Webシステム基盤のアーキテクトとして~数多くの経験が財産

谷 文秀

Fumihide Tani

ITプロフェッショナル
Webシステム基盤

数多くの経験が財産

わたしはWebシステム基盤を専門分野とするITプロフェッショナルです。関数電卓に始まり、ミニコン、PC、オフコン、UNIXワークステーション、UNIXサーバ、IAサーバ、仮想環境、クラウドと、多くを黎明期から経験することができたこと、数多くのOS、そして、FORTRANやALGOL/LISP/Pascal/BASIC/アセンブラなどのコンピュータ言語、Unify/Informix/Oracle/DB2といったデータベース、その他JavaアプリケーションサーバなどのミドルウェアもOSSを含めて、数多くのことを経験してきたことが自分の財産です。

自分はホストコンピュータではなくミニコン育ち。学生時代は計算機科学を専攻し、PDP11やHITAC10などを使いまくっていました。IPLをスイッチで打ち込み、紙テープでFORTRANをロードするなど、立上げに45分もかかっていたHITAC10が懐かしいです。当時、MZ-80という自作キットのPCを買ったのですが、本体とプリンタで40万円越えは学生の身分にしては大冒険でした。
大学卒業後はベンチャー企業に就職し、当時最先端を行っていた米国製のMC68000搭載シングルボードコンピュータとリアルタイムUNIXを使ったスーパーミニコンの製造・サポートが最初の仕事でした。
米国のメーカーとのやり取りは、商社にあったテレックスを使って、短縮形の英語でPLS HLP.のような電文を打つことでやっていました。

エクサの関係会社である(株)ブリッジの前身の会社に転職してからの10数年は、各種OSの日本語化やUNIXワークステーションやWindows用パッケージソフトの開発・販売がメインの仕事でした。
エクサに転籍してからは、Javaのバージョンがまだ1.1のころにJavaアプリケーションサーバの先駆者であった米国のベンチャー企業と契約を結び、日本国内での販売・サポートを担当。Javaの普及に貢献したと当時の日本サン・マイクロシステムズから表彰されたこともありました。
2000年代に入ってからの20年は、パッケージソフトの仕事から離れ、Javaを使ったオープン系のWebシステム開発を専門とし、そのシステム基盤・アプリ基盤の設計・構築がメインの仕事となりました。

現在は30年前の技術を読み解くアーキテクト

わたしのキャリアの最初の15年間は各種OSの日本語化やワープロ開発の技術リーダー、そしてパッケージソフトの企画・販売・サポートの統括が主な役割でした。そして、キャリアの後半20年間は様々な業種のお客様へのシステム提案とシステム開発がメインで、Webシステムのネットワーク基盤、プラットフォーム基盤、アプリ基盤のアーキテクトとして仕事をしています。
また、所属組織としては、意思疎通がうまく行かないことの多い基盤部隊とアプリ部隊をうまく繋ぐことをミッションとして活動してきました。
現在は、30年ぐらい前に作られたホストコンピュータのシステムをオープン化する大規模プロジェクトで、ToBeの方式や基盤構成を策定する仕事をしています。
ハードルは高いのですが、現行ホストシステムの仕組みやアプリの実装・実行方式、運用を理解した上で、オープン化後のシステムアーキを策定するのが自分のミッションです。

今でもホストコンピュータを学ぶ

これまでもホストコンピュータとオープン系を連携する仕組みはいくつか作ってきたので、ホストコンピュータに関する知識も多少は持っていました。しかし、5年前にホストコンピュータを使ったシステムをオープン化する大規模プロジェクトに参画することになると、生半可な知識ではついていけないことに気づき、特にこの1年はホストコンピュータの仕組み、アプリの実装、運用のしかたを徹底的に学び直しました。(まだまだ勉強途上ですが)
いまさらレガシーの技術を、という人もいるかもしれませんが、ホストコンピュータから学んだこと、気付いたことは数知れず。今後のオープン系システムのアーキ策定に役立つことは間違いないと思っています。30年ぐらい前の技術に直に触れ、当時の最先端の技術を学び取ることで良い経験をさせてもらっていることに大変感謝しています。
また、この1年は、このプロジェクトで一緒に仕事をしているエクサのSE(アプリ基盤の実装に長けたSE)を、ホストのプログラム実装を理解しオープン化のToBeを考えるアーキテクトの世界に引きずり込んでしまったことが最大のトピックスだと思っています。
ホストの知識や経験がないSEが大半で、そんな仕事ができるのか、チャレンジ過ぎるだろう、ついて来てくれるのかと、ずっと心配に思っていましたが、予想を超えてがんばってくれて、成果を出してくれたくれたことを大変うれしく思っています。

