グローバルで散在する開発情報を迅速に検索!
製品開発のスピードを上げた情報共有基盤とは

株式会社 本田技術研究所様【インタビュー】

グローバルな開発情報の共有を実現

Hondaの汎用製品は、発電機やポンプ、耕うん機、除雪機、船外機、家庭用小型コージェネレーションユニット、汎用エンジンなど、幅が広く、中でも発電機と除雪機の分野は国内トップクラスを誇っています。それらを研究開発している本田技術研究所 汎用R&Dセンター様では、グローバルで研究開発の関連データが散在し、情報共有に課題がありました。そこで、簡単に検索して情報を利用できる情報検索ソリューション「EXALEAD*」を導入し、情報共有基盤を構築。今回、その経緯や効果について、汎用R&Dセンター 第1開発室 CISブロック マネージャー 主任研究員の小川 剛様と同研究員の池田 貴志様のお二人にお話を伺いました。

株式会社 本田技術研究所 汎用R&Dセンター 第一開発室 CISブロック マネージャー 主任研究員 小川 剛様

汎用R&Dセンターでは具体的にどんな課題があったのでしょうか?

【小川 様】
現在、グローバルな研究開発拠点は日本、アメリカ、ブラジル、ドイツ、中国、タイ、インドと7拠点にあります。
基本的な研究開発は日本が中心に行っており、多くの情報は日本で集中管理しています。しかし、関連する資料や情報は設計データベースやファイルサーバー、グループウェア、個人のパソコンなど、別々に管理され、且つ散在しています。そのため、簡単に情報を検索することやグローバルでの情報共有ができておらず、海外拠点で派生し現地に特化した機能に関する情報を日本から検索することも難しい状況でした。
さらに、OEM先にエンジンを提供しているため、要望に応じて類似した製品が増えていき、また、製品寿命が長いため、関連する情報が多岐にわたっており、複雑化しています。こうした汎用製品のビジネス特性も情報検索の難しさに拍車をかけていました。

【池田 様】
日本でも、ベテランの様にどこに情報があるのか分かっている人は簡単に探せますが、若手や海外のスタッフは必要な情報がどこにあるのかわからず、すぐに探すことができません。そのため、簡単に情報を得ることができる仕組みが必要でした。

株式会社 本田技術研究所 汎用R&Dセンター 第一開発室 CISブロック 研究員 池田 貴志様

ダッソー社が提供する情報検索ソリューション、EXALEADを選択した理由はどんなところにあったのでしょうか?

【小川 様】
一番の理由は使い勝手の良さです。プログラムを開発することなく、検索の仕組みが構築でき、検索対象となるデータベースの追加も簡単にできます。他のソリューションも検討しましたが、データベースを追加するのにソースコードを改定する必要があるなど、使い勝手が悪かったですね。

【池田 様】
予算とできることのバランスが良いと感じたので、画面を試作してもらって検討しました。使っているCADシステムであるCATIA*とのデータの連携がしやすいこともポイントでした。

【小川 様】
当時は、まだ製造業での導入実績はなかったのですが、柔軟に対応できそうなソリューションだったので導入を決定したのです。

導入はどんなステップで進められたのでしょうか。また、工夫した点や苦労した点についてもお教えください。

【池田 様】
導入プロジェクトは2012年の夏頃から始まりました。翌年の2013年7月に、第1段階として部品情報と仕様情報の検索ができるものをリリースし、2014年2月には関連ドキュメントの基本的な検索や類似した製品の情報を探し出せる仕組みをリリースしました。さらに、2014年11月にはドキュメントの検索機能を強化して、導入以来、段階的に進化させてきました。

【小川 様】
問題は、すでに多くのデータ管理の仕組みがある中で、さまざまなデータをどのように抽出、表示させるかということでした。例えば、図面情報や部品情報、仕様情報といったデータベースと、グループウェアであるIBM NotesとMicrosoft SharePoint、さらにエクセルシートなど関連したドキュメント情報を、どう組み合わせれば良いのかが難しいところでした。

【池田 様】
どう組み合わせて見せていくのかというところでは、やはり特別なノウハウが必要になります。そこで、こうした検索システムの構築経験が豊富なエクサさんに、この段階からプロジェクトに参加してもらい、メインで開発をお願いしました。 情報共有基盤を構築するために作成したプログラム自体はそれほど多くありませんが、大事なのはツールをどう使いこなすかという部分です。データベースからデータの抽出や表示の仕方、パフォーマンスが出るインデックスの作り方、チューニングの仕方など、分からないところがたくさんありましたが、エクサさんに加わってもらうことで、解決できました。

情報共有基盤を構築したことでどんな効果がありましたか?

【小川 様】
最初のバージョンを公開してから1年以上が経ちますが、機能も強化されて利用頻度は高まっています。特に、製品情報や部品情報がよく検索されています。設計者が製品開発に関する情報を素早く検索できるようになりました。

【池田 様】
今まで必要なデータを探すには、1つ1つ見ていかなければなりませんでした。現在は複数のデータベースを横断して検索できるようになって、情報を探す時間が大幅に短縮されました。仕様検討の精度や生産性の向上に貢献できていると思います。

エクサの仕事をどう評価していますか?

【小川 様】
なんといっても親身になって取り組んでくれたことを高く評価しています。一緒になって原因を調査し、問題を解決していただき大変助かりました。

【池田 様】
エクサさんは検索システムの構築経験が豊富で、多くのノウハウを持っていたので、大変助かりました。手法とかやり方を分かっているので、私たちの要望や難しいニーズをくみ取って、「こういうやり方なら実現できます」といって、モックアップや画面といった形で具体的に解決策を見せてくれたのが良かったです。無理な要望に対しても、できないという回答ではなく、やりくりしたうえで、これならできそうだという提案をタイムリーにしてくれる姿勢が、ありがたかったですね。

今後はどんな展開を考えられているのでしょうか?

【小川 様】
今後はポータルサイトのひとつとして、製品開発にまつわるすべての情報を、情報共有基盤から検索できるように対象や組み合わせを広げていきたいですね。さらに英語化を進めて、よりグローバルで利用できるようにしていきます。情報共有基盤を当センターの“技術系ポータルサイト”として位置づけて、基本となる骨格として育てていきます。エクサさんには、今後もお手伝いしていただける機会があるとありがたいです。

【池田 様】
ポータルサイトとして必要な情報はまだまだあります。これからも検索対象の追加や機能向上を行い、更に仕様検討の精度や生産性を向上させ、より現場に役立つシステムに進化させていきます。エクサさんには、機会があれば持っているノウハウをご提供いただき、これまで以上に支援してくれることをお願いします。

*CATIA、SOLIDWORKS、ENOVIA、DELMIA、SIMULIA、GEOVIA、EXALEAD、3D VIA、3DSWYM、BIOVIA およびNETVIBESはアメリカ合衆国、またはその他の国における、ダッソー・システムズまたはその子会社の登録商標または商標です。
ここに記載されている会社名・商品名は各社の登録商標または商標です。

本事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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