INTERVIEW
#03
チームで成し遂げる、
という喜び
栁澤冬美
Yanagisawa Fuyumi
基盤システム本部
サービス基盤技術部
2014年入社
能力にあふれたリーダーが、力強く全体を引っ張って的確な指示を出せば、メンバーたちはそれぞれに割り振られた業務を粛々とこなしていく。
チームやプロジェクトという言葉に対して、多くの人はそんなイメージを抱いているかもしれない。もしそうなら、現実とはかなり異なっているといえる。
さまざまな立場と考え方を持った人々が、状況と目標とを共有しようとしながら、それぞれ判断と選択を行い、道なき道を前に進んでいく。正解のない軌跡だからこそ、新しい価値を生み出すことができる。
そんなダイナミックな現場での毎日を、栁澤は楽しんでいる。
皆で議論をしながら、力を合わせる
大学時代には塾講師のアルバイトをしていて、一人の生徒の学力を上げるために、各教科の担当者が集まって、議論を重ねながらチームで学習指導をしていました。この体験がとても面白くて、周囲と意見を出し合いながら仕事ができるような環境で働きたいと思うようになりました。
就職活動を始めてみると、チームで仕事を進めるという職種が案外少ないことに気がつきました。就職イベントで偶然参加したIT企業のブースでシステム開発の仕事を知って、こういう仕事なら、皆で協力しながら進められるのではないかと感じ、ITの世界に飛び込んでみたいと思いました。
文系で、コンピュータに興味がある訳でもなかったのですが、なんとかなるだろう、と軽い気持ちだったと思います。
入社から今までのことを思い返してみると、周囲に助けられながら、いいチームとは何だろうか、どうあるべきかを考えてきたように感じます。
人を相手にする仕事
新人研修後に基盤システムの部署に配属されて、製鉄所に関連したサーバ構築と運用のプロジェクトに携わることになりました。
システムの世界は、少し大雑把にいうと、人が利用する機能を提供する「アプリ」と、その機能を実現するために必要な土台の役割をするサーバやクラウドといった「基盤」から成り立っていると言えます。エクサも、その両方の分野で活動しています。
それぞれは必ず必要な技術ですが、互いに別々のスキルで、仕事の進め方、考え方という意味でも異なった文化を持っているといっていいでしょう。だからこそコミュニケーションが重要になります。
システムエンジニアの仕事はキーボードをカチャカチャと叩くこと、というイメージでしたが、私が現場で体験したことは、お客様や、アプリチームと基盤チーム、協力会社の人々といった多方面にわたる人たちと話をして調整するという業務が多くを占めていました。
現場での困惑
私は基盤チームの立場から、周囲の人々との意識合わせや確認を行う必要があったのですが、経験が浅いこともあって、見通しの甘さから見落としや確認漏れが発生してしまい、周囲に迷惑をかけてしまうことが多くありました。
それでも3年ほど経った時にはそれなりに蓄積もでき、少しずつ仕事に自信を持てるようになりました。4年目に先輩の勧めで、データを貯めて呼び出すための「ストレージ」についての技術を深める機会に恵まれて、技術的にも自信を深めることができました。
今思えば、サーバ開発や運用の現場で多くの人と接することで、システムの全体像を感じることができたことが次のステップにつながったのだと思います。
交渉のコツ
チームについて考える最初の転機になったのは、入社5年目に大きな規模のシステム開発で、基盤チームの窓口になったことでした。
お客様やアプリチームからの要望をどんどん聞いてしまったり、逆に断らざるを得なくなったりと、新人時代にも増して混乱してしまったと思います。
なぜうまくできないのか悩んでいた時に「交渉術」に関する書籍を読みました。交渉する相手にはそれぞれ組織の事情や立場があって、相手の背景にあるものを感じながら物事を進めなければいけないという、基本的なことを気づかせてくれました。
相手と何か交渉しようとすれば、相手は上司に報告し、その判断を仰がなければならない。報告しやすいような材料を提示すべきだ、という考え方です。
ひょっとしたら、自分は相手のことをきちんと考えていなかったのかもしれない。配慮しなければならないことを怠ってしまったのかもしれない、と考えるようになりました。
ただ、その時はまだ、自分たち基盤チームの事情や意見を通すためにはどのような方法で相手に理解して貰えばいいのか、という視点だったように感じます。
