導入背景・目的
JAMSTEC様は、「海洋・地球・⽣命の統合的理解への挑戦」を長期ビジョンとして、
- 地球環境変動の理解、予測
- 地震・津波のメカニズム研究及び防災研究
- 生命の進化の研究
- 海洋資源の研究
を行う研究機関です。
今回システムを導入した地球深部探査船「ちきゅう」は、大水深での大深度掘削を可能とする世界初のライザー式科学掘削船で、国際深海科学掘削計画(IODP)の主力船として活躍しています。
「ちきゅう」の作業海域で懸念されるリスクの一つに、流路の変動する強い海流があります。海流の変動に対応し、安全で効率的な作業を遂行するため、本船の他、周辺に配した支援船でも海流観測を行っています。
従来、支援船から海流観測データは船舶電話や電子メールで「ちきゅう」に送られていましたが、
- 送られてきたデータの処理(データベース化や可視化)は、本来業務を抱える「ちきゅう」船上スタッフが行うには限界がある、
- 陸上スタッフが各種ソフトウェアを用いて処理しても、手作業である上、24時間リアルタイムでの対応は困難、
といった課題を抱えており、その解決が望まれていました。
システムのポイント
「ちきゅう」には、安全な運航・操業を支える数多くの支援機器が搭載されています。
今回JAMSTEC様は、それらの機器から出力される位置、時間、海流情報、及び「ちきゅう」の周りを運航する支援船から送信される情報をリアルタイムで収集するとともに、各機関から提供されている海象データ等も取得、自動的にデータベースを作成、船内の各所からPC上で確認・可視化(グラフィック表示等)ができる「海流観測データ処理システム」を導入されました。
導入効果
本システム導入後の効果として、
- 船上および陸上スタッフの情報処理・伝達業務の負荷軽減
- 効率的かつリアルタイムでの流況確認可
- 的確な作業判断の支援
- データ蓄積と利用の効率化
といった点が挙げられます。
また、エクサへの評価として、
- タイトな航海スケジュールに沿った、短納期での設計・開発・導入
- 既存システム活用・拡張による投資対効果の最大化
を挙げていただきました。
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本事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。
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