確なものを作るため、デザインスプリントワークショップ無しでは行わないとまで経営判断した企業もあります。

大人数でのオンラインワークショップ実施
なかなか皆が集まることができないなか、大人数での情報共有、小さなグループに分かれての検討を実施しオンラインでもうまくやればスムーズに仕事できることが実感できた

チームビルディングのためのオンラインワークショップ
新人や、新しいプロジェクトメンバーを引き入れ、オンラインでチームの結束を強める施策が実施できた

少人数での本気の長時間ワークショップ
従来であれば数日間缶詰で実施していたような検討事項を、全てオンラインで実施。成果物や検討中の情報など、全てをオンラインで実施する流れでビジネスを止めないという確信を得た

モノづくりの解像度を上げるためのワークショップ
オンラインではどうしてもコミュニケーションの頻度が減り、情報量も減ってしまうなか、意識的にコミュニケーションを促進し、モノづくりの細かいところまで配慮できるようにルール作りができた

IT企業だけではなく製造業、卸売業、食品業など、現実の業務
全てがオンラインにできない業務の中、作業工程や仕事のやり方を見直し、工夫しながらさまざまな業務を自動化、効率化するための工夫、施策を進めることができている

リモートのメリットを徹底的に活かす!

今後はリモート(オンライン)で働かざるを得ない環境を歓迎し、デメリットは少しでも減らし、うまく乗り切り、メリットはどんどん活かして強化していくことが考えられます。オンラインでのミーティング、オンラインでのワークショップで工夫しているのは次のような事柄です。
  • できるだけネットワークやマイクやカメラなどの機材環境を整えて参加できるよう気を配る
  • オンラインツール上で、枠組みや見本、リハーサルなど十分な準備をしておく
  • ビデオ会議、オンラインホワイトボードなどのツールを「練習」する時間をつくる
  • ビデオ会議で顔を出してコミュニケーションすることで細かなニュアンスがある程度伝わる。
    ただし、皆それぞれの事情があるので、顔を出すことを強要はしない
  • 同意のうなずきや、否定の首振りなど、いつも以上に大げさに手振り身振りを加える
  • オンラインでは対面で実施する以上に時間がかかるので、余裕を持っておく。たいてい対面の1.5倍程度時間がかかる
  • オンラインでは対面で実施する以上に疲れるので、疲れる前に休憩する。
    休憩する際は区切りがついたところで休むのではなく、作業途中で休むと次に再開しやすい
  • 仕事や案件にまつわる「雑談」をする時間を作り、なにげない話しから細かい意図や考えなどを共有する
  • 発言タイミングを逃さないよう、毎回同じ順番で順繰りに全員発言するとよい。
    または発言があることを示す紙やハンドサインを用意しておく
  • ビデオ通話に頼りすぎず、文字やチャット、オンラインホワイトボードで書き残す

日本で数人「デザインスプリントマスター」として

米国Googleから認可頂いたデザインスプリントマスターの資格

私自身が、このような共創ワークショップ、デザイン思考ワークショップ、デザインスプリントに力を入れる一つのきっかけは、2015年に米国グーグルが承認するデザインスプリントマスターの資格をとったことにあります。
デザインスプリントとは「デザイン思考」を起源とするワークショップの手法で、短い時間でアイデアを発案し試作し検討するものです。
現在世界に約60人、日本では3人しかもっていない貴重な資格です。
その資格を獲得するために学んだ経験や知見は、現在の仕事にとても役立っており、今後はリモートでの実施、活用に加えて、いままでそのようなワークショップを実施してこなかったような企業へのデザインスプリントの浸透と展開、良さを知ってもらうことに注力していければと考えています。
また、デザインスプリントの実施が私一人に依存するのではなく、ワークショップの進行キットや、進行役の育成といった周りに広げていく活動、ノウハウを伝授していく活動も強化していく予定です。

ワークライフバランスの実践とポジティブシンキング

プライベートでは、現在保育園に通う娘に翻弄されており、仕事と家庭とのバランスをうまく取りつつ時間をやりくりしています。その中でここ数年心がけているのは次のような事柄です。

  • ポジティブでいること、できるだけ機嫌よくいること
  • 過集中しないように適度に休み、パフォーマンスを保ち続けること(年をとると、疲れてから休むと、回復が遅いのです....)
  • 小さな達成感を積み重ねること
  • 家でも仕事でも愚痴らないこと(愚痴を言うと脳科学的には自分が悪口を言われているのと同じだそう)
  • 仕事で何かあったとき、家庭で何かがあったときは、迷わず家庭を優先する (仕事はエクサの他の社員が助けてくれますが、家庭は自分こそが重要です)
  • 悲観的に様々な事柄を注意深く予想しつつ、それらを楽観的に実行する
  • 様々なことに興味を持つ一方、興味のない事柄は全く気にしない。時間を使わない


ここ数ヶ月で世の中が大きく変わってしまいましたが、私たちが属する業界や、子供たちへよりよい環境、よりよい社会が残せるよう力を尽くしたいと日々考えて、行動につなげている毎日です。

有名なCG画像の中に入っている様子

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