アーキテクトに求められるシンプルで合理的なモノづくりの考え方はUNIXから学んだ

UNIXは50年以上前にGEのMulticsという巨大かつ複雑なタイムシェアリングシステム開発の反省から生まれたシステムです。自分が大学を卒業して入社したベンチャーでの仕事の1つは、ミニコンの納入先であった国内のコンピュータメーカーに対するUNIXやC言語の布教活動でした。
その後、UNIX System Vの日本語化の仕事をしていた時に、たまたま来日していたAT&Tベル研究所のカーニハン博士に会う機会があったことが人生の転換期となり、自分はUNIXの信者だと思い、UNIXを哲学として、今でも「Simple is Best.」を信念に仕事をしています。
アーキテクトに求められるシンプルで合理的なモノづくりの考え方はUNIXから学んだといっても過言でありません。

自分はお客様の要望に対して、「できない」「わからない」「経験が無い」は一度も言ったことがありません。
プロジェクトにおいて、新しい技術に対するチャレンジは常に必要だと考えています。インターネットの普及によりネットで簡単に事例を検索できるので、他ですでに使われている技術なら自分たちでも使えるはず、自分たちが出遅れているだけ、といつも前向きにチャレンジしてきました。
また、いろいろな業種のお客様と接してきた中で心がけてきたのは、とにかく早く、お客様の業務内容を理解し、業種固有の単語を理解することでした。これができないと、お客様の要望を汲み取ることもできないし、会話自体が噛み合いません。これはネットの情報などをもとに勉強するしかありません。いちいちお客様に質問していてはあまりにも時間が足りませんし、お客様の負担を増すだけです。そして、常にお客様ファーストで要望を理解し、ソリューションを考え、多くの提案をし、説明責任を果たし、お客様からの信頼を得ることが重要だということです。
若い頃に、担当していたシステムの本番切り換えが想定外の出来事でうまく行かず、お客様からめちゃくちゃ怒られて言い争いになったことがありました。今となって思えば、自分の経験不足、知識不足、そして若気の至りだったのですが、この出来事が自分の考え方を変えたと思っています。我々の仕事は想定外の出来事を無くすことです。

新しい感性でITを創造する

コロナ渦でデジタル化の立ち遅れが問題になりました。なぜリモートワークができないのか、なぜ感染者数をスムーズに把握できないのか、等々。これだけ技術に長けた日本でありながら、何十年も技術革新が進んでいない領域が明白になったのです。
各種書類への捺印を不要とする動きは国を含めて加速していますが、ファックスは業種を問わず広く普及しており、その裏にある書式文化を含めどう変えていくのかという難題もあり、根が深そうです。
ITの展望という観点では、ITの将来はシニアではなく若者たちに託し、彼らの感性で新しいITを創造してもらいたいと思っています。
ITの仕事を30年以上やってきて思うのは、システムを何度作り直しても、システムがやっていることは何も変わっていないじゃないかということです。「データベースの構造が変わらないから何も変わらないのは当たり前」という常識を覆してくれる若者のアイデアと感性に期待しています。
一方で、高齢化がどんどん進みます。これからの高齢者はこれまでと違いITに親しみのある世代が増えてきます。「高齢者が欲しがるITサービス」というような新しいジャンルかもしれません。これは若者たちにはわかりづらいジャンルです。シニア世代のIT技術者が中心になって考えないと、本当に喜ばれるものは作れないのではと考えます。
長年にわたり非常に多くの経験をさせてくれた会社や周りの方々に感謝しています。そして温故知新。現役のうちにできるだけ多くのことをこのIT業界で働く若者たちに残したいと思っています。

プライベート紹介

趣味はスポーツ観戦とオペラ鑑賞。ゴルフは自分ではプレーをしませんが、最近は女子ゴルフで好きになった選手がいるので、大会の中継を見るのにはまっています。オペラはCDやDVDをかなりの枚数を所有していますが、国内で開催される引っ越し公演のオペラでは物足りず、本物を生で鑑賞しなければと、数年に1度はニューヨークやイタリアまで観に行っています。コロナが収まったらすぐにでも行きたいです。

ニューヨークメトロポリタン歌劇場にて

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