実現するためにはどうしたらいいか
2019年からはストレージの開発運用と並行して、多くのサーバ開発のプロジェクトに関わることになりました。メンバーとしてではなくプロジェクトをマネジメントする立場で、10人ほどのメンバーのリーダーになりました。
このリーダー体験の中で、私の中に新しいチーム像が形づくられることになります。
お客様や他のチームからの要望を聞いた時、業務としてそれが可能かどうか、ということだけではなくて、その要望にはそれぞれの立場で実現したいことが必ずあるはずだ、それを実現するためにはどうしたらいいか、という発想を持つようになりました。
それは、うまく交渉する、という視点とは異なったものだったと思います。
いいチームとは何か
システム開発のプロジェクト現場では、解決すべき課題はプロジェクトごとに多様です。参加している人々のスキルも多様ですし、意欲や関わり方もさまざまです。悩みやつまづき、喜びも人それぞれ。一つの指示書に従って皆が黙々と作業をすれば完成する、というイメージとは違って、日々、未経験の新しい問題が現れて、知恵を集めて解決しながら進まなければなりません。
状況が悪くなって、メンバーの意欲が下がってしまうと、皆がどうしていいかわからなくなって、チームとして機能しなくなってしまうこともあります。
いいチームであり続けるためには何が必要なのかを、プロジェクトの中で考える日々が続きました。
目標を共有することでチームがつくられる
そんななかで、学生時代のアルバイトでチームでの仕事が楽しいと感じたのは、皆があらかじめ目標を共有できていたからではないかと気がつきました。
チームのリーダーが行うべきことは、周囲の人々と目標を共有することではないか。
そのためには互いに共感できるような心の回路を作ることが必要なのではないか。
一人ひとりの心にできるだけ寄り添って、孤立しないようにサポートすることが自分の仕事ではないか。そんなふうに考えました。
周囲と目標を共有する、ということは簡単なことではありません。多様な立場の人たちと信頼関係を作ることが必要ですし、周囲の人々に目標やそれに至るステップを提示して、サポートを行うことが求められます。
経験の蓄積や表現力、人間力を試されるような高度なスキルだと感じます。
ここから始まる
いいチームとは、関係する多くの人々が充実感を持って仕事に向き合える場所だと感じています。
エクサの優れた先輩たちは、いつも前向きで、相談しやすく、論理的に説明してくれて、私の背中を押してくれました。
私は今、周囲の人々が成長しながら目標に向かって動いてもらえるような環境をつくっていくことが自分の役割なのだと考えています。
私にはない専門性や個性が、存分に生きる場所をつくることで、チームで成し遂げられることを広げていく。
そんな仕事のスタートラインに立っているような気がしています。
ONE DAY SCHEDULE
- 9:00
- 出勤(在宅勤務) メール・チャットのチェック、当日の作業の確認。
- 9:30
- 朝会 室ミーティングにて、他のメンバーの出勤状況や本日の作業を確認。
- 10:00
- 運用作業 2人体制で作業をするルールとなっているため、Web会議で画面共有をしながら作業を実施。
- 11:00
- 会議資料作成
- 12:00
- 昼休憩 昼食・仮眠等。
- 13:00
- 事務処理 メール確認、作業調整、見積など。
- 14:00
- 運用定例会議
- 16:00
- 運用作業
- 16:30
- 作業手順確認 来週の作業内容を確認します。
- 17:30
- 退勤 毎週金曜日はノー残デーなので、DVDで映画を観るなどして、家でのんびり過ごしています。
PRIVATE
プライベートにおける自分らしい瞬間
「ソロ活」をしている時ですかね。自分のやってみたいことに挑戦したり、行ってみたいところに行ったりと、やりたいことができている時が、「自分らしい瞬間」かなと思います。目の前のことに集中して自分の気持ちと向き合えますし、好きなことを好きなだけできるので、良い気分転換にもなっています。そのあとで、良かった観光地や美味しかったお店、感動した映画や舞台について、友人と情報交換したり、後日一緒に行ったりするのも楽しいです。
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