失敗しないためのデータ連携。その方法とポイント

2019.08.28  株式会社エクサ

株式会社日経BPコンサルティングは、2014年から毎年『データ連携に関するアンケート調査』を実施しており、2018年で5回目を迎えています。その中で、データ連携ツールの導入率は22.7%となっており、2017年の19.8%から導入率が2.9%上昇しています。その背景にはビッグデータやIoT(Internet of Things)、AI(人工知能)の利活用が進展し、企業内に分散しているデータを相互に連携させ、分析・活用したいというニーズがあります。

参考資料:データ連携ツールの導入率は22.7%に上昇、導入検討中まで含めると4割超に~日経BPコンサルティング調べ 「データ連携に関するアンケート調査」~

しかしながら、データ連携に取り組むすべての企業が成功しているわけではなく、中には失敗事例も目立ちます。長らく個別最適化が進められてきた日本企業のシステム環境では、データ連携をしようにもさまざまな問題が残されており、それを解消しないまま連携を試みても失敗に終わってしまうでしょう。

さらに、データ連携後の活用が十分にされていないがために、連携にかかった投資費用を回収できない事例も少なくありません。本稿ではそんなデータ連携について、失敗しないための方法とポイントについて解説します。

データ連携の必要性は重々承知しているものの、具体的に何に取り組めばよいかわからないという方は、ぜひ参考にしてください。

データ連携の方法:EAI・ETL・ERPの違い

企業内に点在するさまざまなデータを連携するにはいくつかの方法があります。少しややこしいですが、①EAI、②ETL、③ERPという3つの方法です。それぞれの違いについて解説していきます。

EAI(Enterprise Application Integration:エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)

個別最適化が進んだシステム環境において、部署ごとに稼働している業務アプリケーションを統合して1つの大きなシステムとして使用するための仕組みおよびそれを実現するツールです。「業務アプリケーション統合」と訳されます。

部署ごとに稼働している、個別最適化された業務アプリケーションは相互に連携しておらず、分断的なシステム環境となっています。これではデータ連携を実施するどころか、各業務アプリケーションから必要なデータを収集するのにも時間がかかります。

EAIはそうした業務アプリケーションを1つに統合した上で、データとプロセスを繋ぎ合わせ、全社的に使用可能な大きなシステムを構築します。

ETL(Extract, Transform, Load:エクストラクト、トランスフォーム、ロード)

個別最適化が進んだシステム環境において、部署ごとに稼働している業務アプリケーションに接続して必要なデータの抽出を行い、使いやすいフォーマットに変換・加工した後にDWS(Data Ware House:データ・ウェア・ハウス)等の、データ管理プラットフォームにデータを書き込むためのツールです。各単語は「抽出、変換(加工)、書き込み」を意味します。

EAIとは違い各業務アプリケーションからデータだけを抽出し、変換・加工した後にデータの書き込みが可能なため、コスト面で優れており、システムの複雑化を軽減できます。

ERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズ・リソース・プランニング)

基幹系システムと呼ばれる、経営上欠かせない業務アプリケーションや、効率的な業務遂行に欠かせない情報系システムを統合し、1つのパッケージソフトウェアとして提供する製品です。「経営資源計画」と訳され、もともとは生産効率性を高めるためのMRP(Material Resource Planning:マテリアル・リソース・プランニング)が持つ概念を、経営全体的に適用したマネジメント手法でした。

その概念を具体的に実現するために開発されたのがERPであり、1990年代から欧米諸国で導入が進み、現在では日本でも企業規模を問わず導入されています。

ERPを導入することで統合的なシステム環境を一手に構築することができ、業務アプリケーション同士の連携を取ることはもちろん、システム構成をシンプルにして運用負担の軽減も可能になります。

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データ連携に失敗しないためのポイント

各業務アプリケーションのデータをCSV形式で抽出し、ExcelやAccess等に入力するといった手動でのデータ連携方法を除けば、データ連携のための選択肢は前述した3つの方法に集約されます。ただし、EAIもETLもERPも導入すれば自然にデータ連携に成功するわけではありません。いずれの方法でも、下記にまとめたポイントを押さえることが大切です。

Point1. データ連携の目的を明確にする

業務アプリケーションごとのデータを連携する目的は三者三様です。必ずしも1つとは限りませんし、目的によって導入プロジェクトの方針も変わります。まずは、データ連携の目的を明確にすることから始めましょう。経営課題等を整理して、データ連携がなぜ必要かを再認し、目的を決定します。

Point2. 連携したいデータを整理する

目的に応じて連携すべきデータの種類や量、範囲等は変わってきます。よくある失敗例が、連携するデータを明確に定義せずに、すべてのデータを対象としてしまいプロジェクト費用が増大してしまうことです。最初のうちは狭い範囲でのデータ連携がベターなので、しっかりと連携するデータを定義します。

Point3. それぞれの方法のメリット・デメリットを確認する

EAI、ETL、ERPでデータを連携する方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それらをしっかりと確認した上で、自社にとって最適なデータ連携方法を選択することが大切です。

Point4. 既存システム環境の評価をする

既存システム環境がどうなっているのか?改めて評価してみないと分からないことはたくさんあります。システム環境にある問題を整理し、評価していきます。

Point5. データ連携方法の妥当性を検証する

既存システム環境を評価した上で、決定したデータ連携方法の妥当性を検証していきます。コスト、インフラ、期間などさまざまな観点から妥当性を検証していきましょう。

Point6. 具体的な製品検討に入る

ここまでのプロセスが完了したら、具体的な製品検討に入ります。EAI、ETL、ERPそれぞれにたくさんの製品が提供されているので、製品ごとの特徴をしっかりと把握した上で最適な製品を検討しましょう。

データ連携の重要性を認識しよう!

いかがでしょうか?データ連携はビジネスにとって欠かせない作業です。データ連携を実現することでリアルタイムな経営情報把握や、プロセス同士の接続によって業務効率をアップが図れたりと、様々な効果があります。この機会にぜひ、データ連携の重要性を認識して取り組みを検討してみましょう。

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