先進事例から学ぶデジタルマーケティング

2019.07.26  株式会社エクサ

昨今、様々な方法でマーケティング活動が盛んに行われている時代ではありますが、「デジタルマーケティング」と言うと「消費財やインターネットサービス、IT企業が得意としている販売促進の手段」という固定概念を持っている方が多いと思います。

特に製造業などの企業においては、「デジタルマーケティングとの相性が悪い」というイメージが根強く、「マーケティング」を「市場調査」や「認知度向上」「ブランディング活動」と位置づけ、販売とは切り離して考えていることが多いように感じます。

客観的に見て、製造業ではデジタルマーケティングを徹底している企業はまだ少数です。特にBtoB系ビジネスとなると取引の大半が対面営業での大口契約中心となり、デジタルマーケティングの出番はないと感じている方が多いのではないでしょうか。

しかし、デジタルマーケティング活用の流れは、業種や業態を問わず確実に拡大しています。特に独自の手法や考えを盛り込み、自社にマッチした方法を取り入れることで、高い成果をあげている事例も見られます。

そこで本稿では、製造業を中心にデジタルマーケティングの先進事例をご紹介しつつ、今後の取り組みを進める上で注意すると良いポイントをご紹介いたします。

製造業のデジタルマーケティング先進事例

製造業の企業において、いくつか異なる課題を解決している事例をご紹介していきたいと思います。

・A社事例 - CVR改善に取り組み、月間の問い合わせ数増加

工場や病院、建設現場を中心に使われる機械などの部品や消耗品といった、非常にニッチな製品を製造・販売しているA社では、Webサイトは保有していましたが、いわゆる「会社・製品の紹介サイト」として会社情報やカタログサイトを中心に運営されていました。

Webサイトからの商談獲得数を増やすことを検討しましたが、特に製品が特定専門分野であるため、検索エンジンからの自然流入が難しいと判断し、CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)の改善を優先的に取り組みました。

特に、Googleアナリティクス(アクセス解析ツール)を活用して、リードとなる企業が訪問しているか?その企業が欲している情報は何か?といった視点でWebサイト内の行動を慎重に把握し、コンテンツの改善に努めた結果、年間数件しかなかったWebサイト経由の問い合わせが月間数件のペース増加し、商談に繋がる案件の獲得にも成功しています。

・S社 - Webサイト改善で問い合わせ数が3.1倍増加

パーツフィーダ(生産ラインにおいて必要な小物やパーツを一定方向に並べて、自動的に次の生産工程に搬送する機械)の製造・販売を展開するS社では、ブログ及びホームページで製品を紹介しており、問い合わせはあるものの実際の購入に繋がるケースが少ない状態にありました。

そこで、いくつかWebページの状態を調査したところ、そもそもコンテンツの更新頻度が低く、古い情報が掲載されているままであったため、ページ途中の離反や直帰といった係数が高くなっていることがわかりました。

さらに、Webサイトに掲載している内容が不十分で、サイトを訪問しているお客様が十分に情報を得られていないことが判明したため、コンテンツの定期的な刷新に加え、より「技術力の高さ」「他者との違い」「アドバンテージ」などを画像や動画を活用して、わかりやすく構成し掲載することで、誰が見ても理解しやすい形にコンテンツを改善しました。またブログを利用することで、ページ更新の停滞感を無くし、定期的に新しい情報を配信するようにも勤めました。

その結果、新規顧客からの問い合わせや東証一部上場の大企業からの受注が増え、年間売り上げも約2倍に増加しています。

・B社 - マーケティングオートメーション導入による新規顧客獲得率1.7倍

電子計測機器メーカーであるB社では、展示会やセミナーでの対面営業によって新規顧客を獲得してきましたが、必ずしも顧客の望むタイミングでコンタクトできているわけでなく、新規顧客との関係性をよりスムーズに構築することが課題とされてきました。

そこで、マーケティングオートメーションを導入し、マーケティングからインサイドセールス、従来のフィールド営業へと顧客の検討フェーズの把握と、すでに導入されていたSFA(Sales force Automation)や営業が持っていたマーケティング情報との統合分析を実現しました。

結果として、顧客の望むタイミングでのコンタクトの実現や案件の見極め、部門を横断したプロジェクトを推進できる体制の構築により、コンタクト可能な潜在顧客が1.7倍にまで増加しています。

デジタルマーケティングを成功させるポイント

上記では、製造業におけるデジタルマーケティングの基本的な施策事例を3つ紹介いたしました。いずれの事例においても、デジタルマーケティングの担う役割を理解し、継続的な改善を行うことで段階的に効果をあげています。

そこで、これからデジタルマーケティングを実施する上で、意識して押さえておくと良いポイントを紹介します。

Point1. 現在の問題を明確にする

デジタルマーケティングへ積極的に取り組んでいない企業でも、A社のようにWebサイトを運営している企業は多いでしょう。しかし、単なる会社・製品の紹介サイトになっているケースは多々あります。また、S社のようにデジタルマーケティングに取り組んでいても、うまい具合に施策効果が出ないケースもあるでしょう。

デジタルマーケティングを実施したり、効果を最大化するにあたってまず大切なのは、発生している問題を明確にすることです。A社の事例では最低限のWebサイト運営体制や、デジタルマーケティングに対する理解不足などが大きな問題として挙げられます。

Point2. 原因分析を徹底する

問題の明確化が完了したら、なぜ効果が上がらないのか?デジタルマーケティングを阻害しているものは?といった原因分析を徹底します。このポイントはデジタルマーケティングにおいてかなり重要です。特定した原因が間違ったものだと、その後の施策も大きくずれていきます。

特に高度な情報分析を実施する必要はありませんが、問題の本質をとらえながら原因分析を行っていくことが重要です。

Point3. 無料ツールを駆使する

デジタルマーケティングを実施するにあたり、いきなり大きなコストをかける必要はありません。B社の事例ではマーケティングオートメーションを導入していますが、それは既存のSFAとの連携あってのものです。そのため、初めてデジタルマーケティングへ積極的に取り組む企業の場合、Googleアナリティクスなどの無料ツールを駆使して施策をスタートさせることをおすすめします。

デジタルマーケティングは上層部からの理解を得にくい施策でもあるので、無料ツールで極力コストをかけずに成果を上げ、徐々に施策を拡大していくことが大切です。

Point4. 単純な「アクセス数増加」に囚われない

企業ブログ等を運営している場合、検索エンジンからのアクセス数が少ないからといって安直にSEOに取り組むケースがあります。しかし、実際の問題はアクセス数ではなく、コンテンツやWebサイトの構造にあるかもしれません。

デジタルマーケティングと聞くと「アクセス数を増加させないと」と固定概念を持つ場合がありますが、いったん冷静になり本質的な問題を見つめて、アクセス数増加にとらわれない施策を展開しましょう。

Point5. 限られた費用で最大限効果を得られる施策を考える

デジタルマーケティングにかけられる予算は、非常に限られているケースが多いでしょう。特に、上層部が施策効果に懐疑的だと、少ない予算で最大限の効果を上げなければいけません。そのために、どこに予算を集中させればよいのかを十分に検討し、限られた費用で最大限の効果が得られる施策を打ち出しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?製造業でもデジタルマーケティングによる恩恵を受けることはもちろん可能です。大切なのは、自社製品の特徴やマーケティングプロセスを改めて理解し、適切な施策を打ち出すことです。この機会に、デジタルマーケティングの実施と最適化をぜひ検討してみてください。

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